(チラ裏レビュー) 国史教科書 第7版 中学校社会科用 分冊1/5 (原始・古代編)/竹田恒泰 (本 2024年)

※)これは”チラ裏”レビューです。あまり十分な推敲もしておらず、本来はチラシの裏にでも書いて捨てるレベルの駄文ですが、ここに書いて捨てさせていただいております。この先は期待値をぐっと下げて、寛容な気持ちでお読みください。ではどうぞ。

作品名:国史教科書 第7版 中学校社会科用 分冊1/5 (原始・古代編)/竹田恒泰 (本 2024年)
評価:★5(★★★★★)
リンク:https://www.amazon.co.jp/dp/B0DJ8JMDQC

 【概要 (Amazon商品公式ページより)】

竹田恒泰が6年の歳月をかけて執筆・編集し、令和5年度の文部科学省の検定に合格した令和書籍刊行の話題の歴史教科書『国史教科書 第7版』が、【分冊版】として電子書籍化されました。 「分冊1」ではぺーパー・オリジナル版『国史教科書 第7版』の「序 国史を学ぶにあたって」「第一章 原始」「第二章 古代」などを収録。 『古事記』『日本書紀』が伝える「国生み物語」や「天孫降臨」、我が国を建国した神武天皇など、従来の教科書では扱われることのなかった日本の建国神話や天皇の誕生にも言及。考古学と歴史学双方の成果から説明する「第一章 原始」は、本書最大の見どころの1つです。 日本人のための歴史教科書をめざした「国史教科書」は、従来の教科書ではタブーとされる、日本に誇りを持てる歴史的逸話を収録、楽しみながら学べる読み物に仕上がりました。それでいて最難関の高校入試問題にも対応する類を見ないレベルの高い内容です。

今年(2024年)初めて検定に合格したにもかかわらず「第7版」となっているのは、合格するまでにそれだけ版を重ねたからだ。竹田恒泰先生のブログ(2023年4月の記事)を見ると、検定に相当苦労したことがわかる。

「『不合格教科書・第5版〜ほぼ合格の完結版』発売開始! 巻頭記事を無料公開!」 https://ameblo.jp/takeda-tsuneyasu/entry-12798088159.html

>平成30年(2018年):平成三十年四月に文部科学省の教科書検定に申請した。しかし、同年十一月に文科省から「検定申請図書に係る検定審査不合格の理由の事前通知について」という通知を受けた。欠陥箇所を通知する書面では個別の記述に対する指摘はなく、一〇項目について「全体」として欠陥を指摘するのみの二ページに収まる分量だった。印象としては門前払いに近い。我々は申請自体を取り下げ、『中学歴史 平成30年度文部科学省検定不合格教科書』(令和書籍)との名称で、一般書籍として上梓した。
>令和元年(2019年):令和元年に新学習指導要領が施行され、「第二版・令和元年度版」を平成三十一年四月に文科省に提出した。ところが再び不合格となり、前年同様、欠陥箇所の通知の書面では六項目について「全体」の欠陥が指摘され、やはり個別の内容についての指摘はなかった。二度目の門前払いである。
>令和2年(2020年):教科書検定で不合格となった出版社は、翌年度に再度、検定を受けることができることから、修正した「第三版・令和二年度版」を令和二年六月に文科省に提出したが、三度目も不合格になった。ところが、三回目(令和二年度版)では、六〇五項目の具体的な欠陥箇所の指摘があった。一回目と二回目は全体の欠陥箇所の指摘が一~二ページの紙にまとめられていただけだったが、三回目は七四ページにわたって個別の欠陥箇所が指摘された。検定三回目にして、初めて具体的な欠陥の指摘を受けるに至ったことになる。 ところが、手渡された欠陥箇所の指摘を読んでも、意味がよく分からない項目が多く、不明な点については教科書調査官に質問してよいと言われたが、その時間は書類を手渡されてから三時間に限定されていた。六〇五項目について一分ずつ質問しても十時間以上となるため、目に留まった項目を矢継ぎ早に質問してみたものの、尋ねきれない項目を多く残したまま三時間が経過してしまった。そこで、まだ聞けていない項目について質問する機会はないかと問うたところ、この三時間を除いて質問はいっさい受けつけないとのことだった。教科書検定審査要項によると、一〇〇ページあたり一二〇カ所以上の欠陥を指摘された申請図書は、年度内の再提出が認められない。我々が提出した申請図書は、その数を超過していたため、同年度中の再提出は認められなかったが、翌年の再提出により合格を目指すことにした。
>令和3年(2021年):我々は修正を施し、四回目となる「第四版・令和三年度版」を、令和三年六月に提出した。これについては、二六六項目の欠陥箇所の指摘があったが、一〇〇ページあたりの欠陥箇所が一二〇以下だったため、年度内に修正表を提出できることとなった。補足説明を受ける場が設定され、与えられた二時間半の間で調査官に質問したが、やはり時間切れとなった。しかし、不明な点があれば電話で調査官に質問してもよいと告げられた。当初は、具体的な欠陥も伝えられず、電話もメールも受けつけないという境遇だったが、四年目にして、初めて「人」として扱われたような気がした次第である。 欠陥箇所が伝えられたのが十一月二十五日、一次修正表の提出が一月五日で、約一カ月の間に二六六項目を修正する必要があった。十二月には何度も文科省に電話して、調査官から欠陥内容を詳しく聞き取り、なんとか修正表を期日までに提出した。しかし、問題はそこから先である。一月二十八日に文科省から連絡があり、一次修正表の欠陥箇所を「電話」で伝えるとのこと。その数も多く、週末を除いた四日間(約二十時間以上)を費やして、ようやく二月二日に聞き終えた。だが、修正表の再修正が許されるのは二月九日までであり、一週間の間にすべての欠陥箇所の修正を二次修正表に反映させなくてはならなかった。当社からは修正案を調査官にメールで送り、その可否を聞いて修正案をまたメールで送ることを繰り返した。 (途中略)結果としては、すべての欠陥箇所について調査官と修正のすり合わせができていたにもかかわらず、修正表の編集ミスと、修正表の書き方の体裁上の問題により四一箇所の欠陥箇所が残ったかたちになってしまった。規則では再提出は二回までと定められているため、令和四年度の提出はできない。令和五年度の教科書検定に再挑戦する所存である。二次修正票の修正を施し、全体的に大幅に加筆修正したのが(第五版)である。

本書冒頭の 「『国史教科書 第7版』(検定合格 市販版)刊行に寄せて」には、第6版と第7版がついに令和5年度(2023年度)の教科書検定に合格した報告と感謝の言葉が書いてある。

【『国史教科書 第7版』(検定合格 市販版)刊行に寄せて(本書冒頭より)】

>文部科学省の教科書検定に最初に中学校の歴史教科書を申請してから、四回連続で不合格となり、その五年の間に、初版から第5版までの『中学歴史文部科学省検定不合格教科書」を毎年発売してきた。しかし、令和五年度の教科書検定で第6版と第7版が、修正を加えたうえで合格となり、苦節六年の歳月を経て、ようやく中学校の歴史教科書として使用されることになった。そこで、学校での使用開始に先駆け、合格版(「国史教科書第7版」)を一般書籍として発行する次第である。教科書を作るために設立した零細の出版社が、ここまで継続してこられたのは、毎年発売する「不合格教科書」を買い求めてくださった読者の応援の賜物であり、この場を借りて御礼申し上げたい。 教科書検定は、文科省の事務官だけでなく、各分野の専門知識を備えた大勢の調査官により行われる。申請図書はこれまで数多の検定意見(陥箇所の指定)を受けてきたが、私たちは、従来の常識に沿って書き換えたり、削除したりするのではなく、言葉を補うことで「私たちの意図する記述を残す」という方針で取り組んだ。その結果、版を重ねるたびに分量が増え、ページ数が大幅に増加することになった。 なかには納得のいかない検定意見が付されることもあったが、「誤解するおそれのある表現」「理解し難い」という指摘の多くは、順当なものであった。私たちは試行錯誤を繰り返して、誤解されない文章、理解しやすい文章を書くことを目指してきた。その結果、検定を通じて、より良い教科書にたどり着いたのではないかと思う。

「指摘の多くは、順当なものであった。」と竹田恒泰先生。

左翼系のニュースサイト「リテラ」の2019年6月の記事「竹田恒泰『中学歴史 検定不合格教科書』の間違いが酷い! 大日本帝国憲法はワイマール憲法を参考…ワイマールは30年後なのに」

https://lite-ra.com/2019/06/post-4788.html

では『中学歴史 平成30年度文部科学省検定不合格教科書』が間違いだらけだとこき下ろしていて、左寄りの主張が鼻につくが、そこに目をつぶって読めば書いてあることはそう的外れではなかった。右寄りのブログなどを読むと、2018年〜2021年の教科書検定不合格の経緯は当然「文科省の嫌がらせ」という論調で書かれている。きっとどちらの言い分もそれぞれに一理あるのだ。

ともかく最終的には、竹田先生が「刊行に寄せて」で述べている通り、愛国心のあまり盛りすぎていた表現に厳しい目で修正が入り、より洗練された教科書に仕上がったということだろう。6年の歳月をかけて教科書検定合格まで持って行った竹田先生はもちろん、最終的に審査に協力した文科省にも賛辞を送りたい。本当に素晴らしいことだと思う。

教科書の内容も面白くて満足している。神話の内容が紹介されているのも新鮮だし、「日本の磨製石器は世界最古」の記事も初めて知ったし、各時代の中国大陸・朝鮮半島の情勢も紹介されているのもわかりやすい。続きも購入する予定。

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