【カネコアヤノのルーツを考察】踊ってばかりの国とチャットモンチー、UKロックから真髄に迫る
私が初めてカネコアヤノのライブに足を運んでから、4年という歳月が過ぎた。今でも私はカネコアヤノが好きだ。過去のnoteでも散々その愛を語ってきたが『なぜ、カネコアヤノが好きなのか』『カネコアヤノのルーツはどこにあるのか』をあまり考えたことは無かった。社会の荒波もまれ、ケツから血を流しながら働き、死ぬ気で稼いだ給料でレコードを買いあさった音楽LOVERとして、カネコアヤノのルーツに迫っていきたいと思う。
【ルーツ①】踊ってばかりの国
カネコアヤノをルーツを探る上で、踊ってばかりの国を避けては通れない。カネコアヤノは高校時代に踊ってばかりの国のライブによく足を運んでおり、ギタリストを探す際にも林宏敏(当時の踊ってばかりの国のギター)に声をかけたと、メディアのインタビューで答えている。日本屈指のサイケデリック・ロックバンドの踊ってばかりの国と、カネコアヤノはどこか似ている。どちらも、生きづらい世の中に光を差し込んでくれる存在だ。そして、できるだけ優しく、できるだけ力強く、私たちに歌を届けてくれる。
【ルーツ②】チャットモンチー
徳島が生んだガールズバンドも、カネコアヤノに影響を与えたという。カネコアヤノは中学時代にチャットモンチーが大好きで、ギターを始めるきっかけになったとラジオ番組(J-WAVE『UR LIFESTYLE COLLEGE』)で語った。チャットモンチーの伝説的ライブといば、2007年7月7日に行われた日比谷野外音楽堂で行われた七夕ライブ。ギター&ボーカルの橋本絵莉子が奏でる軽快で等身大のロックンロールと、カネコアヤノがGt. 林宏敏、Ba. 本村拓磨 Dr. Bob の4人でライブをしていた2017~2022年のロックンロールとが、どこか似ていると感じているのは、きっと私だけではないハズだ。
【ルーツ③】UKロック
2024年5月、カネコアヤノはUK(イギリス)でライブを行った。UKロックを肌で実感したかったのだろう。カネコアヤノが2024年4月にリリースした「ラッキー/さびしくない」と、UKロックのスーパースターであるピンク・フロイド「Breathe(In the Air)」の曲調が近く感じるのは、きっと気のせいではない。
プログレッシブ・ロックの先駆者ともいわれ、同ジャンルにおける五大バンドの一つとされているピンク・フロイド。プログレッシブを日本語訳すると、進歩的、革新的ロックを意味し、このロックジャンルの起源はサイケデリック・ロックなのである。遠くUKから放たれたサイケデリック・ロックが、日本の踊ってばかりの国に届き、カネコアヤノに行き渡ったといっても過言ではないだろう。
UKロックを語る上で、UKが生んだスーパーロックスター『oasis』無くして語ることはできない。oasisは1991年にイギリス・マンチェスター出身の兄弟で結成された。このバンドは、メイン・ソングライターであるノエル・ギャラガー(兄)と、ボーカルのリアム・ギャラガー(弟)を中心に数々の名曲を生み出し、全世界でのトータルセールスは7,000万枚以上を記録した。
1990年代は『Britpop』という音楽ジャンルが時代を席巻した。これは、ロンドンやマンチェスターを中心に発生したイギリスのポピュラー音楽ムーブメントであり、oasisやBlurがその代表的なアーティストと言える。このポップさは、どこかチャットモンチーにも通ずる部分があり、カネコアヤノの根幹を支えているとも言える。
カネコアヤノの地元は神奈川県横浜市。京急線沿いの黄金町に「試聴室」というライブハウスがあり、音楽をやっていく中で、そこで出会ったおじさんたちに救われたという。横浜には日ノ出町という音楽に溢れた街がある。カネコアヤノの愛犬の名前も日の出。光を連想させる名前なのは、偶然なのか必然なのか。いくら頭を巡らせても、答えは出てこない。