カフェの向かいにいた、二人の恋が始まりそうな話。
カフェで作業していた時のこと。
なんてことない、向かいの男女の会話。
(女性)「いや~、私、ここに頻繁に来るようになったんですよね~。」
その2人の方が先に座って話していたため、途中からだったけれど、なんだか元々知り合いのようだった。
(男性)「そうなんですね~。お仕事とか忙しそうなイメージですが、大変じゃないですか?」
知り合いのようではあったけれども、そこまで深いつながりでもなく、あまりお互いのことは知らない感じ。敬語だし、リアクションも考えてとっている感じで、緊張感は若干2人のなかで共有しているのが分かる。
(女性)「まあ、大変ではあるんですけど、やりたいことやろうって思ったら、ここに来るようになってましたね~。仕事は職場でしないといけないんですけど、仕事以外のことはこっちに来てやってますね~。」
なるほど、なるほど。自分の仕事とは異なることをしてキャリアアップを考えている、努力家タイプの人か。男の人も、分厚いビジネス書を読んでいるとろから考えるに、結構、まじめで意欲的に物事に取り組むタイプと見た。そして、この感じだと、➀事実をありのままで話しているか、➁マウントを自然ととっているか、③気があるか。のどれか。だな。勝手な推測だけど。。。。(笑)
(男性)「そうなんですね~。すごいっすね。実は僕もここを週2回くらいで利用しているんです。奇遇ですね。」
ここで意外な展開。
”実は私もここを利用しています”作戦である。
この言葉の裏には、
”もしかしたらまたお店で会うかもしれませんね。そしたらまた会話できますね。”
の意味が内在している。(気があればの話だが、、、)
果たしてこの男性は作戦の伏線は回収できるのか。
(女性)「へぇ~、一緒ですね!意外ー。嬉しいなぁ。時間によってはもしかしたらまた一緒になるかもしれないですねー。」
女性は相変わらず、”ご一緒できてうれしいです。”を頑なに伝えている。
今思えば、座る席が40弱あるこの広いカフェスペースで、混んでもいないのに、隣に座っている。他の客は隣を敢えて空けるか、他の人とは別の席に座っているのに、、、
これは、、、。
(男性)「僕は19時くらいからいるんですけど、何時くらいにいますか??」
はい~。でました”この時間でお会いしましょう”作戦。
このことばの裏には、
”この時間に僕はここにいるので、後はあなたが来れば物語はまた動き出しますよ”
と意味が隠れている。
物語はもう動き出している。ゆっくりと。
よく見たら、顔もいつしか上がって、うつむきがちだった二人も目線を合わせて話すようになっている。
良い感じである。
(女性)「えぇー!私もです~!嬉しいな。じゃあもしかしたらまた会えるかもしれませんね。」
これはこれは、聞いているだけでもにやけてしまいそうな会話。
ここまで順調に話が進むのもすごいなーと思いつつ、話に耳を傾ける。
その後、女性が一足早くお店を後にして、会話は終わった。
ひょっとすると、この二人には一足早く、春が来るのかもしれない。
そんなことを思った午後8時のカフェ。
2人の薬指には指輪がつけられていた。
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