2025年最新！アフリカのユニコーン動向と次に来るスタートアップまとめ！
2025年1月の時点で、アフリカには9つのユニコーン企業が存在しています。特にフィンテックやデジタルバンキングの分野が主導しており、2024年には新たにMoniepointとTymeがユニコーンの仲間入りを果たしました。
一方で、世界的な資金調達環境は厳しくなっており、アフリカのスタートアップへの投資も2021年・2022年のピーク時と比較して減少しています。
金利の上昇や経済の不確実性の影響で、初期段階のスタートアップにとって資本がより得にくい状況となっています。
それでも、投資家は成長可能性の高い企業に対しては依然として資金を提供しており、アフリカのユニコーン企業は今後も注目される存在です。
本記事では、2024年現在のアフリカ・ユニコーン企業の概要、資金調達環境の変化、そして今後の有望な企業について詳しく解説します。
アフリカのユニコーンとは？
ユニコーン企業とは、未上場の状態で企業価値が10億ドル以上に達したスタートアップを指します。
これらの企業は、テクノロジーを活用し、資本やインフラの不足、専門人材の確保といった課題を乗り越えながら急成長を遂げています。
特にフィンテック、デジタル決済、モバイルマネーの分野で成功を収めており、アフリカ市場の需要に即したサービスを展開することで投資家からの支持を得ています。
アフリカ最初のスタートアップは2019年に誕生し、2024年末時点で9社のユニコーンが誕生しています。
アフリカ・ユニコーン企業一覧と事業概要
2025年1月時点で、アフリカには9つのユニコーン企業が存在しています。それぞれの企業は特定の分野で独自のビジネスモデルを展開し、大きな成長を遂げています。
アフリカのユニコーン企業は、各業界において革新的なサービスを提供し、投資家から高い評価を受けています。
Interswitch（ナイジェリア）
2002年に設立されたデジタル決済と金融インフラ統合を提供する企業で、2019年にVisaから2億ドルの投資を受けユニコーンとなりました。現在、14カ国で事業を展開しています。
Flutterwave（ナイジェリア）
2016年に設立された決済インフラ企業で、アフリカおよびグローバル市場向けに決済ソリューションを提供しています。2021年に1億7000万ドルの調達でユニコーン入りし、2022年には評価額30億ドルを超えるまで成長しました。
OPay（ナイジェリア）
デジタル銀行サービスを提供し、送金、請求書支払い、デビットカードなどを展開しています。2013年設立以来、2019年にはシリーズAで5000万ドル、シリーズBで1億2000万ドル、2021年のシリーズCで4億ドルの資金を調達し、現在の評価額は30億ドルに達していると言われています。
Wave（セネガル）
2018年に設立され、手数料の低いモバイルマネーサービスを展開しています。2021年には2億ドルの資金を調達し、評価額は17億ドルに達しました。現在も西アフリカ諸国でキャッシュレス化を推進しています。
Andela（ナイジェリア）
2014年に設立されたソフトウェア開発者向けのグローバルジョブプラットフォームを提供する企業です。2019年に1億ドルのシリーズD、2021年に2億ドルのシリーズEを調達し、現在の評価額は15億ドルとなっています。
Chipper Cash（ガーナ）
アフリカおよび米国のユーザー向けに国際送金サービスを提供するフィンテック企業です。2018年設立後、2020年に1,380万ドルのシリーズAを調達し、2021年にはシリーズCで1億ドルの調達を行い、評価額20億ドルに達しました。しかし、近年の市場環境の変化により、新たな資金調達が困難になっている状況です。
MNT-Halan（エジプト）
金融包摂を推進するフィンテック企業で、伝統的な銀行業務をデジタル化し、アフリカと中東での利用拡大を目指しています。2023年には2億6000万ドルの資金を調達し、ユニコーンとなりました。
Moniepoint（ナイジェリア）
2015年に設立され、企業向けデジタル決済ソリューションを提供するフィンテック企業です。シリーズAで550万ドル、シリーズBで3000万ドルを調達し、2024年には評価額10億ドル以上でユニコーンに認定されました。
Tyme（南アフリカ）
デジタルバンキングの提供を目的とするスタートアップで、2019年にシリーズAで1400万ドル、2021年にシリーズBで1億1000万ドルを調達しました。2024年にはシリーズDで2億5000万ドルの資金を確保し、評価額は15億ドルとなっています。
2024年の資金調達環境
2021年・2022年のピーク時と比較して、資金調達は減少傾向にあります。Partechによると、2024年のアフリカ全体のVC資金調達額は32億ドルであり、前年比7%減となりました。
金利上昇や経済不安が影響し、投資家はより慎重な姿勢を取っています。それでも、一部の有望な企業には依然として巨額の投資が行われています。
特にフィンテック分野は引き続き強く、9社のユニコーンのうち8社がこの分野に属しています。
デジタル決済やバンキングの需要拡大が成長を後押しし、モバイルマネーや国際送金が特に大きな市場を形成しています。
2024年のスタートアップ資金調達環境については改めて別途紹介します。
次のユニコーン候補（Soonicorns）
現在、ユニコーンにはなっていないものの、今後10億ドル以上の評価額に達する可能性のあるスタートアップも存在しています。
The Big Dealのレポートによると、2025年のスタートアップ投資は好調なスタートを切り、1月の資金調達総額は2億8900万ドルに達しました。これは2024年1月の8,500万ドルの約3.5倍であり、過去数年間で2番目に多い1月の調達額となっています。
特に注目されるスタートアップとして、エネルギー分野のPowerGenが5,000万ドル以上、フィンテックのLemFiが5,300万ドル、インシュアテックのNakedがシリーズBで3,800万ドル、エドテックのEnko Educationが2,400万ドルの資金を調達しました。これらの企業は、今後ユニコーンになる可能性が高いと見られています。
その他、以下のスタートアップが有望視されています。
フィンテック：Jumo、PalmPay、Yoco、Kuda
エネルギー：Sun King、M-Kopa、d.light
モビリティ：Moove、Yassir、Planet 42
リテール：WasokoとMaxABの合併企業、TradeDepot
2024年にMoniepointとTymeがユニコーンになったように、現在の投資規模を見ると2025年も新たなユニコーンが誕生する可能性が高いと見られています。
まとめと今後の展望
アフリカのユニコーン企業は9社に拡大し、フィンテック分野が引き続き成長を主導しています。
世界的な資金調達環境は厳しくなっていますが、一部のスタートアップには依然として巨額の投資が行われています。
今後、ヘルステック、アグリテック、クリーンエネルギーの分野で新たなユニコーンが誕生する可能性があり、エチオピアやガーナなどの新興市場でのスタートアップの成長が期待されています。
アフリカのスタートアップエコシステムは進化を続けており、今後も世界的な投資家の関心を集めることが予想されます。
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記事参照元
https://www.tekedia.com/africa-startups-kick-off-2025-with-nearly-300m-in-funding/