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兼田敏「吹奏楽のためのシンフォニック音頭」
第2回は吹奏楽の曲です。
アニメの曲を期待していた方、ごめんなさい。
テレビ番組のテーマ曲でも紹介したい曲はたくさんありますので、今後にご期待ください。
今回紹介するのは兼田敏作曲の「吹奏楽のためのシンフォニック音頭」(1984年)です。
僕がこの曲に惹かれたのはなんといってもタイトルです。
「シンフォニック」で「音頭」ってめちゃくちゃバランス悪いですよね!
なんかウケ狙いで作ってるような感じがして、とにかく聴いてみたいと思いました。
公開当初はこの題名だったんですが、数年後からご本人の意向なのか、出版社の意向なのか、「シンフォニックバンドのための交響的音頭」と言う表記で統一されているようです。
兼田敏(1935-2002)さんは日本の吹奏楽界の大重鎮で、まだ日本人の吹奏楽オリジナル曲が少なかった1960〜1970年代の吹奏楽黎明期において、たくさんの良曲を世に生み出した方です。
まだこの頃は、吹奏楽のオリジナル曲を演奏すること自体が珍しく、さらに日本人作曲家によるオリジナル曲などは、滅多なことでは演奏されませんでした。
コンクールではクラッシック曲のアレンジが演奏されるのが当たり前の時代です。
今では考えられませんが、モーツァルトやマーラー、ブルッフなどを編曲したものを演奏する学校もあったくらいです。
また、もう1人の吹奏楽界の重鎮、保科洋さんをオケの世界から吹奏楽の作曲に誘ったのも兼田さんだそうです。
兼田さんの代表曲は
・シンフォニックバンドのためのパッサカリア
・シンフォニックバンドのための序曲
・嗚呼!
・日本民謡組曲「わらべ唄」
・吹奏楽のためのバラード Ⅰ
・吹奏楽のためのディヴェルティメント
などなど、たくさんありますが、僕が好きなのは断然「シンフォニック音頭」です!
次に好きなのは「吹奏楽のためのディヴェルティメント」ですかね。
さて、音頭の話に戻りますが、この曲は、明らかにラヴェルの「ボレロ」を意識していて、メチャクチャ小さい音量で打楽器がリズムを刻み始めます。
ボレロは3拍子ですが、音頭は4拍子で構成されています。
「パカラッ、パカラッ」と馬で走る騎馬民族は3拍子が得意だが、農耕民族は「えい、やー、えい、やー」と畑を耕してきたから4拍子が身体にしみ込んでおり3拍子は苦手なのだとか・・
打楽器のみの前奏のあと、少しずつ旋律が楽器を替え、増やしながら入ってきます。
この旋律も盆踊りのような日本風で、兼田さんのこだわりがみえてきます。
同じ旋律をひたすら繰り返し、少しずつ少しずつ盛り上がっていくのもボレロと同じです。
終わりが近づくに連れてテンポも速くなり、不協和音も交え、最高潮の盛り上がりを迎えて終わります。
兼田さんの遊び心も随所に含まれていて、とても素敵な曲です。
「この曲を演奏してみたいな〜」と聴く度に思うのですが、「いやいや、練習が退屈だろうな」と思い直すのでした。
だって、僕はパーカッションで、冒頭の2小節のリズムを延々繰返すだけなのですから・・
最後まで読んでいただきありがとうございました。
書きたい曲はたくさんあるので、何のジャンルになるかまだ決めていませんが、次回もお楽しみにして下さい。
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和田博でした。