(チラ裏レビュー) 父のなくしもの/松田洋子 (漫画 2019年)

※)これは”チラ裏”レビューです。あまり十分な推敲もしておらず、本来はチラシの裏にでも書いて捨てるレベルの駄文ですが、ここに書いて捨てさせていただいております。この先は期待値をぐっと下げて、寛容な気持ちでお読みください。ではどうぞ。

作品名:父のなくしもの/松田洋子 (漫画 2019年)
評価:★5(★★★★★)
リンク:https://www.amazon.co.jp/dp/B07TLRZ335

 この漫画、めちゃ名作だと思う!映画化にも向いてそう。

【概要 (Amazon商品ページより)】 かつては海ほど大きく感じた父親は、どうしようもないさみしさを抱えた、ひとりのちいさな男だった。家族、故郷、仕事、若さ、記憶、感情……手の平から少しずつ零れ落ちていくように、大切なものをなくしていく父。その人生と、別れを描いたエッセイコミック。

【表紙の紹介文】 いい父親じゃなかったし、いい娘になる気もなかった。いい家族なわけじゃなかった。だけど最後にやってきたとてもいい時間はあった。

Amazonのサジェストに出てきて、表紙の絵と紹介文に惹かれて購入して読んでみたら、すごく良かった!

作者(ヒロコ)の家族ストーリーを、父親を中心に描いた作品。はじまりはヒロコがまだ幼児で父親が若い時代のエピソード、おわりは父親が老いて亡くなるエピソード。

この家族のストーリーは到底”美しい”とはいえない。むしろ粗雑で汚い。だって、父親が経営する工場の経営難のため(?)に夜逃げしたり、母親が父親とケンカして家出したり、家の中を飛び交う言葉も乱暴だ。しかし、根底には優しさがあって結びついている。

なんか、是枝裕和監督の映画「万引き家族」の家族観と似ていると思った。「万引き家族」の”お父さん(演:リリー・フランキー)”は「おれらはココ(心)で繋がってんだよ」と言う(その後、「ココ(下半身)じゃねぇんだよ」という余計な一言が入るが笑)。そう、どちらの家族もお金がなくて粗雑なんだけど、ちゃんと根底にある優しさで結びついている。私はこういうのに弱い。

映画「嫌われ松子の一生」も連想した。あの映画って「愛すべきおバカさんの一生」を描こうとして失敗して結局ただのヘンテコなコメディになってしまったのだと私は勝手に思っていて、本作はまさに「嫌われ松子の一生」が本来目指していたお話だ。本作の父親は粗雑で、いい父親ではなくて、世渡りが下手で、寂しがり屋で、だけど実は優しくて、、、そんな父親が一生懸命生きて、そして死んでいく姿はとてもいじらしくて愛おしくて美しい。私はこういうのに弱い。

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