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畑と麦と人が育つ場所 - 8年間の活動記録

「イベント」を意識せず、できることを楽しむ。そんな日々の中から、人が集まり、活動が続いていく。8年間の試行錯誤から見えてきた、僕らの集会所の記録。

【はじまりは一回のロケットストーブ作り】


8年前、ただ友人と一緒に作ってみたかった。特に継続する予定もなく、庭先でペール管の底を切ってストーブを作った。

このとき気づいたのは、「みんなで何かを作る楽しさ」。それは計画された「イベント」ではなく、ただの休日の過ごし方だった。

【自然と生まれる活動の形】


ロケットストーブ作りから1年後、空き家のリノベーションが始まった。DIYの作業が進む中、みんなの「やってみたい」が少しずつ形になっていく。集会所の改装が一段落したとき、自然と音楽祭が生まれた。特別な告知はなかったが、口コミで30人ほどが集まった。

4年目には「麦づくし講座」が定着した。大々的な募集はしていない。それでも毎回20人近くが集まる。参加者が参加者を呼び、輪が広がっていく。

【畑から見える景色】


集会所の裏には50坪ほどの耕作放棄地があった。「まずは何か植えてみよう」。そう思って蒔いた小麦が、今では味噌作りにもつながっている。収穫した麦から麹を作り、みんなで味噌を仕込む。できた味噌は一人1キロほど。それぞれの家庭で大切に使われている。

【活動を通して気づいたこと】


集会所のモーニングでは、あえて指示を出さない。シェフへの催促もしない。「やらなければならない」というプレッシャーを作らず、みんなのやる気を待つ。

音楽祭の準備でも気づいた。ステージを組み立て、音響を整える過程で、参加者同士の関係が深まっていく。「イベント当日」より「準備の日々」の方が大切なのかもしれない。

【時間の使い方】


無理なく続けるために、いくつかの工夫がある。

  • 身近な2-3人に声をかける 「一緒にやってみない?」という軽い誘いから始める。

  • すでにある場所を使う 自宅でも、公園でも、集会所でもいい。新しい場所を探す必要はない。

  • 小さく始める 最初の3ヶ月は、月1回、2時間以内の活動から。そこから参加者の様子を見ながら、徐々に形を作っていく。

【これからのこと】


8年続いて分かったのは、「続けよう」と思わなくても、楽しいことは自然と続いていくということ。

必要なのは、新しい場所でも、特別な準備でもない。身近な2-3人と、「やってみない?」という声かけから始まる。今あるものを使って、できることから。

そこに、人が集まり、活動が生まれ、場所が育っていく。

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