(チラ裏レビュー) 劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~』 (映画 2023年)
※)これは”チラ裏”レビューです。あまり十分な推敲もしておらず、本来はチラシの裏にでも書いて捨てるレベルの駄文ですが、ここに書いて捨てさせていただいております。この先は期待値をぐっと下げて、寛容な気持ちでお読みください。ではどうぞ。
作品名:劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~』 (映画 2023年)
リンク:https://www.amazon.co.jp/dp/B0CMXZQ1C4
評価:★1(★☆☆☆☆)
2023年の劇場公開時、結構ヒットして、結構評価も高かった作品。2024年4月、Amazonプライムビデオの無料特典に来ていたので見てみた。なお、そのときのAmazonプライムビデオ内ランキングでは8位!人気の作品!
原作のテレビドラマは未視聴だったが、過去の出来事の振り返りも差し込まれる構成なので全く置いていかれることはなくストーリーについていけた。字幕機能も繰り返しセリフの主の名前を表示してくれるので助かった。
この作品、見はじめたら冒頭からずっとツッコミが止まらずあまりに面白すぎた。なので1人での鑑賞をやめて、日を改めて友人と一緒に酒を飲みながら大爆笑でツッコミを入れながらの鑑賞会に切り替えた。
ツッコミを入れながら鑑賞したおかげで楽しめたのだが、映画としてはとても評価できるものではないし、後述のようにちょっと承服しがたいメッセージを含んでいるので私の本作への評価は★1(★☆☆☆☆)とした。
本作冒頭、空港での旅客航空機火災が発生。東京MERチームが炎に包まれている旅客機の中に乗り込んで、その場で医療行為を始める。いや、一刻も早く脱出しないと火災で死ぬでしょ。2024年1月に羽田空港で発生した旅客機の火災が記憶に新しいので炎上する旅客機の中に医療チームが入っていくという行為の異常さがすぐにわかるが、そうでなくても常識的に考えればあり得ないということがすぐにわかりそうなものだが…。
そして本作のメインイベント、横浜ランドマークタワーのビル火災が発生。東京MERと今回の敵役の横浜MERが「ビルに乗り込むべき」「残るべき」と対立するが案の定、中層階が燃えているビルの上層階に東京MERが乗り込むことに笑。これも、あんなに延焼していたら普通に考えてもう手遅れ、炎より上の階に取り残された人は99%助からないと感覚的にわかりそうなものだ。2001年のニューヨーク・ワールドトレードセンタービル火災と同様にランドマークタワーが完全に倒壊するおそれもあると思う。
とにかくどちらも火災の恐ろしさを舐めすぎていて全くストーリーに乗れないし、観客に誤った知識を与えているという意味でも罪が思い。
横浜MER「我々は医者です。救助はプロに任せて運ばれてきた傷病者の救助に徹するべきです」
東京MER「待ってるだけじゃ救えない命があります」
作品中では東京MERが正しくて横浜MERがヒール役みたいな扱いなのだが、どう考えても横浜MERが正論だろ笑。
ラストは「今回のランドマーク火災事故、死者は…ゼロです!」でヨカッタヨカッタで終幕。日本人って言霊信仰とか穢れを嫌う信仰とかがあるせいか損失を目標に織り込んでコントロールすることができず、ゼロを目指した結果かえって大きな損害を被るという愚行を歴史上に何度も繰り返しているが、この映画はそんな”ゼロ信仰”を全力肯定する映画。エンタメとはいえ、この映画は日本にとって害悪すぎる。
主人公の医師・喜多見(演 - 鈴木亮平)の口ぐせ「(相手の言うことに同調して)…ですね。」も気持ち悪い。いつもニコニコ相手に合わせてばかりで、令和のコンプラ社会に適応した成れの果てってこんな人間なんですかね。
Amazonのレビュー評価は高く、★4.5。私のようにこの作品のリアリティのなさにツッコミを入れて低評価をつける人もいるものの、大多数は素直に本作のストーリーを受け入れて心から楽しんだり感動したりしているようだ。狂っているのは私の方なのだろうか。