獣医腫瘍科認定医になるには
獣医腫瘍科認定医になるには、日本獣医がん学会が実施する試験に合格する必要があります。試験にはⅠ種とⅡ種があり、認定医になるにはまずⅡ種に合格し、その後Ⅰ種に合格する必要があります。今回は、Ⅱ種を取得する方法を説明します。学会が定める講習を終えて、合格率が2割に満たない試験に合格すると、はじめて獣医腫瘍科認定医II種(2種)を取得できます。
必要な期間
獣医腫瘍科認定医II種(2種)を取得するための期間は、個人の状況や学会の開催頻度によって異なりますが、一般的な流れは以下の通りです。
講習会の受講:日本獣医がん学会が主催する認定医II種講習会の全8科目(腫瘍診断学4科目、腫瘍治療学4科目)を受講する必要があります。これらの講習は通常、年2回開催される学会の初日に行われます。1回の学会で最大4科目を受講できるため、最短で2回の学会参加(約1年)で全科目を修了することが可能です。
試験の受験:全8科目の受講を修了すると、認定医II種試験の受験資格が得られます。試験は年1回、通常10月に実施されます。例えば、2024年の試験は10月6日に行われました。
合格発表と登録:試験の合格発表は翌年2月に行われ、合格者は新年度(5月1日)から認定医II種として登録されます。
以上を踏まえると、最短で約1年半から2年程度で認定医II種の取得が可能です。ただし、講習会の受講スケジュールや試験の合否によって期間は変動する可能性があります。
2026年5月1日から認定医Ⅱ種を取得するためのスケジュール
日本獣医がん学会の会員登録
認定医II種の受験資格として、日本獣医がん学会の会員であることが必要です。学会の公式ウェブサイトから登録できます。テキスト購入前に登録するのがおすすめです。会員種別により年会費が異なります。
正会員:10,000円 準会員:5,000 賛助会員:50,000円
勤務医の場合、正会員に登録しましょう。テキストの購入
獣医腫瘍科認定医II種(2種)試験のガイドラインとして、日本獣医がん学会が発行する「獣医腫瘍学テキスト 第2版」が推奨されています。このテキストは、認定医II種試験の出題範囲を網羅しており、試験対策に有用です。
テキストの購入は、学会の公式ウェブサイトから申込用紙をダウンロードし、必要事項を記入の上、指定の方法でお申し込みください。会員割引も適用されます。 テキストの内容や購入手続きの詳細については、以下のリンクをご参照ください。JVCS講習会の受講 (1月と7月の両方の学会に参加)
第31回日本獣医がん学会
日時:2025年1月25日(土)・26日(日)
場所:大阪府・ホテルニューオータニ大阪
メインテーマ:猫の肥満細胞腫(予定)
形式:会場開催およびオンライン配信(学会終了後、約1ヶ月間の録画配信※現在、認定医II種取得に必要な講習会の受講証明は、会場での受講時にのみ取得可能です)
※日本獣医がん学会公式サイトから参加申込
第32回日本獣医がん学会
日時:2025年7月5日(土)・6日(日)
場所:東京都・ホテルニューオータニ東京
獣医腫瘍科認定医II種の取得を目指す際、必要となる「認定医手帳」を1月25日に学会会場で購入し、第31回に4科目分、さらに第32回に4科目分の受講印を取得し、全8科目分の受講印を取得する必要があります。認定医手帳の費用は1冊1,500円(税込)です。この手帳は、学会会場でのみ購入可能で、通信販売は行われていません。試験の受験
受験資格:全8科目の受講を修了すると、認定医II種試験の受験資格が得られます。
試験日程:試験は年1回、通常10月に実施されます。
2025年の試験予定:2025年10月5日(日)に実施予定です。
出願期間:2025年7月25日(金)から8月15日(金)までが出願期間となります。合格発表と登録
発表: 試験の合格発表は、試験実施年の翌年2月に行われます。具体的には、日本獣医がん学会の公式ウェブサイト上で、合格者の受験番号が掲載されます。また、合格者には個別にメールで通知が送付されます。
登録手続き: 合格者は、認定委員会に対して登録申請を行う必要があります。この手続きが完了すると、新年度の5月1日より認定医II種として正式に登録されます。登録手数料は10,000円です。
かかる費用
獣医腫瘍科認定医II種(2種)を取得する際の主な費用は以下の通りです
正会員の会員費 10,000円/年
獣医腫瘍学テキスト 第2版 17,820円(税込)
認定医手帳 1冊 1,500円(税込)
学会参加費(2回分) 3,0000円(税込み)
試験手数料 15,000円
登録手数料 10,000円
合計84320円
獣医腫瘍科認定医になると、犬猫の腫瘍科の専門知識や一般臨床的知識、実践力を備えた獣医師として認定されます。また、新しい治療法や臨床試験に参加する機会や、他の獣医専門家との交流やネットワーキングの機会も得られます。また、勤務医としての収入アップにもつながるでしょう。
試験勉強法
試験の合格率は毎年2割ですが、出題傾向を抑えて勉強すれば一発合格も夢ではありません。試験勉強法や過去問、模擬問題を作成しましたので、活用してください。