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てこの原理を発見する(11/3)

気づきのきっかけ

公園のシーソーで子供が2人で遊んでいる。彼らは、経験によって物理学を学んでいる。てこの原理はシーソーにどのような挙動をさせる?

シーソーでバランスをとる

シーソーに乗る子供たちを見ていると、体重の異なる二人が遊んでいても、シーソーを釣り合わせる方法を自然と見つけ出している様子が興味深い。重い子が支点に近づき、軽い子が支点から遠ざかることで、バランスを取っているのだ。この子供たちの遊びの中にてこの原理が実践されているのを目の当たりにして、さらに観察を続けることにした。

体重が40kgほどの子供と、25kgほどの子供がシーソーで遊んでいる。支点から40kgの子供までの距離が1メートルのとき、25kgの子供は支点から1.6メートルほどの位置に座ることで、見事にバランスを取っている。この情景から、力と距離の積が釣り合いの条件となっていることが見えてくる。

日常生活を見渡すと、このてこの原理は至るところで活用されていることに気がつく。ドライバーでネジを回すとき、ペンチで針金を切るとき、あるいはドアを開けるときでさえ、てこの原理が働いている。例えば、10センチメートルのドライバーの柄を回すと、1センチメートルのネジ山に10倍の力が加わる計算になる。つまり、5キログラムの力で押せば、ネジには50キログラムもの力が伝わるわけだ。

このように考えると、てこの原理は単なる物理法則ではなく、人類が小さな力で大きな仕事を成し遂げるために見出した知恵であることがわかる。日常のあらゆる道具に、この原理が組み込まれているのも納得できる。ペンチの刃先と持ち手の比率が5対1程度になっているのは、5分の1の力で物を切断できるように設計されているからである。

さらに観察を続けると、てこの原理は三つの形式で現れることに気づく。力点と作用点の間に支点がある第一種、支点が端にあって力点と作用点が同じ側にある第二種、そして支点が端にあって力点が作用点の間にある第三種だ。ドアノブは第一種、ボトルオープナーは第二種、そして釣竿は第三種の例として挙げられる。

実際の応用場面では、これらの原理を組み合わせることで、より効率的な道具が生み出されている。例えば、自転車のブレーキは第一種のてこを2段階で使用することで、指先のわずかな力で自転車を止められるようになっている。ブレーキレバーで3倍に増幅された力が、さらにブレーキアームで2倍に増幅され、結果として6倍の制動力を得られる仕組みとなっているのだ。

このような観察を重ねていくと、人類の技術発展の歴史において、てこの原理の発見が極めて重要な転換点であったことが理解できる。2メートルの棒と適切な支点があれば、一人の人間が200キログラムの石を持ち上げることができる。

P.S

無理やり結論や答えを生み出す必要はない。常に世界は理解の余地を持っているから。

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