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【SVダブル】マタドガス単体考察

はじめに

皆さんこんにちは。育成済みラブカスを複数所持している男ことBomberNinjaです。
今回はいつもの構築記事みたいなものでは無く「マタドガス」というポケモン単体に絞った考察記事です。
といってもそんな大層な内容では無くマタドガスくんはこういうポケモンだから難しいよね、と言いたいだけの記事です。

飽くまで3週間くらいマタドガスを考察した僕の主観的意見に過ぎませんが、マタドガスくんとはそこそこに仲良くしてきたつもりなので是非読んでやってください。
最初に記事を書く気になった経緯みたいなもの少し書くので興味がなければ目次の考察パートから読んでください。
では目次の後、本編です。

記事を書くに至った経緯

先日、僕は自称ポケモン界の羂索こと休歌さん主催の「壺構築品評会」というイベントに参加させていただきました。
イベントの趣旨を簡単に説明すると「一見胡散臭いけどワンチャンあるんじゃね?」と思わせるような構築を参加者がそれぞれ持ち寄りそれらを評価し合うイベントです。
上記イベントの際、僕はありとあらゆるマタドガス入りの構築に解釈不一致だと言って厳しい評価を下しました
一応そちらの記事にも少し理由を書いていますがいかんせん説明不足っぽいなあと感じた為、今回の記事を書いています。
要は言い訳させてってやつです。

マタドガス単体考察

それでは本編です。
最初の2つは基本的なことなので知っている方は読まなくていいです。飛ばしてください。結構長いです。
先ずはスペックの確認からしていきましょう。

基本性能の確認

先ずは種族値ですが
65-90-120-85-70-60で合計490です。原種、ガラル共通です。

正直言ってコレだけだとBは少し高いなあくらいでしかありません。でもHPが低いので実際はかなりペラペラです。

そしてタイプですが原種が毒単タイプ、ガラルが毒フェアリータイプです。
タイプに関してはガラルは弱点が増えるだけだろうと思っていましたが、実際に触ってみると悪ウーラオスの一致技を両半減出来る等、いいところもあります。もちろん原種の毒単タイプも弱点が少なく強いと思ってはいます。

そしてマタドガスといえば特性です。
化学変化ガスと浮遊、そして原種であれば悪臭、ガラルであればミストメイカーです。
他の特性も弱いわけではありませんが、マタドガスを使うなら殆どが化学変化ガスを買っての採用となると思います。なので今回は化学変化ガスでの採用に絞って話をします。

化学変化ガスの仕様

化学変化ガスという特性は一言で言うと「自身を除く場のポケモンの特性の効果を打ち消す」という非常に強力に見える効果となっています。
見えるだけです。

更にこの特性を運用するにあたっては特性の細かい仕様の理解が必須になってきます。
全て語るとキリがないので先ずは主要なものだけ見ていきましょう

1つ目が化学変化ガスを持ったポケモンが場を離れた場合、無効になっている特性の中で登場時に発動するものはすぐに発動する、です。
例えばコチラの盤面にマタドガスともう一体のポケモンで裏に勝気のミロカロスが居る、相手には威嚇持ちのポケモンがいるとします。
この時マタドガスをミロカロスに引くことでミロカロスが威嚇を受けて勝気が発動するんじゃないか、と初見だと思ってしまうことがあります。
実際にその動きをしてみると威嚇は「戻れマタドガス!」という文章の直後、化学変化ガスが切れて威嚇が発動します。なのでミロカロスは威嚇を受けることがありません。ちなみにマタドガスは威嚇を受けたことになるらしいですが既に場にいない為、白いハーブや脱出パックは発動しません。お見通しなども同じようにマタドガスが受けます。
既に威嚇等が発動した後にマタドガス着地し、その威嚇等を発動済みのポケモンが残ったままマタドガスが場を離れた場合もすぐに再発動します。
コレは有名な仕様なのでみなさんご存知ですね。

2つ目は一部の特性は無効にならないということです。コレも有名ですね。
化けの皮やバトルスイッチ、マイティチェンジなどのフォルムチェンジ系が主に無効出来ない特性です。が、何故か古代活性とクォークチャージを無効にすることができません。ブーストエナジーで発動した場合や天候・フィールドによって発動した場合の何れの場合でも無効になりません。
コレによってパラドックスポケモンとの相性は非常にいいです。
ちなみに似たような特性の火緋色の鼓動やハドロンエンジンは無効になります。更にフォルムチェンジ系でもイリュージョンやはらぺこスイッチなどは無効にすることができます。
あと人馬一体も無効になりません。

3つ目は既に条件を満たし、発動済みの特性は化学変化ガスのポケモンがいる間のみ無効になる、です。
貰い火での炎技の威力上昇や軽業の素早さ上昇がコレに該当します。
オオニューラにマタドガスを後出しして「S下がったから放置でいいや」なんて言っているとマタドガスがいなくなった瞬間に倍速になって襲いかかってきます。
この仕様は意外と知らない人もいるかもしれませんね。

以上の3つが主に重要な仕様です。
ややこしいですね〜。

次にマタドガスとよく組まれるであろうケッキングのなまけとの仕様を見てみましょう
と言っても化学変化ガスの間怠けないというのは当然ですね。
では、マタドガスケッキングで並んでいる場面を想定したとしましょう。
1ターン目にケッキングは地震、マタドガスは守るを選択しているとします。
では2ターン目にケッキングの行動前にマタドガスが倒れた場合、ケッキング行動出来るでしょうか?
…なんと行動できます。
なまけにはなまけを取得したターンはそのまま行動できるという仕様があり、化学変化ガスが解除された場合も同じ処理がされるようです。
しかし、同じ状況下でケッキングがテラスタルしている場合、そのターン怠けて動きません。
ポケモンSV発売初期に道連れした次のターンにテラスタルすると道連れが切れるという謎の現象が起きていましたがおそらくそれと同じ処理です。
道連れは直したのになまけは直さなかったようです。
なまけについてはコレより面倒な仕様はありません。マタドガスとケッキングを並べる際は頑張ってマタドガスを維持しましょう。

では最後にランクバトルで起こるかもしれない細かい仕様を少しだけ見ていきましょう。

先ず1つ目はこの特性はスキルスワップができず、この特性を持ったポケモンに変身しても効果がないということです。
前半はまあこの通りなのでいいとして、後半については具体的にいうと
化学変化ガスのマタドガスにメタモンで変身しても化学変化ガスが発動しないので後でマタドガスがいなくなったら特性が普通に使えるんですね。ちなみにマタドガスミラーではちゃんと両方の化学変化ガスが発動します。
不思議ですね。

2つ目は既に面影宿しが発動済みの状態でマタドガスを出し入れしても再度面影宿しは発動しないということです。
一見威嚇などのように再発動出来そうですができません。面影宿しは変幻自在同様場にいる限り1度しか発動しない仕様のようです。

3つ目ですが化学変化ガスを持つポケモンの大爆発でHPが半分以下になってもぎゃくじょうは発動しないということです。
食いしんぼうも似たような仕様で発動しません。が、食いしんぼうの場合は少し違っていてそこから少しでもHPが減れば発動します。
例えばマタドガスの大爆発でフィラのみを持ったカビゴンに55%ほどのダメージを与えた場合、その瞬間にきのみを食べることはありませんが次のポケモンで僅かでもダメージを与えた場合にきのみを食べます。
不思議ですね。

4つ目、これはなまけに近いですが、化学変化ガスを持つポケモンと菌糸の力を持つポケモンが並んでいる状態で、菌糸の力のポケモンの行動前に化学変化ガスのポケモンが倒れた場合でも菌糸の力のポケモンの行動順は変わりません。あとだしも同様です。
マタドガスの相方としてリククラゲも想起されやすいので覚えておくと損はしません。

次で最後にしましょう。
実は化学変化ガスは特性ガードも持っているポケモンには効果がないのですが、特性ガードを持っている場合、化学変化ガス発動時に「特性ガードで化学変化ガスを防いだ!」というメッセージが表示されます。
コレがあまりにも弱く、特性ガードウーラオスで「コチラの守るは絶対に通るけど相手の守るは特性ガードウーラオスで貫通できます」みたいなコンボが、相手目線でも守るを貫通してくること通知されていることで守ってこなくなり破綻します。
何故この仕様にしたんでしょう?
ゲーフリは特性ガードに恨みでもあるのでしょうか?

追記)最近寿司が増えているらしいので追記しておきます。
対寿司では化学変化ガスで合体自体を防ぐことはできますが、寿司が合体した後に化学変化ガスが発動しても何も起きません。

マタドガスの役割

上記までのことを踏まえてマタドガスの役割を考えてみましょう。
とはいえ普通は
・自分のエースのデメリットとなっている特性を無効にする。
・自分のパーティ内で苦手な相手ポケモンの特性を無効にする。

の2つです。
僕は前者を置物運用、後者をメタ運用と呼んでいます。
この二つではマタドガスに求められる役割が違います。

置物運用

置物運用では基本的にデメリット特性を持つエースが退場するまで、マタドガスを盤面に維持し続ける必要があります。
この運用をするのがマタドガス系の構築で最もメジャーといえるギガスドガスドガスケッキング、あとは僕が考察していたアグノムイエドガスです。

それぞれ特徴としてギガスドガスではエースのレジギガスがS操作ができる強力な一致技を持っており、また先にマタドガスが倒れたとしてもこごえるかぜなどで後続のサポートに回る択が取れるといった汎用性を持っています。
一方でケッキングやアグノムはマタドガスがいなくなった瞬間からエースとしての仕事をほとんど放棄するうえにサポートもできません。
その代わりにケッキングは高耐久で回復技もあるので維持がしやすくアグノムはサイコフィールドがある且つマタドガスがいる間は強力な範囲攻撃を使うことができます。

それぞれのエースの特徴を踏まえてそれぞれどの程度マタドガスを維持すべきか考えてみましょう。
ギガスドガスではダイマックスがある3ターンの維持は必須でそれ以降は維持できるに越したことはないが無理にしなくてもいい。
ドガスケッキングではケッキングが生きている間は何としても維持したい。
アグノムイエドガスではアグノムが生きている状態でサイコフィールドが切れるまでは維持したい。
つまりギガスドガスとアグノムイエドガスでは3~4ターン、ドガスケッキングではケッキングがいる限り無限のターン維持したいということにです。
なのでギガスドガスやアグノムイエドガスでは、S操作の後に追撃ができたり、範囲技で取りこぼしたところを削りきるためにASやCSの配分で襷などの行動保障を持たせる必要があり、ドガスケッキングでは長期間維持するために耐久に寄せた配分で黒いヘドロや食べ残しなどの回復ソースとなるアイテムを持つことが必要である。ということになりそうです。

今回はレジギガス、ケッキング、アグノムを例に出しましたがエースのポケモンが他のものになる場合でも考えることは同じだと思っています。

メタ運用

正直今マタドガスを使おうとする人のほとんどはこっちだと思います。
なんといってもレジギガスがいませんからね。
ですがこちらがかなり問題児です。

メタ対象としては威嚇などの登場時特性や悪戯心、すいすいなどの行動順に関わる特性がメインになってきます。

先ず、このポケモンは選出画面にいるだけである程度機能します。
遅い悪戯心などは選出されずらくなり、登場時特性を持つポケモンが控えに置かれやすくなります。このことを考慮しないと毎回マタドガスが刺さっているような気がしてしまい選出が歪みます。

また、メタ対象を自分、もしくは隣で処理できなければ意味がありません。
すぐに処理できない場合、処理する前にマタドガスが倒され、メタとして機能しなくなってしまいます。
更にはメタ対象を処理した場合でも、速やかに退場できなければ味方のポケモンのスペックを落とすことになってしまいます。皆さん忘れているかもしれませんがポケモンは特性があった方が強いです。
一応これのケアとしては古代活性やクォークチャージのポケモンを複数採用することである程度何とかなります。

パーティ構築の際にはほかにも罠があります。それが『特性ガード』の存在です。一見するとマタドガスがいても特性が使えて強い気がしてしまいますが、それは罠です。化学変化ガスを防いだ瞬間にメッセージが流れる都合上特性ガードは相手に持ち物がないことを通知する道具です。威嚇などの登場時特性や災いシリーズなど登場時に通知があるタイプの残存特性ならケアできているように見えるかもしれませんがそんなことはありません。
あなたはスカーフでも眼鏡でもないことが分かっているイーユイが怖いですか?襷でも珠でもないことが分かっているパオジアンが怖いですか?
そういうことです。特性ガードはゴミです。やめましょう。
唯一特性ガードを持つことを考慮してもいいと思っているポケモンはヒードランです。こちらは貰い火がばれていると相手が熱風を押しにくくなることや、マタドガスがいなくても型破りのポケモンの炎技を防ぐという役割もある為です。それでも尚他の道具の方が強いです。

さてここまでの話を踏まえてメタ運用のマタドガスを使用した構築を見てみましょう。
第4回壺構築品評会主催休歌さんの作品です。

ちなみにそのほかの構築はコチラです(宣伝)

それはさておきここまで言ってきた要素がほぼ満たされています。流石ですね。美しいマタドガス入りのスタンパです。壺かどうかはさておき。
サーフゴーやトドロクツキ、オーガポンなどマタドガスのメタ対象を倒せるに足るパワーを持つポケモンたちで構成されています。また、威嚇を持つランドロスや勝気のミロカロスなども化学変化ガスで威嚇を保留でき、任意のタイミングで発動できるため相性がいいです。
マタドガスの型は適当らしいですが一応悪戯心組に対しての挑発と置物にされたときに雑に打てる毒ガスがあるので腐りづらくはなっています。アシッドボムは知りません。ダストシュートにでもしましょう。

このようにマタドガスはパワーで押していくタイプの構築のメタ枠としては相性がいいことが分かりますね。

終わりに

今回の記事は以上です。
結局何が言いたかったのかというと
マタドガスは難しいポケモンだから適当に入れると構築を歪めるだけで何もしないよ、ということです。
適当に突っ込んで強いポケモンには適当に突っ込んでも強い理由があります。
マタドガスはそういうポケモンじゃないだけですね。
ちなみに僕は剣盾ダブルエアプなのでギガスドガスのところは100%想像で書いています。
とはいえ皆さんがマタドガスを使いたいときの参考になればうれしいです。
それではまたお会いしましょう。さようなら~。


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