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いちかの帰省

よっ! いちかだよ!

帰省に成功しましたっ! コロナ戦時中にはできなかった当たり前のことが、こうしてできるのって、とても幸せなのだよ!

実  感

今年は北国から実家へ直行する戦前とおなじみの帰省ルートで、3日に実家入り。

久しぶりのバタバタ感にちょっと疲れたし、事故が原因で超関係ない便にまで影響が出てたみたいで、紆余曲折めっちゃ時間かかって、まーじお疲れ!

ボードグッズとか荷物は自宅に郵送済みなんで、手ぶら同然だったけど、お箸より重たい物を持ったことのない公爵令嬢としては、身の危険を感じるほど、バッグひとつが重くて、しんどかったよ!!

実家の最寄り駅で、前日の夜に帰省してた弟に連絡!

「ねぇえ、迎えにきて」

「どこ?」

「ろーたりー」

ブッチン!

大好きなお姉ちゃんに会いたすぎて、急いで通話切っちゃうだなんて、なぁんてかわいいんでしょう!!

夜空の下、待つこと5分。

お父さんの車で弟が到着。

急いで車に飛び乗るわたし。


あったかいんだから♡


外は凍てついてたから、車内に入るとほっぺがジンジン。

「ありがとっ!」

「あぁ......」

「おせちは?」

「くったよ」

やっぱあるんだぁ!!
久しぶりのお節に大興奮!
わたしの栗きんとんが待っている!

わが実家のお正月は、朝食と昼食が一緒。
食べはじめる時間が厳密に決まってるわけじゃないけど、12時~14時くらいのあいだには食べはじめるんだ。ノソノソとバラバラに起きてくる家族が揃ったら、食べ始めるかんじ。

お母さんとおばあちゃんは、早起きしていつも通り過ごしてるらしいんだけど、お正月くらいダラダラ過ごせばいいのにねぇ笑 

もったいね笑

お昼近くになると、食事の準備がはじまって、おせちとお雑煮、それと頭がついたエビの塩焼きが食卓に並ぶ。むかしからお正月といえばコレ。

このエビはあんま得意じゃないんだよなぁ。
食べにくいし、そんなおいしく感じない。お父さんがいないときは食べないんだけど、いる時は我慢して食う。だって撲殺されたくないんだもん笑

弟は頭からバリバリ音を立て、むしゃむしゃ食す。それを横目にコワッて怯えるルーティーンもお正月ならでは笑

小さい頃は真似をして、わたしの嫌いな食べもんを嫌っていたはずなのになぁ。いまじゃ好みはだいぶ違っていたりする。ふしぎなもんだねぇ。

お節はお母さんとおばあちゃんが作ってくれていて、栗きんとんがわたしは大好物。なんでか家族には不人気で、ほぼわたしが食べる。最後の方なんて重箱に移す前の状態の栗きんとんを、スプーンで頬張るのが流儀なの笑

あとやたら酸っぱい大根(?)と人参(?)を細切りにした酢の物。なぞのやつ。あれも大好物。胃が蝕まれるくらいは食べちゃう!

夜は鍋的なやつか、焼肉か、手巻き寿司。
これもなんとなく定番化してるんだよね。

「いつも思っててんけど、なんで手ふんの?」

はぃ? 手?
唐突に弟のクレームが車内で炸裂する笑

お迎えを見つけるなり、わたしは手を振って近づいてきたらしい。会う時も別れる時も手を振るのが、どうやら気に入らないようだ。

いや、振ってたか?笑

覚えてねぇ。

「かわいいと思ってんの?」

え、そう思われてんの?笑

弟にアピってどうするわたし笑

「や、べつにw わかんないw」

改めてそう言われると、はずかしくはある笑

いや、でも!
当たり前じゃない!?
当たり前じゃなかったとして、別によくない??

なにやめて、へんな指摘すんの!!

「なんか......ごめんw」

「べつにいいけど......」

なにむかつくな笑
ええならいうなや!

地元に着くなり、辱めを受けて実家に到着すると、おじいちゃんの遺影に手を合わせあと、この日は夕飯から。

ouchi DE すき焼き!🤤

この日はお父さんはいなくて、お仕事かと思いきや、友だちと飲みに行ったららしい。

な  の  で  !

お高いお肉をわたしの傍らにセットして、強欲の取皿を片手に殺気立つ! 

ひ・と・り・じ・め!!

悪いな。負けるのは、想像できない。

砂糖と塩を間違えたり、醤油とめんつゆ間違えて入れたり、過去の忌々しいすき焼きに纏わる記憶を掘り返され、必ずイジられる! だから、もうすき焼きには手を触れず、準備できるのを素直に待つことに!

顔で笑って心で泣くわたしを尻目に、イジり倒されながら、楽しい食事の時間が終わると、リビングでテレビを流し観ながらダラダラ過ごす。

oh...お正月.......!

「ロールケーキあるよ」

「んー、あとでいいよ」

「お団子たべ」

「えー、んー、いまはいいや」

おばあちゃんが一生懸命に重めのデザートを提供してくれるんだけど、丁重に断りつつ、緑茶とあられに落ち着いていると、お風呂からあがったお母さんが出てくるなり、つぎの入浴を促してくる。

うーーーーーん。

めんどくさーい。入りたいけど、めんどくさい。

もうちょっとこのまんまがいいかも。

空返事でゴロゴロゴロゴロ。

豚の申し子とはわたしのことです。

結局、グダグダお話をして23時をすぎる。

こうなると余計にお風呂が遠ざかる。

そんなこんなでウダってると、お父さんからお母さんへ連絡。迎えにきてって。わたしの血筋は、家族を足に使うのがデフォ笑

「わたし行くよ。キーちょうだい」

お風呂入ったあとだったし、かわいそうじゃん?

なので、顔面整え、コートを羽織って、お母さんの車でレッツ・ゴー!

老舗の個人小料理屋風のお店。

店内にお父さんを迎えにいくと、座敷でわりと大人数で飲んでいて、あれよあれよとわたしもご一緒に!笑

娘を紹介するお父さんの横に座って、ウーロン茶を頂くことに笑 ブーツで帰省してなくてよかったぁぁぁ!

いい娘さんとか、かわいらしいとか、もう知ってることを散々言われて、お父さんを車に乗せて帰宅する。

「いちかが来るとは思えへんかったわ。わざわざ、すまんな」

「んーん。へーき」

その彼の言葉は印象的だった。

お父さんがわたしに謝るなんて、こんな些細なことでも、今まであっただろうか。あったのかもしれないけど、記憶を探しても見当たらない。

いつも正しくて、間違ったことはしない。

それが父親だった。そう振る舞うことで、彼も不安な気持ちを相殺していたのかもしれない。


そんな父親に、いつも教わる側で、叱られるだけだったわたしだけど、関係が変わっていったのは、いつからだろう。一緒にお酒を飲んだり、お仕事の話をしたり、昔話をしたり。わたしの知らない父親の考えや想いに触れ、理解できるようになった。それは父親が丸くなったわけじゃなくて、わたしが成長したんだとおもう。彼もそれを認め、ようやく対等な立場で会話ができるようになったんじゃないだろうか。

しつけられる子供から、支えられる子供へ。

これからも親子の続柄や立場は変わることはないけど、変わる関係もあるんだと知った夜だった。

「おかえり」

「うん。ただいま」

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