元、保険屋のつぶやき89

“ 税務署の調査が入ったら
何かお土産を渡さないかん。
手ぶらでは帰られんやろ。”
みたいなお話。
昔よく言われていたものです。

では保険会社の調査が入っても
お土産を持って帰るのだろうか。

元保険屋になっても
時々お客様から連絡があります。
先日のご相談は
“ 保険会社から15万円払えと言ってきた。
どうしようか。 ”

かいつまんで説明すると
1昨年の1月に入院保険を
ご契約いただいたのですが、
8月に肩の手術と、2か月入院。
半年後、肘で入院、手術。
その3か月後位に目の入院、手術。
通院5,000円もあるので、
恐らく1年ちょっとで
百数十万円の給付金請求になったのでは
と推測しております。
今年4月くらいの目の入院の話になった時
担当のソリシターさんから連絡ありました。
“ 〇〇さんの件で調査が入る事に
なりました。 ”

まあ、1年程で3回の入院・手術。
金額もそこそこ行っているし
どちらかと言えば派手にやった感じです。
でも、告知にも問題は無さそうだし
まともに病院からの指示で
入院・手術をしているし
別にやましいことはない訳です。
“ まともに請求しているのだから
心配ないですよ。 ”
とお客様にはご案内しておりました。

しばらく何も言ってこられ無かったから
大丈夫かなと思っていたのですけど
突然の連絡がそれです。

これまでの請求に関して
給付金は全て支払われています。

保険会社の調査の結果、
通院給付金の請求の内容に関して
請求日数と調査で得た実際の通院日数と
乖離があるので、
その差額を返金してください
と言ってきた。
その金額が15万円だったのです。

“ そんな事言うて来るかい。 ”
という感じですけど
冷静になって考えてみました。

告知や請求自体に問題はなかった。
という事が見て取れます。
これは大きい。
通院の請求に関しては
領収書等の資料を添付無しでの
請求が可能だから
要は自己申告のようなものです。
ここで病院への調査をかければ
多少の乖離は出て来そうなものです。
本来何も出てこなかったものだから
通院日数を精査した。
手ぶらでは帰られんから?
ついそんな事考えてしまう訳です。

“ どうにかならんやろか。 ”
いや…この手の決定は重い感じがします。
“ 払わんかったら、払うまで言って来そうですよ。 ”
“ ん…、考えてみる。 ”
お客様はとても不満気です。
担当を外れてしまったので、
お客様のために動けないのですけど
これ、交渉の余地無いやろうな。
と思います。

傍目から見れば
もらった額の1割程度お返しすれば
済む事だから、なんて軽く考えてしまいます。
でも困ってそうです。
使ってしまったんだろうか。
お客様のお役に立つのは
なかなか難しいです。
こんな事があると
頭の片隅にでも、置いておいてください。

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