社会保険労務士で開業して3年で廃業したときのハナシ
みなさま、こんにちは。みごほうきです。
今日は少し昔の話を書いていこうと思います。
実はわたくし、20代の前半に社会保険労務士として開業しておりました。
元々、実家が商売をしていたため、周りにサラリーマンと呼べる存在がおらず、会社勤めのイメージが全く持てない環境で育ちました。
だから、当然、自分自身も何らかのカタチで独立開業して生きていくんだろうと、こどもの頃からぼんやりと考えていたものです。
ただ、モノを扱う商売や飲食業などは、開業資金がきっとたくさん必要になるだろうし、そもそも、「その開業資金を貯めるためにサラリーマンをしないといけないんじゃないか?」と考え、自分の中での選択肢にはそうした業態は入っていませんでした。(我ながら怠惰ですね。笑)
そこで、思いついたのが資格を取得することです。
特に環境柄、毎月税理士さんと顔を合わせる機会があり、
“茶菓子を食べながら、世間話をするだけで生きていけるなんて、すごくいい仕事だなぁ。。”
と、馬鹿なことばかりを考えていた記憶があります。(当時は本気でそう思っていました。今は当然そんな風には思ってませんよ!笑)
そんなこんなもあり、10代の後半より資格試験を目指すようになり、
二十歳前後に、宅建→行政書士→社会保険労務士と段階的に取得していきました。
まあ、一応簡単になぜこれらの資格をこの順番で取得したかというと、
法律知識が全くない段階で、いきなり士業資格である行政書士試験を目指すのは少し気が引けたので、まずは、宅建から入ったという次第です。
それと、「顧問契約を結んでしまえば安定収入を得ることが出来るだろう」ということで社会保険労務士を取得しました。
こうしたステップアップ式の取り組み方も手伝って、幸い3資格とも独学にて一発合格できました。(実は、ある勉強戦略が最大の勝因なのですが、その辺りはまた別の記事で書いていこうと思います。)
なお、当時、なんとなく自分の中で、社会保険労務士として企業と顧問契約を結び、その関わりの中で、事業にまつわるイベントが発生した場合には行政書士で対応していけば万事OKだろうと非常に甘く考えておりました。
(結局、社会保険労務士関連の業務に追われ、行政書士の登録をする機会を逸してしまいました・・・。)
こうして、まともな社会経験もない(むしろ、社労士なのに社会保険にも入ったことのないという・・・。汗)、20ちょっとの少し調子に乗ってしまった若者は独立開業を果たすことになったのです。
この記事の内容としては、“何の計画もなしに独立開業したら速攻廃業しちゃいますよ!終わり。”とか、“社会保険労務士なんて、資格者増えすぎて全然食えないっすよ。マジで。”みたいな内容ではありません。
この点について、先に結論をズバリ書いてしまうと、
社会保険労務士で全然食べていけます。むしろ、コスパ最高!万歳です。
“じゃあ、なんで廃業したの?”って、ハナシになりますが、
それは、
“孤独に耐えられなかったから。”ということと、
“一生の仕事にしようと思えるほど、社会保険労務士の業務内容に熱中することができなかったから。”
この2点につきます。
独立開業すると、仕事のないときはメチャクチャ暇なんですよ。これが。
友達なんかは会社に行っているから気軽に連絡するわけにもいかないし(「今、暇なんだけど、遊びに行かない?」なんて、言えない。笑)、
業務の勉強をするといっても、それも限度があるわけなんですね。(毎日毎日、労働基準法コンメンタールなんて読みたくない。)
「いやいや、時間に余裕があって、自由に働けて、それで食べていけるわけでしょ?ノマドじゃん!最高じゃん!」って、
きっと、今読んでくださっている方はそう考えると思うんですけど、それってたぶん、ある程度、社会に出て厳しい労働環境に揉まれ、ヘトヘトになったような経験がないと感じないんだと思います。(悪を知って善を知るような感じですね!合ってます?笑)
それと、「このまま、こんな怠惰な生活をしていると同年代と比べて遅れを取るのではないか?」という焦りだったり、「自分の物事の見方や視野が特定の範囲に閉じ込められてしまうのではないか」といった漠然とした恐怖感もすごく感じていましたね。若さゆえかもしれませんが。
「贅沢言うな!アホか!」と、怒られそうですが、その当時は一人馬鹿みたいに悶々と毎日思い悩みました。
それと、業務内容に熱中することができなかった点についてですが、これは少し言葉そのままの意味とは異なります。
社会保険労務士や税理士は、基本的に会社相手の業務がメインとなります。
会社経営をしていると、お金の悩みと人の悩みは切り離すことができません。そこで経営者としては、
お金の悩み →→→ 税理士さんに相談
人の悩み →→→ 社労士さんに相談
こんな感じの構図になっちゃっているわけです。
普通、その資格を目指しているときは、試験範囲にかかる実務をイメージしているわけですが、実際に経営者が求めていることは少し違います。
社会保険や労働保険の手続がメインではなく(もちろん、それもしますが。)、会社経営にまつわる悩みの相談相手になることがメインだったりします。しかも、それは、答えが聞きたいわけではなく、経営者自身の頭の整理のための相手役です。(茶飲み友達みたいですね。)
だから、これってはっきり言って、社会人としての経験がある程度ないと、なかなか難しいわけですよ。
もちろん、試験に受かってるわけですから、法的なアドバイスはある程度してあげることができます。
しかし、「事業所内の人間関係がどうも良くないみたいだ・・・どうしよう。。」みたいな事を言われても、的確なアドバイスができないわけです。(「いや、どうしましょうかね・・・」って、なっちゃうわけです。)
だから、そうしたとき、自分自身の不甲斐なさに自己嫌悪しちゃって、業務内容に夢中になったり熱中しきることができませんでした。
前置きが結構長くなってしまいました・・・。
本当は、無料記事で全部書いてしまおうと考えていたのですが、
身バレすると嫌なので(社労士の知り合いに見られると絶対バレそう・・・。)、有料記事にしました。(だから、一番安い価格設定。笑)
ただ、今回のジャンルのような記事だと知りたい事として、
・独立開業して、食べていけるか?
・営業力が必要なのではないか?
・今後、AIが発達して淘汰されるのでは?等々
だと、思います。
だから、元独立開業者がその点についてお答えすると、
Q.独立開業して、食べていけるか?
A.裕福な暮らしをするためには努力する必要がありますが、食べていくだけなら、あまり努力しなくても可能です。
実際、20ちょっとの社会人経験もない人間が可能だったので、この記事を読んでくださっているあなたなら大丈夫なはずです。
Q.営業力が必要なのではないか?
A.陰キャで、人見知りでも全然いけますよ。だから、営業力とか特に必要ないです。ただ、一歩も家から出るのが嫌とかだと難しいです。
それと、大金を稼ぎたいなら、もちろん営業力は必要です。
Q.今後、AIが発達して淘汰されるのでは?
A.上でも少し書いたように、社会保険や労働保険の手続だったりは、本当の意味でのメインではなかったりします。
社会保険労務士という資格への信頼や安心感、それらに基づき良き相談相手になってあげられることがメインだったりするので、淘汰されますかね?
経営者がひたすらAIに職場の問題についての悩みを相談するところを想像すると、結構、シュールですね・・・。苦笑
それと、資格を持っている人より、持っていない人の方が普通に考えると先に淘汰されてしまいそうです。
となります。だから、この結論だけ知りたかった方は、これで大丈夫なのかなと個人的には思います。
この先の記事については、下記についてQ&A形式で記載しています。
・開業資金は?事務所は借りたの?必要なものは何?
・営業力が必要ないと言ってもどうやって仕事をとるの?
・どこかで実務経験を積んだ方がいい?修業した方がいい?
・開業したことに後悔はある?廃業した後はどうしたの?
・社会保険労務士はどんな人が向いていると思う?他の資格も取った方がいい?
想定読者としては、
・社会保険労務士という資格に興味がある方
・資格を取ったけど、独立開業しようか迷っている方
となります。
あ、それと、
・社会人経験もなく無謀にも独立開業を企てる若い方
ですかね!笑
それでは、わたくしの黒歴史(案外、そうでもないかもだけど。)が皆さまのお役に立てますように。
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