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2024年「量子コンピューター」政府公開PDF要約集(30.source)

関連記事の要約集

1. 各国の量子技術の関連動向 ~ドイツとスイス~ (24年10月、内閣府調べ)

URL: https://www8.cao.go.jp/cstp/ryoshigijutsu/21kai/sanko3.pdf

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ドイツとスイスの量子技術の動向をまとめた文書で、ドイツはEUのリーダーとして公共投資を行い商業的成功を収めている一方、スイスは国際競争力を強化するためのイニシアティブを推進している。

本文要約

ドイツは量子技術においてEUのリーダーとして、特に量子センサーやレーザーの商業化に成功しているが、量子コンピュータ分野では米中に後れを取っている。ドイツの公共投資は量子技術の基盤研究を支え、産業応用を促進している。一方、スイスは国際競争力を強化するため、研究機関や企業との連携を強化するイニシアティブを進めており、両国ともに量子技術の研究と応用に力を入れている。


2. 量子コンピューターと 計算数理工学

URL: https://unit.aist.go.jp/g-quat/ja/events/img/CAE_20240509-10/20240510_11_Saito.pdf

紹介

2024年5月10日に開催される第1回Quantum CAE研究会では、群馬大学の斎藤隆泰教授が量子コンピューターと計算数理工学に関する研究を発表します。量子ビットを用いた新たな計算手法や、非破壊評価における応用が期待されており、量子コンピュータの進展に注目が集まります。

本文要約

2024年5月10日に実施される第1回Quantum CAE研究会において、群馬大学の斎藤隆泰教授が量子コンピューターと計算数理工学の関連性について発表します。斎藤教授は東京工業大学で博士号を取得後、福井大学や東京工業大学で教鞭を執り、現在は量子コンピュータを用いた非破壊評価や疲労き裂検出の研究を行っています。量子コンピュータは、指数的な計算能力を持ち、Googleは2029年までに100万量子ビットの開発を目指しています。従来の技術では、30量子ビットで約10億の計算が可能であり、ハイブリッド計算手法が提案されています。今後の研究では、量子コンピュータの利用方法やデータエンコーディングの課題、3次元問題への応用が重要なテーマとなるでしょう。


3. 量子ビットを電子波束で構成する 新原理の量子コンピュータ

URL: https://www.shingi.jst.go.jp/pdf/2024/2024_riken_001.pdf

紹介

本資料では、理化学研究所の山本倫久氏による新原理の量子コンピュータの開発が紹介されています。主に、電子波束を利用した量子ビットの特性とその応用可能性について述べており、量子コンピュータの普及に向けた技術の進展が期待されています。

本文要約

本研究は、電子波束を用いた新しい量子ビットの開発を中心に、量子コンピュータの構築における課題と解決策を探求しています。従来の技術に比べて、ハードウェアの大規模化を抑えつつ、安定した量子ビットを実現する可能性があることが示唆されています。具体的には、短電子波束を利用することで、環境の影響を受けにくい「飛行量子ビット」を定義し、これを用いた量子演算回路の開発が進行中です。実用化に向けた課題として、高忠実度の量子演算の実現や、デバイスの高速制御が必要とされており、産業界との共同研究が期待されています。


4. 量子ビットを電子波束で構成する 新原理の量子コンピュータ

URL: https://www.jstage.jst.go.jp/article/bplus/14/2/14_142/_pdf

紹介

この文書は、特定の内容やテーマが不明なため、要約が困難であることを述べています。特殊な文字や記号が含まれたテキストに対する理解の難しさと、具体的な情報提供の重要性が強調されています。

本文要約

文書は、提供されたテキストが特殊な文字や記号を含んでおり、理解や要約が難しいことを伝えています。そのため、具体的なテーマや内容についての説明を求めており、もしそれがあれば要約や解説が可能であるとしています。また、要約を作成するためには明確な情報提供が必要であることが示されています。要約を希望する場合は、具体的な文章を提示するよう促しています。


5. 最適化とAIの融合技術による 材料探索の研究事例

URL: https://unit.aist.go.jp/g-quat/ja/events/img/CAE_20240509-10/20240509_04_Gao.pdf.pdf

紹介

三菱ケミカルは、慶應大学のIBM Q Hubを活用して、量子コンピュータによる材料探索を進めています。AIと量子技術を融合させ、有機ELやフォトクロミック材料の開発に取り組み、持続可能な社会の実現を目指しています。

本文要約

三菱ケミカルは、慶應大学の伊藤教授が設立したIBM Q Hubを通じて、量子コンピュータを活用した材料探索の研究を行っています。特に、有機光学材料や化学反応の最適化に焦点を当てており、QunaSysやPsiQuantumとの共同研究を通じて精度向上を図っています。SIPプログラムの一環として、量子技術を用いた材料開発の迅速化とコスト削減に取り組み、有機ELの同位体材料探索では、IBMの量子コンピュータを使用して高い量子収率の材料を見つけることに成功しています。また、フォトクロミック材料探索においても新手法「cVQD」を開発し、AIと量子コンピュータの融合による効率的な材料設計を目指しています。


6. 量子産業の創出・発展に 向けた推進方策

URL: https://www8.cao.go.jp/cstp/ryoshigijutsu/240409_q_measures.pdf

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この文書では、量子産業の創出と発展に向けた推進方策について述べられており、国際競争における日本の戦略や量子技術の実用化、さらには人材育成と産学官の連携の重要性が強調されています。

本文要約

量子産業の創出と発展に向けた推進方策が示されており、特に量子技術の国際的競争が激しい中で、日本が基礎研究と国際連携を強化し、量子市場の獲得を目指す重要性が強調されています。量子コンピュータや量子暗号通信の実用化が特に重要視されており、それを支えるための人材育成やグローバル展開の支援が求められています。また、基礎科学の深化や新たな技術開発の推進が必要であり、産学官の連携が不可欠であるとされています。


7. 「量子コンピュータの登場に伴う機会とリスクに備えた計画に関する G7 サイバー・エキスパート・グループによるステートメント」の仮訳

URL: https://www.fsa.go.jp/inter/etc/20240926/quantum_kariyaku.pdf

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G7サイバー・エキスパート・グループは、量子コンピュータの発展が金融システムに与える影響を分析し、リスク対策を提言しています。量子技術は効率化を促進する一方で、既存の暗号技術への脅威も指摘されており、金融機関の対策が求められています。

本文要約

G7サイバー・エキスパート・グループは、量子コンピュータの進展が金融システムに与える影響を分析し、具体的なリスク対策を推奨しています。量子技術は金融業務の効率化を図る一方、既存の暗号技術に対する脅威も内包しています。このため、金融機関は量子コンピュータによる攻撃からの防御策として、リスク評価の実施と耐量子暗号技術の導入を進める必要があります。また、国際的な協力の重要性も強調されており、各国が連携して取り組むことが求められています。


8. 量子コンピュータの現状と展望

URL: https://www.jst.go.jp/moonshot/sympo/20240327/pdf/04_fujii.pdf

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本文章は、量子コンピュータに関する最近の研究成果と技術的課題について述べており、特にNISQ技術や量子エラー訂正の進展に焦点を当てています。Googleの研究チームの取り組みや新しい計算手法についても触れられています。

本文要約

量子コンピュータは、技術の不確実性やノイズ、製造エラーが影響し、その信頼性には課題が残っています。特にNISQ(ノイジー中間スケール量子技術)において、量子計算の利点や研究成果が重要視されています。Googleチームの研究では、量子回路のサンプリングにおける相転移とエラー訂正技術の進展が報告され、量子エラーの抑制やプログラム可能なフォトニックプロセッサの開発が進んでいます。また、Akahoshiらの研究では、部分的耐障害量子計算アーキテクチャに関する新しい手法が紹介され、量子ボリュームと量子サンプリングの利点が強調されています。これらの研究は、早期の耐障害量子計算(FTQC)の実現に向けた重要な進展を示唆しています。


9. 耐量子計算機暗号に関する概況と取り組み状況

URL: https://www.fsa.go.jp/singi/pqc/siryou/20240920/siryou1.pdf

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日本アイ・ビー・エム株式会社は、量子コンピュータの進展が既存の暗号技術に与える脅威について警告。米国NISTが耐量子暗号の標準仕様を策定し、2024年に重要なマイルストーンを迎える中、日本IBMは新たなサイバーセキュリティ対策を進めている。

本文要約

量子コンピュータの進展により、従来の暗号技術が脅威にさらされている。特に、NISTは2030年までに2048ビットの公開鍵暗号が破られる可能性を指摘しており、金融機関では量子暗号への移行が急務とされています。NISTは耐量子暗号の標準化を進め、2024年には初版として3つの標準アルゴリズムを発表予定です。これに対抗するため、IBMは新たなアルゴリズムの開発を進めており、FALCONベースのアルゴリズムも評価中です。金融システムの脆弱性への対応と具体的な移行戦略が求められている状況です。


10. 令和5年度 量子技術の最新動向に関する調査

URL: https://www8.cao.go.jp/cstp/ryoshigijutsu/19kai/sanko3.pdf

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2024年の量子技術に関する調査報告書は、三菱総合研究所が内閣府の委託で実施し、155機関と1,456社を対象に量子ソフトウェアやコンピュータの活用状況を分析した内容を示しています。

本文要約

この調査報告書は、2024年の量子技術の現状を明らかにするもので、三菱総合研究所が内閣府の委託で実施しました。調査対象は155機関と1,456社で、結果として量子ソフトウェアの利用が最も多く、次いで量子コンピュータが続いています。また、量子関連の部署を設けている企業は約10%で、量子系コンソーシアムでは約84%が設置しています。全体の売上は推計で約3,800億円から6,500億円に達するとされています。


11. 新方式の量子コンピュータを実現 -世界に先駆けて汎用型光量子計算プラットフォームが始動-

URL: https://www.jst.go.jp/pr/announce/20241108-3/pdf/20241108-3.pdf

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理化学研究所や東京大学などの共同研究グループが、新しい光量子コンピュータを開発しました。このコンピュータは、クラウドシステムを通じて提供され、従来方式よりも高速で大規模な計算が可能です。量子もつれを利用した手法で、金融や医療分野での応用が期待されています。

本文要約

理化学研究所、東京大学、JST、日本電信電話株式会社、Fixstars Amplifyの共同研究グループが新たに開発した光量子コンピュータは、汎用型の計算プラットフォームとして注目されています。この技術は光パラメトリック増幅器を用いて量子もつれを生成し、クラウドを介してユーザーが設計した量子回路を実行できます。特に、100個の連続量入力に対する任意のステップでの線形演算が可能で、最適化問題やニューラルネットワークへの応用が期待されています。今後は多入力化や超高速化、非線形操作の導入が課題として挙げられ、誤り耐性を持つ大規模汎用量子計算機の実現を目指しています。


12. 新方式の量子コンピュータを実現 -世界に先駆けて汎用型光量子計算プラットフォームが始動-

URL: https://www.jst.go.jp/moonshot/sympo/20240327/pdf/15_yamamoto_takashi.pdf

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大阪大学の山本俊氏がムーンショット目標6に関するシンポジウムで、ネットワーク型量子コンピュータを用いた量子サイバースペースの構築を提案。2024年3月27日に誤り耐性型汎用量子コンピュータの研究成果を発表する予定です。

本文要約

大阪大学の山本俊氏は、ムーンショット目標6において、ネットワーク型量子コンピュータを活用し、2050年までに誤り耐性型汎用量子コンピュータの実現を目指す研究を行っています。このプロジェクトでは、光、原子、半導体などの量子コンピュータハードウェアをネットワーク化し、複数の中小規模量子コンピュータを接続することを目指しています。特に、原子アレイや単一光子生成に関する技術が紹介され、量子ネットワーク技術の発展が見込まれています。また、浜松ホトニクスが開発する多重化光子検出器や超伝導光子検出器の研究も進行中で、量子状態変換や光子との結合に関する新技術が報告されています。2023年10月には沖縄で国際ワークショップが開催され、量子情報技術の研究者が集結しました。


13. 拡張性のあるシリコン量子コンピュータ技術の開発

URL: https://www.jst.go.jp/moonshot/sympo/20240327/pdf/09_tarucha.pdf

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理化学研究所の樽茶清悟氏は、誤り耐性を持つシリコン量子コンピュータ技術の開発に取り組んでおり、2023年度には5量子ビットの独立制御を実現。2024年度にはさらに進展を目指し、産業との連携を強化しながら量子ビットデバイス技術の研究を進めている。

本文要約

樽茶清悟氏が率いる理化学研究所では、拡張性のあるシリコン量子コンピュータ技術の開発が進行中で、2023年度には5量子ビットの独立制御や高忠実度測定が達成されました。2040年までに10万~100万の量子ビットに誤り訂正技術を導入し、2050年には100万以上の量子ビットを持つ誤り耐性量子コンピュータの実現を目指しています。研究は、量子ビットデバイス技術や同位体制御技術を含み、2024年度には幅ピコ秒オーダーの電子波束生成や新しい量子操作技術の開発を計画しています。産業界との連携を強化し、様々な大学や研究機関と共同で新しい技術の実装を進めています。


14. 未来社会像(量子・従来(古典)技術のハイブリッド化イメージ)

URL: https://www8.cao.go.jp/cstp/ryoshigijutsu/kento_wg/11kai/siryo2-1-2.pdf

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未来社会における量子技術と従来技術の融合が進み、革新的な計算サービスやセキュリティ、超高精度センシングが実現することが期待されている。国産量子コンピュータの研究開発や産学官の協力体制が重要で、量子技術の普及と新産業創出に向けた取り組みが進められている。

本文要約

未来の社会では、量子技術と従来の計算システムのハイブリッド化が進展し、量子コンピュータや量子ネットワークを利用したセキュリティ強化や医療診断、IoTとの連携が期待されている。国産量子コンピュータの研究開発、人材育成、産学官連携が重要な要素であり、量子技術の普及と新たな産業の創出を目指す。また、量子ソフトウェアや暗号通信技術の整備、量子インターネットの研究開発、量子計測技術の応用を推進することで、ビジネス戦略を支援し、経済安全保障を確保することが求められている。スタートアップ支援や国際連携も重視され、量子技術イノベーションが進む。


15. Quantum CAEに関する取り組み紹介: 偏微分方程式の求解と設計最適化のための 量子アルゴリズム

URL: https://unit.aist.go.jp/g-quat/ja/events/img/CAE_20240509-10/20240510_09_Sato.pdf

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株式会社豊田中央研究所の佐藤勇気氏による研究は、量子アルゴリズムを用いた偏微分方程式の解法と設計最適化に焦点を当てています。古典的手法に比べ、指数的な速度向上を目指す新しいアプローチが提案されています。

本文要約

佐藤勇気氏の研究では、量子コンピューティングを活用し、偏微分方程式(PDE)の解法と設計最適化に新しい量子アルゴリズムを提案しています。特に、ポアソン方程式やハミルトニアンシミュレーションの事例を通じて、量子と古典のハイブリッド手法の有効性が示され、古典的手法に比べて指数的な速度向上が期待されています。今後の課題としては、非線形系への適用や量子回路の効率化が挙げられています。これにより、量子CAEの実用化が進むことが期待されています。


16. 金融分野における耐量子計算機暗号への移行に向けた 動向について

URL: https://www.fsa.go.jp/singi/pqc/siryou/20240718/siryou1.pdf

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本資料は、金融分野における耐量子計算機暗号(PQC)への移行の必要性とその対応策を検討したもので、量子コンピュータの普及による既存暗号の脅威を指摘しています。金融機関が早期にリスク評価や対応策を整備することの重要性が強調されています。

本文要約

本資料は、金融機関における耐量子計算機暗号(PQC)への移行に関する動向をまとめたものです。量子コンピュータの普及は、既存の暗号技術を危殆化させる可能性があり、金融機関の顧客情報が脅威に晒されるリスクが高まると警告しています。そのため、金融機関は早期にリスク評価を行い、重要な情報資産を特定し、優先順位を付ける必要があります。具体的な対応策として、リスク理解の深化、リスク評価、及びリスク低減の計画策定が求められています。また、米国のNISTにおいて新たな暗号基準が2024年に公表される予定であり、それに基づいた対策が急務とされています。


17. 量子コンピューティング技術の生命科学研究への 応用可能性:現状と将来展望

URL: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsbpjjpp/35/3/35_120/_pdf/-char/ja

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本稿では、量子コンピューティング技術の生命科学や医療分野への応用に関する現状と将来展望を紹介します。量子コンピュータ、量子アニーリング、量子インスパイアアルゴリズムの特徴と課題に焦点を当て、これらの技術がもたらす革新について述べています。

本文要約

量子コンピューティング技術は、特に生命科学や医療分野での応用が期待されている。本稿では、量子コンピュータ、量子アニーリング、そして量子インスパイアアルゴリズムについて、現在の状況と将来の展望を概観する。量子コンピュータは、大規模な問題を迅速に解決する能力があるが、耐障害性のある量子ビットの開発が重要な課題となっている。量子アニーリングは、特に組合せ最適化問題に対して有効であり、量子インスパイアアルゴリズムは古典コンピュータにおいても効率的な計算を可能にする。これらの技術の発展は、生命科学研究において革新的な変化を引き起こす可能性がある。


18. 1.ナノファイバー共振器 QED 方式ハードウェアの原理実証 / 4.大規模化・分散化

URL: https://www.jst.go.jp/moonshot/program/goal6/files/68_aoki_ap.pdf

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ナノファイバー共振器QED技術に基づく大規模量子コンピュータの開発が進行中で、分散型量子コンピュータの実現を目指しています。量子ビットの原理実証や光学系の改良が行われ、2050年には誤り耐性の量子コンピュータと量子インターネットの実現が目指されています。

本文要約

ナノファイバー共振器QED技術を利用した量子コンピュータハードウェアの開発が進められており、分散型量子コンピュータの実現を目指しています。少数量子ビットでの原理実証ユニットが完成し、複数ユニット接続技術も開発中です。量子誤り訂正機構の設計や周波数安定化レーザー光源の研究が進行し、低雑音の光源システムの開発が行われています。この技術は中性原子を利用し、社会実装に向けた高稼働率と長期安定運用を狙っています。クラウドベースの量子計算サービス提供が期待されており、モジュール化された量子演算ユニット(QPU)を通じて分散型計算環境を実現する計画です。


19. 大規模集積シリコン量子コンピュータの研究開発

URL: https://www.jst.go.jp/moonshot/sympo/20240327/pdf/08_mizuno.pdf

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ムーンショット目標6では、シリコン量子コンピュータの研究開発が進行中で、量子ビットの高集積化とスケーラビリティが主要課題です。高忠実度の2量子ビットゲートを持つ量子ドットアレイの構築を目指し、各種技術開発が日立や大学等と連携して行われています。

本文要約

ムーンショット目標6は、大規模なシリコン量子コンピュータの開発を目指しており、特に量子ビットの高集積化とスケーラビリティが重要な課題です。次のマイルストーンとして、高忠実度の2量子ビットゲートを持つ量子ドットアレイの構築が設定されています。研究は、量子ビットの高精度制御、極低温複数チップ実装、シリコン量子ビットの高温動作など、4つの主要課題に分かれ、日立、神戸大学、東京工業大学、理化学研究所が推進しています。2020年から2031年にかけて、クラウドテストや量子ビット操作の実証、誤り訂正システムの設計が行われ、IMECとの連携も始まります。各プロジェクトは量子コンピュータの性能向上を目指しており、特に量子ドットアレイや高精度制御回路の開発が進められています。


20. 新たな量子技術イノベーション戦略 (量子産業ビジョン(仮)) 骨子(素案)

URL: https://www8.cao.go.jp/cstp/ryoshigijutsu/kento_wg/10kai/siryo6.pdf

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量子技術イノベーション戦略の見直しが進行中で、新たな「量子産業ビジョン」が4月に発表予定。産業競争力強化と社会課題解決を目指し、スタートアップ支援や国際連携を通じて量子技術の利用促進を図る取り組みが提案されている。

本文要約

量子技術イノベーション戦略の見直しが進められ、4月に新たな「量子産業ビジョン」が発表される。これは産業競争力の強化や社会課題の解決を目指し、量子技術の積極的な活用を促進することを目的としている。議論は3月から始まり、経済安全保障やカーボンニュートラルの重要性が強調されている。2030年には国内利用者1,000万人、約1.3兆円の市場規模を目指し、スタートアップ支援や国際連携が進められる。また、量子技術と従来技術の融合による新産業創出も重要視されており、量子拠点の強化や教育プログラムの充実が図られる。


21. ボルツマン方程式求解の量子アルゴリズム: 宇宙大規模構造形成シミュレーションを例に

URL: https://unit.aist.go.jp/g-quat/ja/events/img/CAE_20240509-10/20240509_06_Miyamoto.pdf

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ボルツマン方程式を解くための新しい量子アルゴリズムが提案され、ニュートリノを含む宇宙の大規模構造形成シミュレーションに応用される。この手法により、計算効率が大幅に向上する。

本文要約

本文では、ボルツマン方程式を解くための量子アルゴリズムが紹介され、特にニュートリノを考慮した宇宙の大規模構造形成のシミュレーションに焦点を当てている。提案された手法は、Vlasov方程式を線形化し、Hamiltonianシミュレーションを用いて解を導出するものである。このアプローチにより、量子状態からニュートリノ密度揺らぎのパワースペクトルを高精度で推定できる。結果として、古典的手法と比較して計算効率が大幅に向上することが示されており、宇宙物理学の研究における新たな可能性を提示している。


22. 量子コンピュータの 機械学習応用の可能性

URL: https://www.jst.go.jp/moonshot/sympo/20241001/pdf/09_mitarai.pdf

紹介

本論文は、大阪大学での量子コンピュータを用いた機械学習の応用可能性について探求している。量子機械学習の理論や、量子特徴量が持つ特性、またその実用化に向けた課題を明らかにし、古典コンピュータでは実現困難な問題に対するアプローチを示唆している。

本文要約

本稿では、量子コンピュータの機械学習への応用可能性について論じている。特に、量子機械学習の理論的背景や、量子特徴量の利用による機械学習モデルの構築の可能性を探求する。量子機械学習は、古典的手法に比べてデータ数に関する指数加速を目指すが、QRAMの実装等の課題が多く、現実的な実用化には困難が伴う。また、量子特徴量を利用したタスクの中には、古典コンピュータでは困難な問題が存在し、量子優位性が示される可能性がある。今後は、量子データの解析や量子優位性を示すタスクの明確化が重要とされ、量子機械学習の実用化に向けた研究が進められている。


23. 量子コンピュータの 機械学習応用の可能性

URL: https://www.soumu.go.jp/main_content/000948622.pdf

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この文書は、株式会社KDDIと横浜国立大学による「安全な無線通信サービスのための新世代暗号技術」に関する研究開発の概要を示しています。量子コンピューターの影響を受ける公開鍵暗号と共通鍵暗号の課題を解決するため、処理速度の向上やオーバーヘッド削減を目指した技術開発が進められています。

本文要約

この研究開発は、量子コンピューターの登場により現行の暗号技術が脅かされる中、安全な無線通信を実現するための新世代暗号技術の開発を目的としています。具体的には、共通鍵暗号の鍵長を256ビットにし、処理速度を200Gbps以上に向上させ、処理時間を最大50%削減することを目指しています。また、耐量子計算機暗号の最適化技術を確立し、通信のオーバーヘッドを8%以内に抑えることが求められています。これまでの成果としては、227Gbpsのソフトウェア実装と2.02Tbpsのハードウェア実装が達成され、耐量子計算機暗号の基礎技術も開発されています。今後は国際標準化やオープンソース化を進め、研究成果の社会還元を図る方針です。


24. 量子コンピューターは未来をどう変えるか

URL: https://www.jst.go.jp/moonshot/sympo/20241001/pdf/01_opening.pdf

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ムーンショット目標6では、2050年までに誤り耐性型汎用量子コンピュータを実現し、経済・産業・安全保障の飛躍的な進展を目指しています。量子情報・量子生命研究センター長の北川勝浩が提唱するこの目標は、量子コンピュータの発展とその応用に向けた重要な研究開発を促進します。

本文要約

ムーンショット目標6は、2050年までに誤り耐性型汎用量子コンピュータ(FTQC)の実現を目指しています。現存するNISQ技術では、量子誤りのために大規模な計算が困難ですが、FTQCは量子誤り訂正を用いて論理的な誤りを抑え、複雑な計算を可能にします。目標には、FTQCのアプリケーション開発や、NISQからFTQCへの過程における様々な段階の研究も含まれます。加えて、量子コンピュータが解明する期待される課題として、窒素固定や光合成の研究が挙げられ、これによりエネルギーや環境問題の解決が期待されています。シンポジウムでは、FTQCの可能性や応用についての議論が行われ、幅広い科学技術分野への応用促進が目指されています。


25. 研究開発とSociety 5.0との橋渡しプログラム

URL: https://www8.cao.go.jp/cstp/bridge/keikaku/r6-02_bridge_r6.pdf

紹介

令和6年度の文部科学省のBRIDGEプログラムは、Society 5.0に向けた量子技術の社会実装と人材育成を目指し、光量子コンピュータの開発を通じてスタートアップ創出や産業競争力の強化を図ります。

本文要約

BRIDGEプログラムは、令和6年度における文部科学省の取り組みで、Society 5.0実現に向けた量子技術の推進を目的としています。量子コンピュータの商用化に向けて、光量子コンピュータの構築を進め、スタートアップの設立を支援し、産業競争力の向上と持続可能な社会の実現を目指しています。G-QuATは量子コンピュータの社会実装拠点として、国内企業との連携を強化し、技術革新と市場拡大を図ることに重点を置いています。


26. 研究開発とSociety 5.0との橋渡しプログラム

URL: https://www8.cao.go.jp/cstp/bridge/keikaku/r5-03_bridge_r6.pdf

紹介

文部科学省は、令和6年4月から大規模量子コンピュータ向けの制御装置の事業化を進め、BRIDGEプログラムを通じて小型化と量産体制を構築します。国産量子技術の研究促進を目指し、ユーザビリティ向上のソフトウェアも開発します。

本文要約

文部科学省は、令和6年4月から大規模量子コンピュータ向け制御装置の事業化を開始し、BRIDGEプログラムを通じて1000量子ビット超の装置の小型化と量産体制を確立する計画です。この取り組みでは、国産量子コンピュータの実用化が求められ、スタートアップとの協力が重視されています。キュエル株式会社は、技術開発を進め、国内外の研究機関と連携しながら商業化を目指しています。3年間で装置の製品化、量産体制の構築、ユーザビリティ向上を目指し、各年度で装置試作やユーザー評価を行い、技術成熟度とビジネス成熟度の向上を図ります。


27. 研究開発とSociety 5.0との橋渡しプログラム

URL: https://www.jst.go.jp/moonshot/sympo/20240327/pdf/12_koashi.pdf

紹介

東京大学の小芦雅斗教授によるプロジェクトでは、誤り耐性型量子コンピュータの理論とソフトウェアの研究開発が進行中です。このプロジェクトはムーンショット目標6に位置づけられ、2024年3月27日に成果発表のシンポジウムが予定されています。

本文要約

誤り耐性型量子コンピュータに関する研究が東京大学の小芦雅斗教授の指導の下で行われています。このプロジェクトは、量子コンピュータのハードウェア要求性能を低減し、大規模化を目指すことを目的としています。研究は、量子ビットの設計、デバイス制御、エラー訂正といった多段階の技術レイヤーを含んでおり、効率的な計算を実現するための設計や協調モデルの構築が進められています。また、エラー訂正技術や最適化された量子演算を通じて、量子コンピュータの実用化を実現することを目指しています。シンポジウムでの成果発表が期待されます。


28. 研究開発とSociety 5.0との橋渡しプログラム

URL: https://www.jst.go.jp/moonshot/sympo/20240327/pdf/11_aoki.pdf

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早稲田大学の青木隆朗が発表した研究は、ナノファイバー共振器QEDを用いた大規模な量子コンピュータの開発を目指しており、2050年の誤り耐性型汎用量子コンピュータ実現に向けた技術革新を探求しています。

本文要約

青木隆朗氏が早稲田大学で発表した研究は、ナノファイバー共振器QEDを用いた大規模量子ハードウェアの開発に関するもので、2050年までに誤り耐性型汎用量子コンピュータを実現し、経済や産業の発展を目指しています。この研究では、106〜108量子ビットを扱えるスケーラブルな分散型量子計算の実現が求められ、ナノファイバー共振器を用いて光ファイバーネットワークで各ユニットを接続する新たなアプローチが提案されています。実験では、光ピンセットを用いた単一原子トラップや多量子ビットゲートが開発され、精度向上やデータ処理の効率化に貢献する技術が探求されています。


29. 量子未来社会ビジョンを踏まえた文部科学省の取組方針

URL: https://www.mext.go.jp/content/20220803-mxt_kiso-000024460_3.pdf

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この文書は、日本における量子コンピュータの研究開発に関する取り組みをまとめたもので、国産量子コンピュータのテストベッドの構築や次世代機の開発、誤り耐性技術の研究加速などが言及されています。また、産学共創や人材育成の重要性も強調されています。

本文要約

日本の量子コンピュータ研究は、国産量子コンピュータのテストベッドを2024年度内に構築し、次世代機の開発を進める計画があります。特に、誤り耐性の量子コンピュータの研究開発を加速し、量子ソフトウェアの基盤研究を強化することが注目されています。産学共創を通じて、教育プログラムや人材育成を行い、幅広い分野との連携を図ることが重要視されています。また、量子技術イノベーション拠点の強化や、量子計測・センシングの応用分野の拡大も目指されています。全体として、量子技術の進展を通じた未来社会の構築を目指す取り組みが進行中です。


30. 量子未来社会ビジョンを踏まえた文部科学省の取組方針

URL: https://www.jst.go.jp/moonshot/sympo/20240327/pdf/14_kosaka.pdf

紹介

ムーンショット型研究開発事業の目標は、2050年までに誤り耐性型汎用量子コンピュータを実現することです。プロジェクトは小坂英男がリーダーを務め、横浜国立大学や東京大学が参加。光結合回路や量子インターフェースの技術開発が進められ、2024年には公開シンポジウムが予定されています。

本文要約

ムーンショット型研究開発事業の目標6は、2050年までに経済・産業・安全保障の向上を図る誤り耐性型汎用量子コンピュータの実現です。プロジェクトリーダーの小坂英男が率いる研究チームは、横浜国立大学や東京大学と連携し、量子計算網の構築に向けて光結合回路やマイクロ波共振器、ダイヤモンドを利用した技術開発を進めています。2024年度からは新たな研究者も参加予定で、量子メモリや量子インターフェースの開発が行われています。将来的には、ハイブリッド量子インターフェースの技術を確立し、分散処理型量子コンピュータを実現することが目標です。また、YNU国際情報研究センターは国際的な研究連携を進めており、量子通信やコンピューティングへの応用が期待されています。


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