トップコンビ、燃ゆ。
宝塚歌劇団にしか存在しない特別な存在、それこそがトップコンビ。どの時代も各組の顔であるトップコンビにより様々な作品、周りを囲むスターの顔ぶれ、更には当時の時代背景までも浮かんでくるようなまさに〝時のヒト〟
いろんなトップコンビを見てきました。そして魅了されその時代の宝塚歌劇を彼女たちを通して愛でてきました。
トップコンビにハマるコンビ萌えという言葉がよくあります。私が過去一番好きだったコンビは…
まさちゃぴです。
パッサァコンビのようにわかりやすくラブラブではないのですがずっと忘れられない甘酸っぱいトップコンビでした。
1匹狼のような真咲さんに仔犬のような無邪気なちゃぴが大好き大好きと走り回ってその仔犬をしょうがないなぁと言いながら可愛がり守っているその姿がなんとも愛おしく…。仔犬のちゃぴもまた誤解されやすく勘違いされてしまう真咲さんを命張って守り抜き、最後は真咲さんの意志を自分が次いで月組の女神となったあの二人の時代の月組は今まで感じたことの無い胸を熱くするものがあった。添い遂げ退団の美学を貫いて欲しかった反面、今となれば結果オーライだった。
今、柚香光さんという時のヒトと巡り合った。
そして、れい華というトップコンビに胸を鷲掴みにされた。
これまた経験の無い新しい〝燃ゆ〟だった。
2人があまりにもガラス細工のように儚く繊細で…守りたい…守らなければ…。そんな母性心をくすぐるコンビでした。そしてただただ美しく静かだった。2人の世界が広がると、静かに涙を落とすような。劇場一体の空気を動かすことのできる演技力。物凄く稀少価値なトップコンビ。この2人があまりに短い時間で終わりを告げ、私のなかではどこか夢か幻のような記憶となっている。それでも確かに壮大な宝塚歌劇の歴史の1ページに刻まれた大切な誇り高きトップコンビだ。
そして、今、また新たなるトップコンビが生まれた。
れいまど。
ぶっちゃけるとあまりにお似合いすぎてピッタリすぎて普通すぎて…この2人が初めから一緒にトップコンビになってたらこんなに好きになっていなかったかもしれない。
別々に歩み、大輪の花が咲き始めたその先のご縁で巡り合った運命に鳥肌が立った。そして異例の人事で数々の非難を浴びながらも2人で高みを目指し驚くほど成長し進化し続けるその姿に…ただただカッコいいと平伏したくなるのです。
でも2人は舞台以外で表立って萌えエピソードとか言わないしラブラブな雰囲気を醸し出したりしない。ただ、いっつもコーディネートを揃えてきたり二人が会話している姿を拝見する度に仕事をするパートナーとして相性が良いんだろうなぁと感じる。
そして舞台上での二人はお互いにお互いしか見ていないくらいのヘビー級ラブ。
それは演じているというより心身から自然と溢れ出るような…押しつけの全くない純粋な愛。
会話をするような自然さと信頼し合い寄り添って互いが互いにやりやすいよう動ける賢さを持ち合わせている二人だからこそのコンビネーション。そして与えられる大きな課題を二人で乗り越えていくことが辛くても楽しそうに見える。
れいまどは今まで見てきたたくさんのトップコンビの良いところを全部詰め合わせたようなハイブリッドトップコンビ。
とにかくバランスが良い。
ザ、ゴールデンカップルのように讃えられないかもしれないけれど、この二人はきっと熱くなりすぎることも冷たくなることもなく良い湯加減を保ち走り続けることが出来るのではないかと感じる。
二人の率いる花組の時代に出会えたことに感謝。
移りゆく時代を彩り司る象徴となり観客の心を震わせるようなそんなトップコンビにこの先も出会い続けたい。