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鉄塔の色の違い(12/27)

気づきのきっかけ

鉄塔には灰色のものと赤と白のやつがある。違いはなんだろう。

鉄塔の色の違い

郊外の田園地帯を歩くと、高圧電線を支える鉄塔が整然と並んでいる。その中には一見して違いがあり、ほとんどが金属地肌の灰色だが、時折、白と赤のしま模様に塗装された鉄塔が混ざり込む。この白と赤の塔は、遠目から見ると灰色の塔よりも目立ち、その存在を強く主張するように立っている。夕暮れ時になると、灰色の塔は周囲の景色に溶け込むが、赤白の塔は残照や街明かりを受け、はるか遠方からでも位置が分かるような印象を残す。目を凝らすと、赤白塗装の鉄塔は周囲の他の建造物よりもひときわ高く、あるいは飛行ルートに近い場所に建てられているようにも感じられる。すぐ近くの灰色の鉄塔は、基本的な構造は赤白のものと変わらないが、高さや位置が異なるせいか、あまり目立たない存在に見える。

ある区画内から10本の鉄塔をカウントすると、そのうち1本から2本ほどが赤白塗装になっていると推定できる。すなわち全体の約10%から20%程度が赤白の外観である。また、赤白の鉄塔は灰色の鉄塔よりも平均して20メートル程度高い可能性があると推測してみる。もしくは、飛行機が低空で侵入するような空港周辺など、10キロメートル四方に5本程度存在するといった分布が考えられる。さらに、夜間に近くまで足を運ぶと、赤白の塔には航空障害灯が設置されており、その点滅は30秒に1回ほどの頻度で光っているようにも見える。

赤白の塗装は、上空を行き交う航空機に対して構造物の存在を明示するための航空法などの規制に基づく措置である可能性が高い。高さが一定を超える、あるいは航空機の航路近くにある鉄塔には、赤白の警告塗装や点滅灯を付けることが求められているのだろう。一方、特に規制対象の高さや場所条件を満たさない鉄塔は、保守面やコスト面で特別な塗装を行う必要がなく、結果として一般的な灰色の塗装で維持される。もし赤白の塗装が1本あたり50万円程度の塗装コスト増を伴い、航空障害灯の設置と維持が年間で数万円ほどの追加費用を要するとすれば、特別な塗装を施すのは法的な必然性がある場合に限られるだろう。このように、灰色の塔は標準仕様で、赤白の塔は飛行安全との兼ね合いで特別に目立つよう設計されていると考えられる。

P.S

無理やり結論や答えを生み出す必要はない。常に世界は理解の余地を持っているから。


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