ドパミンD2受容体過感受性精神病とネガティヴ感情の同一性①抗精神病薬副作用の個人差
スピパラ通信 第17回
ドパミンD2受容体過感受性精神病(DSP)は、抗精神病薬によるドパミンD2受容体のアップレギュレーション(神経伝達物質やホルモンなどへの応答能が増大すること。それらの物質や信号が減少することで、受容体の数が増加したり、感受性が過敏になったりして生じる。)に起因する。
多剤や多量・高用量の抗精神病薬の投与によって、薬の作用に対する耐性が形成された状態であり、大多量の抗精神病薬によってドーパミンD2受容体が上方制御され、抗精神病薬の減量や中断によって超特急で悪化した精神症状が見られることが特徴です。
適正な抗精神病薬の使用が要求される状況であり、治療抵抗性統合失調症の一因とも考えられており、統合失調症患者の不安定な精神症状と関連しています。
治療抵抗性統合失調症の約半数が、DSPであるともいわれています。
同容量の投与があっても、DSPを引き起こす場合と、引き起こさない場合の違いは、薬剤に対する個人の耐性の違いと考えられます。
医薬品全般にいえる副作用の発症には、特定のヒト白血球抗原(HLA)が関わることが各機関の研究によりわかっていましたが、DSPと同じく、特定のHLA保有者が必ずしも副作用を発症するわけではありませんでした。医薬品による副作用の個人差を生み出す要因として、医薬品が生体の免疫を活性化する現象に加え、その対となる免疫抑制システムの大小もが関わっていることが報告されているように、薬剤に対する耐性の個人差が、精神科領域での患者増加の原因ではないかとの疑問を否定することはできないと思います。
次回はDSPのネガティヴ感情への作用を童話風のお話で説明します。
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