愛する人のために動き、輝いている先輩!
子供が発達障害であるという事実に関して、
妻も私も取り乱すことはなかった。
私個人で言えば、義務教育中においての「2次障害」にまつわることで、日々、気を張っている部分はありますが、子供の発達障害に関して「信じたくない」「受け入れられない」などの戸惑いはありませんでした。というのも、私も妻も、親族や知人に障害を抱える人がいるので特別なことに感じていません。
私には、知的障害を抱える「はとこ」がいます。
子供の頃、母親側の親戚が集まる会へ行くと、所謂、学歴の高い大人たちが瓶ビール片手に人生哲学などを語り合っている中、その面々から離れた隅のほうでチビチビとひとりお酒を飲みながらニコニコしているおじさんが。そのおじさんは「はとこ」家族の3男で、軽度の知的障害を抱えていました。
おじさんは結婚しており、映画『魔女の宅急便』に出てくるおソノさんのようなパートナーと、2人の子供がいます。
お兄さんは、いま、都内で居酒屋の店長として日々、お店を切り盛りしていて、ご結婚もされ、我が家と一緒で子供が2人います。そして、弟さんは、重たい障害を抱えており、障害特性に合わせた仕事をしています。
そんな「はとこ」家族と、私は、小学2年の夏休み、父の会社が管理する別荘に泊まった事がありました。私は、当時4歳だった弟さんの言動や行動をからかってしまい、私より1つ上の超温和なお兄さんが痺れを切らし「弱い者いじめをするなんて最低だな」と思いっきり叱られ大泣きしました。以来、私自身に、決めつけなど歪みが起こった際、この出来事を思い出しクールダウンを心がけています。お兄さんに伝えたことはありませんが、あの時叱ってくださったことは感謝しかないです。
そして、おじさんと弟さんと一緒に暮らすおばさまは70代になったいまも全て自分でしています。年配の人には大変なネット系の手続きなども、ひとりで動くそうです。「私がやらないで誰がやる」がモットーで、いつも元気。笑い声も力強い!母がよく話題に出すため、エネルギーをもらっています。
愛する人のために動ける人生の先輩として、もうひとりエネルギーをもらっている人がいます。それが、2009年に出会い、以来1年に1回ぐらいのペースであっている、ノリさんこと、佐藤典雅さん。
BSジャパン、ヤフージャパン、東京ガールズコレクションなどでプロデューサーをしていた方で著書も多数(ポップでカラフルなアイデアと波乱万丈な人生が綴られていて、どれも面白いです)。現在は、川崎市で「新しい福祉」を展開されていて、ノリさんが代表を務めるアイムは4年連続でかながわ福祉サービス大賞を受賞しています。
https://imhappy.blog.jp/
なぜ、ノリさんが福祉施設を運営されているのかというと、長男のGAKUくんが、重度の自閉症と知的障害を抱えているため。ビジネス視点も入れながらGAKUくんのハッピーを追求していくための活動をされています。しかも【ハッピーの追求】ということだけあって「福祉」に、ユーモアや軽やかさを混ぜて。
また、GAKUくんは画家としての活動もしており、ノリさんはマネージメントサポートもしています。GAKUくんは16歳の時に、岡本太郎さんの作品を鑑賞して、アートに目覚めます。芸術に詳しい人達、全員が全員「センスがある」と太鼓判!そして、美術に精通するかたが先生となり、あくる日もあくる日も画を書き続けるのです。
そして現在、GAKUくんは、ゴディバ、レスポートサック、ザボディショップなど、さまざまなブランドとコラボ商品を展開していたり、ニューヨークで個展が成功をおさめるなどアーティストとして世界的に注目も集めています。詳細は、ノリさんの著書「GAKU,Paint! 自閉症の息子が奇跡を起こすまで」に書かれていますが、これらの成功は、アーティストGAKUとしての絵の実力があってこそ。自閉症としての同情票だけで、これだけの結果を出すことは絶対に無理です。実際に絵画展に行くと、とてつもないエネルギーをもらえます。
https://books.cccmh.co.jp/list/detail/2446/
で、ノリさんが面白いのは、すべて正直に話すところ。書籍「GAKU,Paint! 自閉症の息子が奇跡を起こすまで」を、私が「これまでノリさんが出された本の中で一番好きです」と伝えたら、即座に「でも売れないんだよね、こういう本は。わざと露悪的に書いた本とかはネットのレビューとかで賛否両論が起こって、売れるんだけど、こういうサクセスストリーが混じった自伝系はさ、結局、読んでくれないんだよ。人気者かドラマ化してくれたら売れるかもだけど」と豪快に笑いながら世の中の悲しい真実を突いていた。
ちなみに、この本には、障害とお金の話や、「実力+運」ではなく「実力×運」など、人生勉強になることがたくさん綴られていますので、是非手に取ってもらいたいです。
ノリさん、「はとこ」のおばさんに共通する点。
それは「外野の野次なんか気にしている暇があったら動け!楽しめ!」という太い幹を持っている所。打算なく誰かのために頑張れることを続けている人は人生がカラフルに彩るものなんだと教えてくれます。
とはいえ、おふたりとも心が闇に飲み込まれてしまう日もあるはず。でも、闇が覆ったとしても、笑顔で社会貢献になっていることをしているので、いつのまにか晴れていくのだ。しかも燦燦と。
ノリさんは笑いながら言う。
「自分のエンターテインの夢は時間がかかるけど、GAKUのことはどんどん叶うんだよ」と。
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