(チラ裏レビュー) いつかティファニーで朝食を/マキヒロチ (漫画 2012年〜2019年)(全14巻)
※)これは”チラ裏”レビューです。あまり十分な推敲もしておらず、本来はチラシの裏にでも書いて捨てるレベルの駄文ですが、ここに書いて捨てさせていただいております。この先は期待値をぐっと下げて、寛容な気持ちでお読みください。ではどうぞ。
作品名:いつかティファニーで朝食を/マキヒロチ (漫画 2012年〜2019年)(全14巻)
評価:★4(★★★★☆)
リンク:https://www.amazon.co.jp/dp/B074CGRYTF
コミックバンチで2012年から2019年まで連載されていた人気作品。コミックバンチは今年(2024年4月)からWeb媒体化して「コミックバンチKai」となり、「リバイバル連載」という企画でこの作品を再連載しているらしく、それがTwitterで流れてきたので読んでみて、続きが気になったので中古で全巻揃えて読んでみた。面白かった!
4人の女性(麻里子、典子、リサ、栞(しおり))の20代後半〜30代前半の物語。第1巻では28歳、最終巻の第14巻では34歳くらい?この年代の女性の迷いを丁寧にリアルに描いていて面白かった。テーマとしては東村アキコの「東京タラレバ娘」に似ているが、タラレバは居酒屋飲んだくれ/ティファニーは朝食、タラレバは笑えるギャグ多めだがストーリーが茶化されてしまう一面もあるが/ティファニーはギャグで茶化されるようなことがないのでストーリーに集中できる、という違いがある。
(以下ネタバレあり)
男の人生と女の人生、どっちのほうが大変という単純な比較はできないが、この年代の女性は育児と仕事どっちに行っても迷いが消えないのは大変だ。4人の中で唯一、第1巻の時点で結婚して二児の母で専業主婦をやっている栞は仕事や自由な恋愛を欲し、他の3人は仕事や自由な恋愛を楽しみながらも結婚に憧れる…無いものねだり。
好きな場面は主人公の麻里子が失恋するところと、片思いが成就するところ(結局あっけなくそれもダメになってしまうのだが)。アラサー女性の失恋は思春期の恋愛とは別の意味で切実でとても切なく、心を揺さぶられた。
「いいな、私も幸せになりたい。私も誰かに愛されたいの」(第10巻リサの結婚式でのモノローグ)
仕事や恋愛以外にも、実家で長く飼っていた犬が死んでしまったりとか、老いていく両親との関係とか、この年代はドラマが豊富だ。しかも4人の主人公でいろんなパターンの家族関係や生き方を描けているからおもしろい。作者はたくさんの友達に取材したのだろう。作者のマキヒロチさんの性別が気になっていたが、第9巻の巻末インタビューで女性と知った。オトコの人生はもっと単純でパターンが少ないので、男性の作者が男性を描くのだとなかなかこうはいかない。女性の人生は、男性の人生に比べて多様だ。
各話に”おいしい朝食”が出てくるが見慣れない料理の場合はイメージがしづらくて、結構読み飛ばしてしまった。カラーイラストで見たかったかも。表紙と裏表紙のカラーイラストが素敵だったのでなおさらそう思った。