「〇〇は全米で一番危ない街」
なんでも一番がありがたがられるアメリカだからか、これまで「〇〇は全米で一番危ない街」と地元の人がいうのをこれまで十数か所聞いてきて段々一番って言いたいだけじゃないのかとその信ぴょう性を疑うようになり、つまりそういう話をナメてかかるようになってしまった。
つい先日行った割とのどかなオクラホマ州第二の都市の空港近くの聞いたこともない街を指して、俺の出張を案内してくれた地元にいる社員が「あそこは全米で一番危ない街だ」と険しい顔でそう語っていたが「出た…」というよくない態度でそれを聞いてしまった。
ミシガン湖の南、インディアナ州とシカゴのあるイリノイ州の間あたりにあるゲイリーという湖のほとりの街にマイケルジャクソンの生家があると聞いて出張の帰りに車でフラッと行こうとした事があった。ジャクソンファイブが「インディアナへ帰ろう」と歌った場所は恐らくここだろう。しかし地元をよく知る社員に「ゲイリーは全米で一番危ない街だ」と言われて断念した。何がインディアナへ帰ろうだ、危なく騙されてやべえところへ帰ってしまうところだった。そんな気持ちだった。
しかしその少し後に彼は「シカゴの南は全米で一番危ない」と言っていたので「またか…」とよくない態度でそれを聞いてしまった。
本当に危ない街が分からない。大体俺は全米で一番危ないとされるデトロイトの近郊に住んでいる。恐れることはない。インディアナへ帰ろう。
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