せまい!
私事ながら、今年から関東へ引っ越した。
そこで一番に感じたことは狭いだった。
まっすぐ歩いているだけで人にぶつかりそうになる。私が今まで暮らしていた地域とは大きな違いだ。
道端を歩いていて誰かにぶつかりそうになることなど滅多にない。
歩いているのはおじいさんおばあさん、登下校の生徒ぐらいである。
はたまた都会。様々な人や建物がひしめき合い、いるだけでどことなく苦しい。
何より怖いのが、譲り合いの精神みたいなものが欠けている気がすることである。
田舎では移動の延長線上に人を認めれば、お互い止まってしまってどちらが先に動き出すかもどかしい空気になることもしばしばだ。
しかし都会は違う。自身のスピードを緩めることなく進み、最小限の動きでかわすか、相手を止まらせるか、この2択である。
これは決して都会の人間が冷たいということではない。
密度が高いため、譲ってなんかいるとあっという間に最後尾になってしまうのだ。なにより自分が塞いでいる道の後ろに並ぶ人に迷惑である。
結果としてその2択が最善の選択になるという話である。
かくいう私も順応してきたのか似たような動きをしている。
でも時々失敗する。
狭いから、人の足を踏まないよう気をつけなくてはいけない。
狭いから、人より前に歩き出さなくてはいけない。
狭いから、後ろの人に迷惑をかけてはいけない。
物理的な狭さが心理的な狭さにまで影響を与えているような気がする。
サッと人を抜いて歩いたときになにか変えられたような気がしたという話でした。