『マーケティングつながる思考術』連続講座①~失敗しないために、あなたが学ぶべきこととは?~ #マープス
今回の記事では、マーケティングを学び実践する上で知っておくべき基本的な考え方について詳しくお話しさせていただきます。
この記事がおすすめな人
・マーケティングを知ったばかりで、今後成功するための考え方を知りたい人
・マーケティングにある程度知見はあるものの、成果が出ていないと感じる人
・マーケティングの施策単位ではなく、戦略から全体的に考えられるようになりたい人
今回の記事でわかること
・マーケティングは全ての課題に効果のある魔法の杖ではないこと
・マーケティング施策を実行する際には、どの課題に対して効果があるのかを理解する必要があること
・売上とは総力戦の綱引きであり、マーケティング施策だけやっていればいい訳ではないこと
マーケターとは薬剤師である
皆さんマーケティング施策を実行した後に「こんなはずじゃなかった」と思った経験はないでしょうか。
それは、課題を適切に診断しそれに対するマーケティング施策を実行できていない事が原因です。
マーケティングの目的は、「お客さまに買ってもらうこと(トライアル)と買い続けてもらうこと(リピート)」ですが、このためには課題に対して最適な施策を実行する必要があります。
例えば、あなたが具合が悪くなり病院に行ったとします。具合が悪くなった原因が風邪をひいた事だとしても、医者が診断を誤り風邪薬ではなく胃腸薬を処方したとしたら、あなたの具合は良くなるでしょうか?
このようにマーケティングを実践する際には、病気(課題)を正しく診断し治療するために最適な薬(マーケティング施策)を処方することが重要です。
そのためには、それぞれの施策(薬)がどの課題に対して効果があるのか、どの課題に対しては効果が出ないのかを理解しておく事が大切です。また、それぞれの施策(薬)の効果が発現する時間軸を理解しておくことも重要です。
今行っている施策が即効性のある風邪薬のような薬なのか、それとも漢方薬のようにじわじわと時間をかけて根本的な体質改善に効く薬なのかを理解しておくことで薬の使い分けができるようになります。
今までお伝えしてきたように、マーケターには、現状の課題を正しく診断する事で病気を明らかにし、それに対する正しい薬を処方する事が求められます。
また、多様な業界・企業でマーケティングで成果を出せる人はこの点を理解しているため、外部環境が変わってもどの課題(病気)にたいしてどの施策(薬)を処方すれば治癒するかを抽象化して理解しているため、応用を効かせる事ができます。
トライアルとリピートの要因とは
先ほども述べたようにマーケティングの目的は、「お客さまに買ってもらうこと(トライアル)と買い続けてもらうこと(リピート)」です。
トライアルを増やすためには、お客さまに商品やサービスを知ってもらったうえで、買いたいと思っていただく事が重要になります。この領域は、マーケティングの中でもマーケティングコミュニケーションが行なっています。
一方で、トライアルしてくれたお客さまが必ずリピートしてくれるとは限りません。リピートしてもらうためには、商品やサービスのパフォーマンスが高い事が条件としてあります。
この二つの軸を4象限で整理したものが下記の表になります。
ほとんどの商品が左下の象限に位置し、お客さまに買いたいと思っていただく事ができずトライアルが増えないためリピートも増えないという構図です。
一方で、左上は大企業の商品・サービスによくある事例で、テレビCM等を大々的に行う事で多くのお客さまに対して買いたいと思わせる事ができトライアルは増やせますが、商品・サービスのパフォーマンスが低くリピートにつながらないという構図です。
マーケティングとは総力戦の綱引きである
よく誤解されがちですがマーケティングは売上を向上させるための魔法の杖ではありません。
売上とは、ブランドエクイティ・価格・営業パーソン等のあらゆる要因の結果生じるものであり、マーケティング施策としてよく想起される広告やプロモーション等の一本一本の施策だけを行なっていても成果は出ません。
また現在は市場に競合がいないということはありません。つまり、市場の中で売上というパイを引き寄せるために競合との間で綱引きを行う必要があります。
どれだけ自社が総力をあげて綱引きを行ったとしても、競合がそれ以上の力で縄を引っ張たら売上を引き寄せる事ができないことを理解しておきましょう。
まとめ
マーケティング施策を行う上では現状の課題(病気)を正しく診断することが重要です。ここでの診断が間違っていると誤った施策(薬)を実行してまうことになり効果が出ません。
また、適切な処方を行うためにもそれぞれの施策が何に対して効果があり、何に対して効果がないのかを理解することが大切です。