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金融リテラシー③未来は予測できるか?(効率市場仮説より)
証券投資論の本を読んでいて個人的に一番興味深いと思った内容です。
まだまだ勉強中ですが、分かったことをシェアできたらと思います。
それではどうぞ!!!
1.この記事で私が伝えたいこと
投資をしてみて自分が買った投資商品が将来上がるのか?下がるのか?はごくごく自然に気になると思います。投資商品の価格が将来どのように変化するのかを予測するための分析手法もあり、このような技術がないと投資は上手くいかないのかと心配になるかもしれません(私も初めは同じ不安を抱えていました)。では、このような分析を用いれば将来の価格は予測できるのかしょうか?投資をする上ではなくてなはならない技術なのでしょうか?効率市場仮説という理論から考えてみましょう。
2.証券理論
①証券価格の変化の要因
証券価格は需要(買い)と供給(売り)の量によって決まります。つまり、多くの投資家が「これから景気が良くなる!!!」と思って買いの姿勢になったら株価は上がり、逆に「これから景気が悪くなる」と思って売りの姿勢に入ったら株価は下がります。判断材料は景気以外にもあります。例えば、融資するさいの金利に影響する金融政策や政府支出に関連する財政政策は企業の事業活動に影響を及ぼします。また、為替相場といった海外情勢も判断材料となります。例えば円安になれば国外からの資材調達の負担が上がる一方で輸出する際の利益は多くなります。
②効率市場仮説(efficient market hypothesis,EMH)
まずは言葉の意味から捕えてみましょう。ここでの「効率」は市場への情報の広まり方が効率的ということです。つまり投資判断をするための情報が発信されたら即座に多くの人に知れ渡り、証券価格に素早く反映されるという意味です。ある投資情報を得て、これから100円の株が105円に値上がりすると予測した場合を考えてみます。ニュースを知った瞬間に100円で買って、105円で売れば利益は出ますが、効率的市場ですと、即座に価格に反映されるので、買おうと思った瞬間に105円になってしまいます。つまり効率的市場では情報分析に基づいた投資戦略で利益を上げ続けることができないのです。効率的市場で利益を上げるためには、ニュースにもなっておらず誰も予測していない情報が伝わったときです。しかし、当然ながら誰も予測していないのでいつ、どのような情報が価格に反映されるのかは正確に分かりません。
3.実際の市場では?
前章では理論を説明しましたが、実際の市場が効率かという議論については「効率的な部分もあるし、効率的でない部分もある」といった曖昧な状況です。例えば、過去のチャートを分析して将来の価格が下がると判断できる情報が含まれている場合、多くの投資家は売りの判断をし価格は急落するでしょう。つまり、流動性の十分ある市場においては価格が反映されやすく効率性が上がります。一方で、アノマリーと言われる市場は効率的でないと主張される現象は多く報告されています。バブル期間中は証券価格が上昇していき、投資家は継続的に利益を得ることができるため、アノマリーの例として考えられます。
4.まとめ
以下、この理論から以下の教訓が得られるかと思います。
・将来の価格がどうなるか
☞分かる部分はあるかもしれないど、分からない部分もある。
・投資のための勉強は有効か
☞予測できない部分がある以上、必ずしも有効とは限らない。
・どの銘柄を持てば良いのか
☞どの銘柄を持てば一番儲かるかという問いに答えは出せない。複数の銘
柄に分散され市場の平均的なリターンを得られるインデックス投資は将
来が予測できない中ではベターな選択である。
参考文献
① 入門・証券投資論 有斐閣ブックス 岸本 直樹 (法政大学教授),池田 昌幸 (早稲田大学教授)/著
②新・証券投資論〈1〉理論篇 日経BPM(日本経済新聞出版本部)(2009/06発売)日本証券アナリスト協会【編】/小林 孝雄/芹田 敏夫【著】