もう一度、人と向き合う心に触れる ―宮地葵さん―
【感想を送ってくださった方】宮地葵さん
同志社大学4回生
「ミャンマー(ビルマ)の民主化を支援する関西学生ネットワーク」の代表
一の湯♨ゲスト
「兄ちゃんは壮真のこと、分かっちゃわないようにしようと思ったんよ」
弟の壮真くんに、そして家族にカメラを向け続けた兄・高木佑透さんの劇中での言葉。それがどれだけ壮真くんに伝わっているのかは分からないながらも、本音を訥々と語りかけるようなシーンは、何よりこの映画を象徴しているように思えます。
障がいを持つ弟と兄。親子ほど常に側に居る訳ではなくて、けれど来たる未来には一番近しい存在になるはずで、兄弟の間には温かくも不思議な「距離」がある。
そんな「距離」に高木さんがとことん向き合う様が描かれた本作は、私にとって、人と人が関わり合い、共に生きることの困難と喜びをそっと思い起こさせてくれるような時間となりました。
言語が異なる、性別が異なる、宗教が異なる、国籍が異なる、人種が異なる、身体的特徴が異なる。さまざまな違いにより生まれる構造的な差別の中で、きっと誰しもがなんらかの「強者」の立場に置かれます。そして誰かの力になりたいと思う時、どうしたってその誰かと同じ目線に立つことは出来ないのだと悟ります。とてもやるせなく、虚しく、哀しいことでもあります。
それでも「分かろう」とする心。種々の葛藤を抱きながらも、対等であろうとすること。隣に立ち続けること。「分かっちゃわないように」向き合うということが、解の一つであることを示して貰ったように思うのです。
物理的にも、精神的にも人との距離が広がる昨今で、もういちど人と向き合う心に触れる。そんな機会を頂くような映画体験でした。
(編集担当:うえだ)
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【上映委員 クチコミ】
上映委員の間には、蓮本さんをリスペクトした「蓮本さんピース」と呼ばれるポーズがある。私の中で、蓮本さんは上映委員のアイドル、荒木さんは上映委員のマスコットキャラクターだと思っている。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー「僕とオトウト」公式サイト: https://boku-to-otouto.com/
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