線路に沿って規則的に敷かれた長方形の木の板、いわゆる枕木がある。その枕木は線路と直角を成し、ほぼ一定の間隔で連続して並んでいる。駅から少し離れた場所で、線路をまたぐ跨線橋の上から眺めると、その枕木の中に、6本ごとほどの間隔で黄色い目印や小さな機器のようなものが装着されているように見える。その黄色いパーツは、他の金属製のレールや深い茶色の木材の枕木に比べ、かなり目立つ印象がある。視線を凝らすと、黄色い印が取り付けられている枕木は、全体の中で繰り返し現れるリズムを持っている。また、その装置はサイズがおよそ枕木幅の半分ほどに見え、地面にしっかり固定されている様子である。列車が通過するまで観察してみても、それらの機器が動く様子はない。ただ、線路を走る振動や通過の影響を耐え抜くような、堅牢さがそこに感じられる。
黄色いマークや機器が約6本ごとの枕木に見られるという事実から、全ての枕木数をざっと計算してみる。仮に50メートルほどの区間で枕木数が約60本あったとすれば、10本あたり1箇所ほどの頻度で黄色い装置があることになる。割合は1/6程度になる。また、黄色い目印の存在は決して稀なものではなく、線路の長い区間にわたって繰り返されていると推定できる。もし50メートルごとに5回前後これが出現するなら、1kmあたりではおおよそ100箇所に達する計算となる。また、その装置が一つ当たり5,000円程度のコストで取り付けられていると仮定すると、1kmあたりおよそ50万円程度の費用がかけられている可能性がある。
こうした規則的な装着物は、線路保守や状態監視のための基準点であると考えられる。列車の振動や気温変化、経年劣化によってレールはわずかに歪み、沈み込み、あるいはズレを生じることがある。そのため、鉄道会社は一定間隔で目印や機器を設置し、レールや枕木の状態を定期的に点検しやすくしているのではないかと推測される。もしこれらがセンサーであれば、1箇所あたり日々の通過回数(仮に150本/日程度)を通じてデータを収集し、1週間ごとに微細なずれを0.5ミリメートル程度検知するなど、高精度な保守のために役立っている可能性がある。こうした観点から、あの黄色い目印や機器は、単なる目印以上の、保守計画策定や安全管理に重要な役割を果たすツールとも言える。
線路上に一定のリズムで現れる黄色い目印や装置は、恐らく整然とした保守・管理体系の一環であり、約6本ごとという頻度は、日常的な点検やデータ取得の利便性を確保するための最適化の結果であると考えられる。