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市場規模とは?(1/21)
気づきのきっかけ
市場規模がどうとかよく言われるけど、なんか話が抽象的。もっと解像度上げて喋られないかな。もっと定量的なフレームワークとかないのか。
市場規模とは?
市場規模について議論する際、しばしば「大きい」「成長している」といった抽象的な表現に留まることが多い。このような議論をより具体的かつ実践的にするためには、解像度を上げるアプローチが求められる。市場規模は単に金額で示されることが多いが、それをどのように算出するのか、どの要因がその金額に影響を及ぼすのかを理解することが重要だ。
市場規模を構成する基本的な要素として、「市場参加者数」「平均単価」「購入頻度」が挙げられる。これらの要素を分解して考えることで、市場の実態を具体的に把握することができる。例えば、国内の飲料市場を例に考えてみる。国内人口を1億人と仮定し、缶ジュースの平均単価を150円、そして1人あたりの平均的な購入頻度を週に2回、すなわち年間104回とする。この条件をもとに年間市場規模を計算すると、1億人×150円×104回で約1.56兆円となる。このような計算により、市場規模の根拠を具体化し、個々の要素がどのように影響を及ぼすかを明らかにできる。
さらに市場規模を議論する際には、成長性についても考慮する必要がある。たとえば、人口の増加や新規顧客の獲得が市場参加者数を増加させれば、市場規模もその分拡大する。商品やサービスの付加価値を高めることで平均単価が上昇した場合も、同様に市場全体が成長する。もし缶ジュースの単価が200円に引き上げられた場合、先ほどの市場規模の計算結果は1.56兆円から約2.08兆円に増加する。購買機会の増加も重要な要因だ。たとえば、購入頻度を1割増加させれば、全体の市場規模は約10%拡大する。このように、具体的な要素の変動が市場規模に与える影響を定量的に把握することで、成長戦略を立てるための有用なデータを得られる。
市場規模を論じる際には、全体の金額だけではなく、競争環境やシェアの問題にも目を向ける必要がある。仮にある市場が10社によって均等に分けられている場合、各社の売上規模は市場全体の10分の1に過ぎない。しかし、ある企業が40%のシェアを占めた場合、その売上は他社よりも大幅に上回る。たとえば、1.56兆円の市場で40%のシェアを持つ企業の売上は6,240億円となる。市場全体の規模が大きくとも、競争環境次第で企業の取り分は大きく異なる。このため、市場規模を評価する際には、競争構造やシェア争いの現状についても定量的に理解する必要がある。
最後に、未来の市場規模を予測する際には、不確実性の要因を考慮することが欠かせない。たとえば、人口減少や消費者行動の変化が市場縮小の要因として挙げられる。もし年間1%の人口減少が続いた場合、10年後には市場規模が約10%縮小する可能性がある。この縮小を補うためには、新たな顧客層の開拓や海外市場への展開といった施策が必要となる。
P.S
無理やり結論や答えを生み出す必要はない。常に世界は理解の余地を持っているから。