P&Gのアフリカ戦略!ナイジェリア撤退と南アフリカへの新投資!
今回もアフリカ現地で話題のニュースを取り上げ、その記事をまとめた要約記事をお届けします!今、アフリカ各国で何が起こっているのか、一緒に勉強していきましょう!
さて今回は世界最大の一般消費財メーカーであるP&Gの最近のアフリカ戦略についてまとめてみました。
P&Gのナイジェリア撤退とその影響
プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は、ナイジェリアでの製造業務を終了し、輸入に特化したビジネスモデルに移行することを決定しました。
この撤退は、国内でのビジネス運営におけるドル建て組織としての課題と、ナイジェリアのマクロ経済状況に起因します。
P&Gは30年以上にわたりナイジェリアで運営していましたが、この撤退の結果、5,000人以上の雇用が失われる可能性があります。
P&GはナイジェリアでAlways(生理用ナプキン)、Pampers(オムツ)、Ariel(洗剤)、Oral B(歯磨き粉)、Gillette(カミソリ)などを生産してきました。
2018年には、3億ドルのナイジェリア生産工場の閉鎖を計画し、2021年には業務を大幅に縮小し、従業員を解雇しました。
この撤退は、ナイジェリアの経済にさらなる打撃を与える可能性があり、外国直接投資の減少につながる恐れがあります。
なおBusiness Dayによると、ナイジェリアでの消費財(FMCG)企業の6社中10社が、利子率の上昇とナイラの切り下げにより今年の最初の9ヶ月で損失を報告しているとのことです。
P&Gのナイロビ撤退とその背景
P&Gはまた2024年6月にナイロビから撤退する計画が報道されました。
この決定は、ビジネスコストの高さ、ドル不足、売上の急激な減少によるものです。
ナイロビでの撤退は約30人の直接従業員と請負業者に影響を及ぼします。
P&Gは、地元市場でのシェアを占めてきた地上支援を削減し、ディストリビューターによる直接輸入モデルに移行します。
この変更は、P&Gが直面しているナイロビおよび他の新興市場でのマクロ経済的な課題の結果です。
アメリカの利息率引き上げ政策やドルの強さは、安価な地元生産者や中国製品との競争を引き起こしています。
ナイロビにおけるこの撤退は、P&Gのアフリカにおけるビジネス戦略の見直しを示しています。
なおケニアの中央銀行(CBK)によるCEO調査では、製造業を含む異なるセクターの企業の52.9%が売上の減少しており、クリスマス・年末年始シーズンに入っても回復は期待できないと回答しています。
南アフリカにおけるP&Gの新しい投資
一方、南アフリカではP&Gが新しいパンパース・プレミアムケアの生産ラインを導入しました。
この動きは、1994年以来の南アフリカへの大規模な投資の一環で、R900百万(約4,700万ドル)の累計投資が行われています。
南アフリカ大統領のシリル・ラマポーザと他の政府関係者が出席したイベントで、この新しい生産ラインが発表されました。
P&Gは、ジェンダー平等の推進や社会進歩の促進を含め、地元経済への支援と南アフリカの成長へのコミットメントを強調しています。
この投資は、地元での雇用創出、イノベーションの促進、経済と社会開発の推進を目指しています。
P&Gのアフリカでのビジネス戦略
P&Gのアフリカにおけるビジネス戦略は、ナイジェリアとナイロビの撤退と南アフリカへの新しい投資により、明確な方向性を示しています。
ナイジェリアとナイロビでの撤退は、経済的困難、外国為替の問題、市場競争の激化に直面していることを反映しています。
対照的に、南アフリカへの投資は、市場の潜在能力とP&Gの長期的なコミットメントを示しています。
これらの動きは、P&Gがアフリカでのビジネス戦略を再評価し、各市場の特性に合わせて適応していることを示しており、地域経済に対する影響は注目に値します。
ナイジェリアとナイロビでの撤退は一定の経済的、社会的影響をもたらす一方で、南アフリカでの新しい投資は成長と進歩の可能性を秘めています。
記事参照元:
https://businessday.ng/news/article/p-g-nigeria-exit-ends-5000-jobs/
サムネイル画像:UnsplashのNathan Dumlaoが撮影した写真