「さいと未来のまちづくり会議2024」企画プレゼン大会開催&全回修了!(西都市まちづくり人材育成業務委託)_R6.10月活動レポート
こんにちは!さいと未来のまちづくり会議運営事務局の「一般社団法人まちづくり西都KOKOKARA」の園田です。
今年3年目を迎える「さいと未来のまちづくり会議」。
過去2か年にわたり、まちの課題や先進事例の研究を行ってきましたが、3年目となる今年は、今までの学びや視点、気づきなどを実際にアイデアを形にするサードステップとして、参加者の皆さんで実際にまちづくりの企画をつくり、実行するまでの流れを、トータルで実践的に学びます!
今月は、まちづくり人材育成事業の目的に加え、今年度のまちづくり会議の全体概要についてお話をさせて頂きます。
※「1.まちづくり人材育成事業の目的」は、初めて当事業の記事をご覧になられる方向けに、先月と同じ内容を再掲しております。
お時間がない方や先月以前の記事を既にお読みの方は、目次から「2.R6.10月の活動レポート」以降へ進んで頂くことをオススメします。
1.まちづくり人材育成事業の目的
まちづくり人材育成事業は、研修という側面を持つ「まちづくり人材育成業務」と、実践的に学ぶ側面を持つ「まちづくり実践コーディネート業務」の2つを指します。
本事業は、西都市が掲げる”第2期さいと未来創生総合戦略”の基本理念
に基づき、「西都市への新しいひとの流れをつくる」という基本目標の施策の一つとして実施されているものです。
全国的な問題となっている人口減少・少子高齢化は、西都市の課題でもあり、その打ち手として、西都市でも若者・子育て世代向けの移住定住や創業支援などを行っています。
転入者からは、まちの住みよさには定評がある一方で、”まちに活気がない”という声も多数寄せられており、移住や創業の促進において、まちの賑わいも大きく影響していることがわかりました。
また、今までのまちづくりは商店街の事業者が中心となって行ってきましたが、こちらも少子高齢化や後継者不足による担い手不足という課題を抱えています。
そこで、「市民目線でのまちづくり」を行うため、これからの西都を担う若者・子育て世代を中心とした”まちづくり人材”の育成が必要、という結論に至りましたが、セミナーやワークショップにおいてまちづくりのアイデアは多数挙がるものの、具体的に事業計画に落とし込むことができないという課題が生じました。
そこで、
■若い世代を中心にまちづくりへの思いをしっかりと事業化できるよう、地域の課題を正確に分析し、事業を企画立案するとともに必要な資源を調達して実行するという実務的な知識、技術、能力を育成・定着させる
■子育て世代をターゲットとしたコンテンツにテーマを絞って事業を展開することで、移住促進ターゲットである若い世代や子育て世代に選ばれるまちづくりを推進する
といったことを目的として、支援機関による伴走支援を行いながら研修や事業の実践を通して人材を育成し、恒常的なまちの賑わいの創出を図っていくために、本事業が立ち上がりました。
まちづくり人材育成業務内容
まちづくり人材育成研修「さいと未来のまちづくり会議」
R4年度にスタートした「さいと未来のまちづくり会議」は、西都市のまちづくりに興味のある方やまちを活性化させたい高校生~45歳程度までの方が集まり、まちの未来について語り合い、まちづくりについて学ぶ会議です。
初年度は、課題を解決するための考え方を学ぶ=まちづくりのアイデアを着想するファーストステップとして、西都市のビジョンや課題に対する解像度を上げるため、西都市の「まちづくりの方向性」「産業振興」「子育て・教育」「移住定住支援」「観光」に対する課題研修と、まちづくりの実践に活かせる「ラテラルシンキング」や「デザイン思考」の研修を行いました。
また、各回のワークショップでは、西都市の課題に対するアプローチを考え、最終的には西都市に対してまちづくり会議参加者からの提言をまとめて提出しました。
2年目のまちづくり会議は、昨年度に学んだ西都市の現状や課題、まちづくりに必要なロジカルシンキングやデザイン思考の知識を活かしたまちづくりを実践するに当たり、アイデアを形にできるセカンドステップとして、「アントレプレナーシップ」「パブリックデザイン」「商店街活性化」「ブランディング」「コミュニティデザイン」「クリエイティブ」という各分野で先進的に活躍されておられる講師陣をお招きし、見地を広げ、アクションに活かすことを目的として、全6回を通して持続的なまちづくり先進事例を学びました。
3年目となる今年は、実際にアイデアを形にするサードステップとして、これまでの学びを活かしつつ、実際にまちづくりの企画をつくり、実行するまでの流れを、トータルで実践的に学びます!
実践コーディネート業務内容
①まちづくりサークル「SAITOBASE」の伴走支援
②西都謎解きジャーニーの制作・運営
※実践コーディート業務は、別の記事で詳細掲載します。
2.R6.10月の活動レポート
「さいと未来のまちづくり会議2024」まちづくり企画プレゼン大会を開催し、実現する企画が決定◎
2024.10.5(土)に行われた「さいと未来のまちづくり会議2024」の最終回となる第4回で、各チームに分かれて練り上げてきた企画のプレゼン発表会を行いました!
「さいと未来のまちづくり会議2024」では、持続可能なまちづくりに必要な視点やコミュニケーションの大切さ、また事業企画を作るうえでの”旗”となるコンセプトの考え方や企画書の作成方法などを3回のワークショップで学んだ後、
「お出かけ」
「観光」
「暮らし」
「教育」
の4つチームに分かれて、約1ヵ月半という短い時間で、「空き家・空き地活用×子育て世代で賑わう西都のまちづくりを、○○(各テーマ)で解決する!」まちづくり企画づくりを行ってきました。
各チームごとに、メンバー同士がスケジュールを調整し、土日や平日夜といった貴重な時間を使ってミーティングを行い、各チームがメンバーそれぞれの得意分野を活かした役割分担でつくりあげてきたワクワクするまちづくり企画が、ついに最終発表を迎えました。
午前中は、各チームで企画書の最終調整やプレゼン発表の練習、企画内容を講師の奥田さんに見て頂いてからの最終壁打ちを行いました。
いよいよ、午後から市民審査員をお招きしてのまちづくり企画プレゼン発表会!
各チーム、発表10分・質疑応答10分・講師奥田さんからのフィードバック5分の計25分の持ち時間で、今まで話し合い練り上げてきた企画内容やそれに込めた想いを全力でぶつけます。
発表順は、事前にあみだくじで決定し
①観光チーム ②暮らしチーム ③お出かけチーム ④教育チーム
の順での発表となりました。
まずは、観光チームから。
観光チームは、なんとチームメンバー全員が”子育て世代ではない”ことから、子育て世代のニーズの把握に苦戦しながらも「子育て世代にとって、観光・外出時に必要な情報がすぐ手に入る、子育て世代特化型デジタル観光マップ」という企画を提案!
・親が気負いなく入れる飲食店
・おむつ替え・授乳スペースの設置場所
・ベビーカー対応や雨天時OKの観光ルート
・郷土や歴史について学べる教育文化施設
・無料駐車場の案内 …etc.
といった、お子さん連れでの西都観光を安心して楽しめる情報をスマホで手軽に確認できる!という企画でした。
市民審査員からは「開発・導入までの初期投資において精査が必要なものの、着眼点は非常におもしろく、実現すると子育て世代は非常に嬉しい企画」というコメントを頂きました。
次は暮らしチーム。
暮らしチームでは「西都での暮らしって、なんか住みやすいし、ちょうどいいよね」をキーワードに、”小さな素敵”が集まる西都の日常を、歩きながらより多くの人に体験してもらいたい!という観点で、
■まちなかキャンプベース
(あいそめ広場をアウトドア空間へ。そこを拠点として、西都市内の空き家・空き店舗活用をしたポップアップストアや、市内の空き店舗活用してOPENしたお店を巡るイベントの実施)
■「ちょうどいい西都」まちあるき探検マップの作成
(地元の人しか知らないディープなお店、移住した方がはじめたお店など、みどころを詰め込んだマップづくり。スタンプラリー機能があれば回遊性もあがるかも?)
という2つの企画を提案!
(練習の成果もあり?笑)チームワーク抜群の掛け合いも取り入れた笑いある発表で、チームワークの良さが高く評価されていました◎
次に、お出かけチーム。
お出かけチームは、背景やコンセプトとして「(女子大生2人が考えた)自分がお母さんになった時の理想の週末の過ごし方」をヒントに、『親と子どもがワクワクしながら一緒に楽しめる、10年後も持続可能な空間と記憶に残る時間を生み出し、西都市で週末を楽しむ・遊べるまちにする』をテーマとした、
・家族記念日の写真撮影会
・親子対抗スポーツ大会
・スナック対抗カラオケ大会(笑)
・さいと夜空映画館
の4つを、親子で一緒に楽しみ思い出をつくる体験型イベントとして提案。
発表では、収支計画やプロモーション計画などの具体的な数字根拠についても考えられ、何よりコンセプトが素敵でぜひとも西都で実現してほしい世界…!
最後は、教育チーム。
教育チームは、なんと当日午前中に手分けをして資料作成を行い、発表を迎えるというスピード感…!!
しかしながら、それができたのも、チームメンバー全員が、企画に込める想いや目指したい世界観をじっくりと話し合い共有し共通認識を持って同じ方向に向かって走り続けたからこそできたんだと思います。
そんな教育チームの提案する企画は「西都が、子どもたちがワクワクをかたちにでき、自立して個性を出せるまちになってほしい。そのために、親が子どもに成功体験を経験させてあげられ、”できた”を共有・共感し、認めてもらう経験を提供する、職業体験ワークショップイベント『tomoniまち』」。
チームメンバーの原体験に基づき、「子どものうちからさまざまな働き方や職業、そしてカッコイイ大人たちに触れることで、広い視野と選択肢を持ったたくましく自立した子どもたちが増えてほしい。そしてそんな子供を育てる親は、子どもたちの成長や喜びも嬉しいし、その姿を見ることで自分の子育てに自信を持ってほしい」という親子双方のHAPPYを実現できるイベント。
コンセプトが本当にステキで、企画のネーミングまでしっかりと固まっており非常に共感する企画提案でした。
全チーム本当にワクワクする、子育て世代が推したい西都のまちになっていく未来が見えた、素晴らしい企画ばかりでした!
全て実現したいところなのですが、市民審査員と参加者の採点の結果、今年度SAITOBASEと一緒に実現するのは、最高得点を獲得した「暮らしチーム」の企画に。
2月頃を目途に、まちあるきマップの作成と、まちなかキャンプ(アウトドア)ベースを拠点としたまちあるきイベントを行う予定です!
結果発表後、メイン講師の奥田さんから最後のまとめとして、誰しもが指針とする”旗”としてコンセプトが重要であること、チームの中で役割の明確にすること、また周りからの「なんでやるの?儲からないじゃん」の言葉に惑わされず、”やったことが増えると、それがまちの投資になる”、”やったことがある人に次の仕事がやってくる”ということを信じて足を進めていってほしい、というお言葉を頂き、今年度のまちづくり会議を終了しました。
改めてになりますが、まちづくり会議にご参加いただいた皆さま、そしてお忙しい中でも伴走してくださったメイン講師の奥田さん、そして主催の西都市役所の皆さま、事務局一同心から御礼を申し上げます。本当にありがとうございました!
3.「さいと未来のまちづくり会議2024」の今後
まちづくり会議のその後。
約半年間をかけて行ってきたまちづくり会議。
この場での出会いから新しいコミュニティが生まれたり、「西都のまちが本当に変わってきたし、もっといい方に向かう気がする」という参加者の言葉を頂いたり、「西都のことがもっと好きになった」というシンプルながらも一番嬉しい言葉を聞くことができたりと、事務局としても気づきや学び、そして喜びが非常に多くて濃い時間を過ごすことが出来ました。
次世代まちづくり人材育成事業の一つとしてはじまりましたが、実際には私たち事務局側も皆さんを通じて成長させて頂いていたのかもしれません。
さて、今年度のまちづくり会議はこれにて終了となりますが、ここからは企画を実践するフェーズに入っていきます!
今年度は、暮らしチームのまちづくり企画の実現に向けて、まちづくりサークルSAITOBASEと一緒に動いていきます!
今後のレポートは、▶ まちづくり実践コーディネート事業 ◀ のnoteにてご報告をしてまいりますので、引き続き今後の経過も温かく見守り応援して頂ければ幸いです。
改めてにはなりますが、「さいと未来のまちづくり会議2024」に関わってくださった皆様、本当にありがとうございました!
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一般社団法人まちづくり西都KOKOKARA
まちづくり人材育成事業
プロジェクトマネージャー 園田美穂