あの頃の「デュエプレ」を振り返ろう 〜4c除去ドルバロム編〜
皆さんはデュエル・マスターズ プレイス、遊んでらっしゃいますでしょうか?
僕は1弾リリースから細々とやってきております。ウッキウキで引いたお年玉パックから出た《ラプター・フィッシュ》、今でも忘れません。
初期は配布も渋く、先行きが危ぶまれたりもしましたが、エキスパンションもいよいよ20弾までリリース!紙ではE1まで遊んでいた筆者も、もう完全に知らない時代へ突入してしまいました。
あの《無双竜機ボルバルザーク》の衝撃からも3年が経とうとする今、世に送り出されてきたデッキタイプも数知れず。
20弾というキリのいいタイミングですし、過去に活躍したデッキを振り返って懐かしのカードたちに想いを馳せてみませんか?
・デッキ紹介
ということで、初回の主役はこのデッキ。
およそ2年前、2021年の8月に筆者がゼロ・フェニックスカップのNDとAD、両面マスター到達した時のデッキです。なので、9弾EXパックリリース後のタイミングで使っていたことになりますね。
この時代、他に流行っていたデッキは、ガントラビート(当時はデスドラ不在)、《アガピトス》系のクリーチャーコントロール、5cバイオレンス・フュージョン、赤白(稀に青入り)のボルフェウス・ヘヴンやメカオー等でした。
まめさん(BEANSさん)いつもありがとう。
最終日のグラフ見ても群雄割拠の時代だったんだなと改めて思いました。当時の環境をなんとなく理解してもらったところで、コンセプトの《ドルバロム》というカードを軸に、デッキの特性を解説します。
・《悪魔神ドルバロム》
まずはコンセプトカード、《ドルバロム》の黒以外のクリーチャーを全て墓地へ送る能力について。
他文明の否定は《ドルバロム》の代名詞とも言えるでしょう。この環境は黒を多く積むデッキがゼロフェニ系の4c除去や黒緑ドルバロム、ADの黒緑速攻しかいません。
ボルフェウスやガントラが6ターン前後でのゲームセットを目指してくる中、《ロスチャ》《バーロウ》の早期着地セット、《エタガ》《ビューティシャン》等の妨害を絡めた7〜8ターン目での《ドルバロム》着地は、多くの対面が盤面を完成させるタイミングに強く刺さりました。
しかも《バーロウ》という未来からの強力なサポートカードと、セット運用される《ロスト・チャージャー》のブーストもあり、10コスト進化クリーチャーにあるまじき運用性の高さを誇っています。
また黒以外をランデスする能力が詰めとして強力で、5cフュージョンに対する大幅な遅延や、ガントラ対面の返しターンでSA貫通等を防いだりしてくれます。
この時代、《ドルバロム》の被害を軽減するための黒入りコントロール全般のプレイングとして、黒のカードは極力マナに置いておくというのもあったと記憶しています。
逆に自分のマナから《ジャック》《アクアン》を落として、《竜極神ゲキ》で蘇生というのもやっていました。
ここまで《ドルバロム》のいい点だけをお話しましたが、実はこのカード、コントロールのフィニッシャーとしてはちょっと物足りませんでした。
3打点持ちで、《バーロウ》から実質SA運用できるのは良いものの、同期の《サファイア》《アルファディオス》と違い、相手のトリガーを封じる手段がコイツ自体には一切ないのです。
なのでこのデッキを使っていた時は、《ドルバロム》召喚から即攻撃に移ることはほぼありませんでした。
この時代、他の環境デッキはトリガーを20枚前後積むガントラビート、踏んだら強烈なカウンターを食らうボルフェウスやアガピ系コントロールの《天門》など、愚直に殴るとトリガーからクリーチャーが出てきて案外負けてしまうんです。
なので《ドルバロム》はフィニッシュまでの時間稼ぎとしての活躍を期待して採用し、実際にはここから解説するゴッド2種をフィニッシュ手段としていました。
・《竜極神ゲキメツ》
「ゴッドは微妙」との下馬評を見事に覆した、8弾屈指のパワーカード。7コストという重さは《ロスチャ》で緩和でき、このデッキに限らずとも有り余る汎用性で、中盤のゲームメイクを任せられていました。
基本的に先出しするのは、黒を持っていて《ドルバロム》に巻き込まれない《ゲキ》の方。cip時の4コスト以下蘇生の能力で、《アクアン》で落ちた《アクアン》や、チャンプブロックで死んでいった《ジャック》を出して、アドバンテージを貪欲に稼ぎます。
《メツ》の方も当然強く、殴り返しでの対処がしにくかったガントラの《アラゴナイト》や、《ドルバロム》後に生き残ったミラーの《ビューティシャン》等を、フィニッシュのついでに薙ぎ払うのが主な役割でした。
当時は《メツ》のせいで、パワー2000以下のクリーチャーには人権がないとまで言われていたような気もします。なので、《メツ》が出てきそうな対面ではメカオーも《ピラミリオン》から出す弾に《エル・カイオウ》を優先したり、一部で見られた《エンペラー・マルコ》の種には《アマリン》が採用されていました。
cipでアドを稼ぎまくった後は、簡単にリンクしてフィニッシャーに化けるというのも強く、《ゲキ》or《メツ》の前で不用意にクリーチャーをタップすると、リンクから2ランデスされるというので相手の攻撃を牽制可能。
ランデス能力は《ドルバロム》召喚後にこれまたよく効き、オーバーキル気味ですが、《ゲキメツ》で継続的に反撃の芽を摘みながら盾を詰めに行くのが日常茶飯事でした。
Q・ブレイカーはダイレクトアタックまでの回数がT・ブレイカーと変わらないことや、アタックトリガーのランデスを何度もローリスクで使いたいことから、「《ゲキメツ》はシングルブレイカーの方がもっと強かった」とまで言われることも。
しかし、《ドルバロム》+《ゲキメツ》だけだと《スパーク》+トリガークリーチャーを同時に踏んで簡単に負けてしまうので、そこをケアできる更なるフィニッシャーとして、第二のゴッドが控えていました。
・《究極超絶神ゼンアク》
ゴッドにモヤシ付与+警戒(エンド時アンタップ)持ち。そして《サファイア》よりでっかいブロッカー。
《ゲキメツ》《ドルバロム》ほどの派手さには欠けるものの、極めて堅実で痒いところに手が届くような能力を持っています。
こちらも基本的に先出しするのは黒を持っている《アク》の方からでした。理由は他にも、モヤシ能力で破壊による除去に耐性を持つこともあります。
先に《ゲキメツ》でプレッシャーを掛け、相手に《エタガ》の詠唱を強要してからの召喚を狙うことも。
要するに囮の《ゲキメツ》に対して相手が《エタガ》を撃てば《アク》召喚、《ハンド》を撃てば一旦待つみたいなことです。盾送りなら手札に帰ってきませんが、破壊なら帰って来ますからね。
出せばアドを稼ぐ《ゲキメツ》は、殿堂入り前はそういう使い方もしていました。
ごく稀に《ゼン》から出すこともありましたが、こちらはあまり望ましくないパターンで、例えばガントラ等のビート相手に盾0枚まで追い詰められて、どうしてもブロッカーを立てなければならない場面。
ブロッカーを持つ《ゼン》もリンク後と同じく、各ターン最初のブロックの後アンタップ(2回ブロック)の能力があり、出して処理されなければ7コストの重さに見合った壁として機能してくれます。
とはいえ《ドルバロム》着地後の、相手の動きが鈍ったタイミングで出すのがベストで、除去を撃たれない安全なうちに《ゼンアク》リンクを狙うことが多かったです。
リンクすると警戒能力とブロッカーのお陰で、詰めの段階で《スパーク》+トリガークリーチャーを踏んでも盤面を返されません。盾0枚でタップされても起き上がってブロッカーの仕事ができますからね。
アタックトリガーでオマケのように放つ除去も、《ドルバロム》《エタガ》で処理できない上に邪魔な《キング・アルカディアス》や《クイーン・アルカディアス》を屠ることができます。
こうして《ドルバロム》のリセットによる遅延から、強力なゴッドで勝利をより磐石なモノにするのが、4c除去ドルバロムというデッキの目指すところでした。
折角なので、ここまでで触れなかったその他の屋台骨を支えるカードたちもいくつか紹介します。
・《猛菌恐皇ビューティシャン》
軽くなってブロッカーのついた《アクアポインター》。
手札を減らさずにハンデスできることと、O・ドライブ込みでも4コストなため、3ターン《ロスチャ》の後でレインボーバグを起こしても動けることが強み。
《アポロヌス》殿堂入り直後のこの環境でマッドネスはそう多くなく、セルフハンデスが裏目に出ることはあまりありませんでした。
《ジャック》と違い黒のクリーチャーなので、《ドルバロム》召喚後もチャンプブロッカーとして場に残れます。
近い時代のデッキでは、4c除去コンの他にリーフメビウスやドロマーテクノロジーに採用されていました。ドロマーテクノロジーもいつか記事書けたらなぁと思います。
・《聖鎧亜ジャック・アルカディアス》
ここまで記事の中でたくさん《ジャック》と書いてきたので、流石に触れましょう。
序盤に出されたボルフェウスの《ラルック》、ガントラの《アラゴナイト》、メカオーの面々など、消し炭にした小型クリーチャーは数知れず。
トリガーで出て二面止めて、チャンプブロックで破壊されたら《ゲキ》で蘇ってもう一度2000火力を放てることから、パワー1000という脆さすらも強みに変えていました。
《アクアン》にも言えますが、自分の《ドルバロム》でマナから墓地に落ちて積極的に《ゲキ》の蘇生先になる噛み合いの良さも美しかったです。
色が合えばどんなデッキにも入る汎用性の高さもありつつ、スーパードローソース《アクアン》で拾える赤いカードとして、カードパワーの鬼《ゲキメツ》と共にドロマー系デッキに赤を足す理由となる一枚でした。
・おわりに
《アクアン》、《魂と記憶の盾》辺りはたくさん触れてきて、《クルセイド・チャージャー》《ベガ》はさほど話を膨らませそうになかったので、ひとまずここらで終わりにしようと思います。
筆者はこのゼロ・フェニックスカップで初のレジェタッチに成功したのですが、その時は《ドルバロム》を捨てて《ゼロ・フェニックス》を軸に据えた4c除去コンを握っていました。
あまり覚えていませんが、ガントラが多かったとかで盾焼却ができる《ゼロフェニ》を信用したんだと思います。《三途万力》もガントラメタ。
まあ結局トリガーケアが難しかったことが《ドルバロム》リストラの理由だったんですね。でも黒緑型や青黒型、はたまた天門とのハイブリッド型も含め、きちんとデュエプレの歴史に名を残した《ドルバロム》でした。
対になる《アルファディオス》は登場から長い間雌伏の時を過ごしていましたが、20弾環境序盤の今、《ヒラメキ・プログラム》から踏み倒すフィニッシャーとして祝門デッキで活路を見出そうとしています。
紙の歴史では転生編後期に《ザーディア》《アルシア》を少量積んだ、同じく4c除去コンのフィニッシャーとして活躍のあった《アルファディオス》。《ドルバロム》は紙で活躍した時期を筆者は知りません。
二戦目でちゃんなべ氏が見事に《アルファ》ロックを決めています。白が少ない環境で刺さりも良かったのだろうと思います。
デジタルと紙とで活躍度合いも対になるのが面白いなあと思いつつ、今回は4c除去ドルバロムをネタに筆を取ってみました。
次回は《薔薇の使者》ナーフ前のキリコとか、《破壊龍神》の抜けた頃のデイガナイトなんか書こうかなと思っています。
ここまでお付き合いありがとうございました。