電脳ナポリ開催二日前、(中川ひちゃゆき)
電脳ナポリがあと二日で開催される。
配信含めて120人下回るとそのライブで中止となってしまう。
劇場に行っては、売れ行きを確認してしまう。
あと二日で13枚売れないといけないという大変追い込まれた状態だ。
芸人たちも私があまりにも告知するので、みんな、電脳ナポリがどう言うものなのか知っている。
頑張って、告知しても、チケットがどうしても伸びない。
かなり凹む。
中川は話しかけてきた。
「ナポリさん、チケットあと十枚くらい足りないらしいですよね?僕、2枚なら買って行きます。」
ありがたいが、後輩に迷惑をかけるわけにもいかない。
誘いを断った。
しかし、
本当にありがたい言葉だった。
涙が出そうになった。
しかし、よく考えてみた。
中川は、今、彼女のヒモである。
お金は中川が出すのだろうか?
聞いてみた。
「中川は今、ヒモ生活をしてるねんな?お金はどうするん?」
中川は
「彼女のお金で行きます」
と答えた。
ヒモの漢気あふれる堂々とした言い方だった。
冗談だったのだろうか?それとも、本当に彼女に払ってもらう気だったのだろうか、、
断って正解だったと思う。