保険屋のつぶやき24

高度障害保険金って聞いた事ありますか。
死亡保障の保険商品におまけみたいに付いているやつです。
所定の(これが何か分かりにくい)高度障害状態になったら保険金の代わりに支払われる保険金というか給付金というか。
ご本人はまだ亡くなっていないので、給付金と同じく非課税で被保険者(死亡保険金受取人という所あり)に支払われるものです。

駆け出しに近い頃、辞められた募集人さんの
ご契約を預かっていた折のこと。
お客様がくも膜下出血で倒れて植物人間状態になられました。
奥さまから困り切った声で相談がありました。
“なんとか保険がおりる方法はありませんか?”

困ったことに、定期保険800万円のみ。
入院も何も加入なさっていない。
じゃリビングニーズかな?
保険金課に問い合わせました。
“余命半年の診断が降りていないし、余命半年の状況ではないので、リビングニーズは馴染まない。むしろ高度障害保険金の方がいいので
発症後半年を待って、状況が続いていたなら医師より回復の見込みがないという診断書を頂いて請求をかけてください。”

半年待って、そのように診断書を依頼しました。すぐに請求して保険金がおりるはずでした。
なかなか診断書が出来て来ません。
奥さまに問い合わせして頂きました。
それでも出来て来ません。

私の携帯が鳴って、先は病院。
電話に出るとすぐに先生と交代されました。
“君たちは簡単に回復の見込みが無いなどと言うが、私たちは患者さんが回復されるよう今、全力で頑張っているんだ。回復の見込みが無いなどという診断書は書けない!”
すごい剣幕で叱られました。

確かにそうです。でも奥さまも困っていらっしゃる。反省しながら前に進むような、アクセル全開でフルブレーキの状態です。

奥さまの困窮に折れられたんでしょう。
2か月程して診断書が出来て、無事請求することができました。

この時、手続きのプロセスだけが重要ではない事をしかと感じました。
人の立場や気持ちを全く考えていなかった事を深く反省しました。

高度障害保険金の支払いはまだこれが最初で、今のところこれが最後です。

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