見出し画像

サッカーはワンツーがすべて(12/23)

気づきのきっかけ

自分はサッカーを幼稚園から大学までやってきた。その中で確信していることがある。サッカーのすべての基本がワンツーだと思う。ワンツーにサッカーのすべてがパッケージされているといってよい。また、それはサッカーのプレイの中で最も実用的なスキルといってもよい。

サッカーはワンツーがすべて

ペナルティエリア内に相手が組織的なブロックを敷いており、縦横数メートル単位で間合いを詰めている状況を想定する。このような状態では、単純に速い選手を走らせてロングボールを蹴り込む攻撃は、スペースが消失しているため効果が薄い。また、ドリブルで強引に突破を試みようとしても、相手複数名が密集する狭いエリアでは、1対1以上の難易度を強いられ、成功確率は著しく低下する。ここで、最小限のスペース活用と体力、技術で仕掛けるワンツーが輝く。

ワンツーは、攻撃側プレイヤーAがボールを受け、ほんの1、2メートル先にいる味方プレイヤーBへ素早くパスを出した直後、自分自身が一瞬でも相手の視界から外れるような細かな動きでパス&ムーブを行い、Bから再び前方へ戻ってくるパスを受けて相手ディフェンスを抜き去る動作である。ここで注目すべきは、AとBの間合いだ。広大なスペースも、高度な足技も不要であり、わずか2メートルから3メートル程度の距離感を維持しながら、相手の守備ラインに小さなズレを生み出すことが可能となる。これにより、ディフェンスが一瞬でもボール保持者に寄せてきた際、その寄せの動きが微妙なギャップを生み出し、そのギャップにAが飛び込んでいくことで、たとえ5メートル程度の狭いスペースであっても相手を抜き去ることができる。

ワンツーは、パスを受けた時点での対峙構造を瞬間的にズラし、「自分がどこでボールを受け直すか」というタイミングをコントロールする術である。その切り返しの感覚は、パススピードと受け手の位置取り、そして動き出す瞬間における相手ディフェンスの重心移動量によって微調整される。つまり、ワンツーは最小限の技術(確実な短いパス、受け手への的確な位置取り、そしてスタートの数歩の俊敏性)さえあれば、組織的な守備ブロックをパズルのように解体する手段になりうる。それはあらゆる攻撃オプション中、最も「省エネ」かつ「高効率」なプレイである。

ドリブル突破は華麗だが体力を要し、成功率にも限度がある。ロングボールは広大なスペースが必要で、そのスペースが奪われれば効果が薄れる。対して、ワンツーはほぼ「点」と「点」の間で繰り返される小さなやりとりであり、局所的な優位を生み出す。ペナルティエリア周辺、あるいはその内側という極めて限定的な空間において、この手法は守備網を細やかにほつれさせ、縦にも横にも数メートル単位のずれを生む。そのずれがやがてゴールへの道筋となる。これこそが、ワンツーがサッカーの基本的な技術要素を凝縮し、かつ実用性と効率性で他の手法を上回る大きな理由となる。

P.S

無理やり結論や答えを生み出す必要はない。常に世界は理解の余地を持っているから。


いいなと思ったら応援しよう!