歴史好きだが歴女じゃない

 歴女というのは例えば戦国武将の史跡を巡ったり、というイメージだが、私はそういうのは全く興味がない。
 子供の頃から歴史は好きで、親が買ってくれた大久保、西郷、木戸の3人について学者が子供向けに書いた本は何度も読んだ。高校時代の世界史の教師は板書もしなかったのに、中国史のまとめ方がダイナミックで、しかもわかりやすく、虜になった。
 そこで大学では東洋史専攻だったが、これが恐ろしくつまらなかった。むしろ他学部で聞いた、最近亡くなったある有名な政治学者(結構歴代政権寄り)の幣原外交などが断然面白かった。当時はマルクス主義歴史学もまだ生きていて、唯物史観的な本も多かったが、政治心情は理解出来ても、胡散臭さも感じていたので、そういう史観と無縁の彼の政治史は面白かった。
 そんな私が、若い頃中学や高校で歴史を教えていたのは本当に今思えば赤面の至りで、生徒さんに申し訳ないのだが、ある時非常勤の高校の職を失い、退屈を持て余していた。私が本当に歴史に目覚めたのはその時だ。以外に身近なところに資料が転がっていたのだった。

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