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クイーンズ ・ ギャンビット考察 ※ネタバレ有り

僕はNetflixの名作とまた出会ってしまったといえるでしょう。
https://www.netflix.com/title/80234304
孤児院で用務員のおっさんからチェスを教わった天才少女がグランド・マスター(チェス界最強の称号)を取りにいく成長を描いたドラマだ。

よさを語るためのフリ

ストーリーの途中で雰囲気が変わる作品はいいとかんじる作品が多いと思っている。
例えば、コメディ。
笑いベースの軽いストーリー展開から、後半にシリアスなシーンや泣けるシーンがくるとそのギャップでいい作品に見えてしまう法則があると思っているからだ。
これは例えの一例で、「ライフ・イズ・ビューティフル」のような前半コメディ調からの後半は戦争の悲劇を描いたような作品や、逆に「ラブ・アゲイン」のような前半シリアスからの後半ギャグみたいなストーリー展開もかなりぐっとくる。
邦作だとアニメ「クラナド」などもそうかと思う。(前半学園萌えラブコメから、後半は急に命の誕生と喪失)

クイーンズ・ギャビットのストーリー展開ギャップ

クイーンズ・ギャビットも僕のその法則に当てはまっていた。
ただ、今回の展開の組み合わせが新しくて、頭から出てくるその喜びを現在書いている次第である。

前半(全7話中6話くらいまで)というかほとんどの話数だが、天才の栄華と苦悩といったクールシリアスな展開で話が進んでいく。
女優さんがエロ美しいとこや、60年代が舞台なのでセットのおしゃれさなどは際立つが、度肝を抜かれる作品ではないという印象だった。
ただNetflix様のオリジナル作品なので、ストレスフリーにたのしみながら観れてしまう演出がたくさんあったんだと思う。(話の終わりの引きがうまかったりなど)

度肝を抜かれるのは最終話である第7話である。
急にクールシリアスが、熱い少年漫画のような展開になる。
これ下手したら冷めてしまう展開の切り替えなような気がするが、それをうまく仕掛けてきたのだ。
すごく知的でディープな作品にみせて、ついていったら最後はバクマン(週刊少年ジャンプ作品)なのだ。

このギャップはすばらしい。
ダサおしゃれ。
一番かっこいいやつだ。

ソ連に触れてきた

米作品である本作。
舞台は60年代アメリカ。
冷戦まっただ中である。
影響力があるアメリカの作品には政治的なメッセージがあると考える陰謀論者な一面が僕にはあるのだが、Netflex作品であり海外や日本でも徐々に評価があがってきてるこの作品にも伝えたいことがあるように思いながら観ていた。

ソ連の捉え方である。
主人公の最強のライバルはクールなソ連人であり、最終決戦はソ連を舞台にあたたかいソ連の観客に囲まれる中で行われる。
続けよう。
作中ではソ連はチェスのホットスポットであり、ストリートでおじさん達がいいかんじにチェスを楽しんでいる。

これがこの作品のおもしろいところ。
いままで資本主義サイド本拠地アメリカが大きい作品でソ連を肯定する作品はほとんどない気がするためだ。
多分、きっとこれ歴史的な動き。
例えば、冷戦時代にソ連を恨むという流れの中にいた人達がまだ米国内に生きてたりするし。
僕らアメリカとなかよしの日本人もソ連ってなんか危ないみたいな印象もっちゃってるでしょ?
それをたぶん変えようとしてきてるんだろうなと。

先日の大統領選挙でもバイデン氏が中国・ロシアと関係があるという話が報じられていた。
怖いとかそういうおもしろくないことを言うつもりはない。
ただ、アメリカンの方針としていわゆる社会主義勢力と呼ばれたところと距離を縮めようとしているんだろうなという気がした。
ああ、これ語りだすと長いんだ僕、、、

簡単に箇条書すると

・アメリカは大衆作品で国家の方針を浸透させる手法をよく使う
・だってみんな演説聞くよりたのしく映画観ながら、例えばソ連の印象よくなったほうが浸透しやすいでしょ?
・60年代アメリカは社会主義者しねしねマンだったので、対象者は国外追放とかしていたらしいし
・その当時も大衆作品の看板「キャプテン・アメリカ」に社会主義者を倒させる話が書かれていた

つまり「クイーンズ・ギャビット」はアメリカ国家中枢がロシア・中国と近づいていくことを国民や世界に浸透させるプロバガンダ的な一面もあるのではないかと思ったのだ。
たぶんそうなんだけど、しらんけど。

いやあ、おもしろい作品だった。
純粋なドラマとしてのおもしろさもあるが、社会的な背景が入ってくる作品は深えなああって感動するのだ。
映画や他形態の作品も表面だけを観ていては飽きがきてしまうと思っている。
読み始めることができると、今まで映画はこんなもんだと思っていた価値観が剥がれて新しいたのしみ方で映画を捉えられるようになる。

誰が読むかわからんが、もっとわかりやすく話せるので、気軽に声かけてきてね。

ばいあば

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