ずっと通っていた床屋さんが潰れる

私には行きつけの床屋さんがある。

もうかれこれ、8年以上は通っている。

そんなに通ってるのに、店員とは一切会話をしない。

昨日も、その床屋さんに髪を切りに行った。

店前に張り紙がされてあった。

18年間続いたこの床屋さんが三ヶ月後、閉店するらしかった。

残念と言う気持ちと、どこで私は髪を切ればいいのかわからないなぁと二つの思いを抱きつつ店内に入る。

いつものように整理券をもらい、椅子に座って待つ。

数分すると、呼び出された。

いつもの店員が髪を切ってくれる。

髪をどこまで切るのかの確認をする。

正直、『いつもの』と言っても通じるのではないかとも思う。

いつもは十分程度で終わる。

しかし、今回は少し時間がかかった。

店員が喋りかけてくる。

『前髪の生え際、ここだけ、逆方向に生えているので、ここ、取りましょうか?』

なぜ、閉店三ヶ月前に言ってくるのだ。

最後、店、潰れるからって冒険しに来たな。

私は床屋さんの言っていることは断りきれない性分なので許可する。

バリカンで前髪がなくなる。

違和感もないし、こっちの方が髪が綺麗に流れる。

こっちの方がよかった。

店員さん、いつから前髪取っといた方がよいと気づいてたんや。

8年通ってたんやぞ。

めっちゃいいやん。

ほんで潰れるんかい!次の別の店でなんて言ったらええねん!!



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