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異世界魔王ライフ、第2話。運命レジスタンス始動

【前回までのあらすじ】

前世で、最悪な人生だった俺σ(・ω・。)

女神(こいつ)の策略で、異世界転生魔王に、
半ば強制にされてしまった(´;ω;`)

転生先の魔王城では、
魔王を倒す勇者は現れなくて、
ただ、暇な時間が続いていた……

…………再び、転生先の魔王城…………

俺はつぶやいた。

俺『で、だ。』

幹部A「はい?どうされましたか?魔王様。」

幹部の子分A(仮)は答えた。

目の前には、
他にも3体、
幹部と呼ばれでるヤツが居る。
まずは、コイツらからだな……

俺『お前らに、俺が名前を付けようと思う』

幹部達は、俺の急な発言に驚いていた。

幹部A「!?工エエェ(゚〇゚ ;)ェエエ工!?
あの、面倒くさがりの魔王様が??」

幹部B「天変地異の始まりか??」

幹部C「もうおしまいだーーー」

幹部D「人生よ、サラバだ」

……コイツら、俺をなんだと思ってんだ。

とりあえず頭にきたので、
一人(1匹?)に1発ずつ、グーパンした。

俺『元々はオマエらが、
名前で呼んで欲しいって、言ってたんだろ?
(第1話参照)』

幹部A「はい。その通りでございます」

俺『お前らの望み、叶えてやるよ』

そう言うと俺は、次々と命名していった。

俺『まずは、よく話してるお前。
お前は幹部統括してるから、シグマね。』

シグマ(以後∑)「有難う御座います!
このシグマ、魔王様に付いて行きます」

俺『で、残りは……右から、
アルファ(以下α)、ベータ(以下β)、ガンマ(以下γ)
異議は認めません。』

α、β、γ「なんか私達って、
適当に名前を付けてませんか?」

俺『気のせいだ。
それと俺にも、名前を付けよう。』

いちいち魔王様って言われんのもメンドイし、
どうせなら、良い名前にしたい。

うーん(._.)魔王って、敵を倒すんだろ?
倒す……kill……キル……キール……これだ!!

俺『よし、今日から俺の事は、
キール様(以下俺)と呼ぶがいい!!』

∑「おお、良い名前でございます。」

α、β、γ「まぁ私達は、
名前を貰ったから、
別に言うこと無いんだけどー。
なんか、キール様って、
もしかして、格好つけてます??」

俺『言うな。
自分で言うのも何なんだが、
名前を付けてる自分が、
恥ずかしいじゃないか(/ω\*)』

本当は、
もっと厨二病っぽい名前にしたかった……
なんて言える訳無いだろ?
それこそ、末代までの恥ってもんだ。

シンプルイズベスト。
これぐらいがちょうどいい

俺『オマエらの望みを叶えてやった。
んで、今度は、俺の願いを聞いて欲しい』

∑「何ですか?急に。
嫌な予感がするのですが……」

どうしてもやりたかった事。それは……

俺『街に行こうと思う』

幹部達「いよいよ、人間界に襲撃ですな!」

いきなり物騒だなぁ。おい、却下だ。

俺『ヾノ・ω・`)イヤイヤ
襲うんじゃない。街に住むんだよ。
魔王という正体を隠して』

∑「それは困ります!!
魔王不在のこの城は、
どうするおつもりですか!?」

俺『それはホラ、
俺のチートスキルでなんとかするよ』

えーっと、なんか無いか……これは……人体複製?
コピーロボットみたいなもんか。うん、使える。

俺『人体複製魔法〜。(詠唱略)えいっ!!』

俺が呪文を唱えると、
俺とソックリなヤツが現れた。
姿かたちは一緒だが、
カルマ(業)の数値が俺より低い。
今の俺なら、簡単に倒せるみたいだな。

俺のコピー「お呼びでしょうか?魔王様」

俺『お前。今日から魔王(仮)な。
それと、俺の事はキール様と呼ぶ様に。』

コピー改め、魔王(仮)「仰せのままに。
キール様。」

俺『補佐役としてシグマ、
コイツ(仮魔王)を俺だと思って、
しっかり教育しといてね』

∑「それはいいんですが……
おひとりで街に住むつもりですか?」

口うるさいシグマとオサラバして、
一人で異世界ライフしようと
思ってたんだが。

∑「この世界の事、
常識知らずの世間知らずのキール様が、
たった一人で?」

俺『分かった分かった。降参。
誰か、護衛を連れて行けば良いんだろ?』

∑「左様で御座います。
本来ならば、
この私がついて行きたいのですが……
それは、魔王様(仮)のお守りと、
城の維持とか雑務で無理ですから。
最も人型に近いアルファで宜しいかと。
聞いておったな、アルファよ」

α「聞いてたよー。
キール様のお守りをすれば、いーんでしょー?
暇つぶしにもなるから、別に、えーよー。」

なんかフランクに話すヤツだったんだなコイツ。
お説教ジジイのシグマよりマシか。

∑「コホン。
アルファは幹部随一の魔力を持っておる。
ただ、品位が無いがのう?」

でしょうね。
知ってた。

∑「それと、魔王城への連絡役兼
キール様へのサポート役として、ベータ。
頼んだぞ。」

β「御意(`-´)ゞ」

∑「魔王軍の統率、対人間対策には、
ガンマ、頼んだぞ」

γ「任せとけって!!」

∑「これで宜しいでしょうか?キール様」

俺『それでいいよ、それで。』

なんか俺抜きでも、機能するんじゃね?
この魔王城は。後は任せるか。

俺『んじゃ、行ってk……』

∑「お待ち下さい!!キール様。
どちらへ行かれるのですか•́ω•̀)?」

俺『ここから歩いて、
近くの適当な街に行こうかと……』

∑「それは無理です。キール様」

俺『何でよ!?』

α「無知なキール様に教えてあげる。
ここは魔王様直轄の、カルマ(業)の溜まる場所。
ここまでは分かる?」

俺『なんとなく分かる。
つまり、普通の所よりも
カルマが強いって事だろ?』

α「そうね、大体そういう認識で合ってるわ」

α「その様な土地に、
普通の人間が生活するのは、ほぼ不可能なのよ」

α「カルマの気に触れて発狂するか、
カルマの力で、凶暴化した魔物に殺られるか。
大体こんな感じね」

俺『でも、勇者って、普通の人間だよな?』

∑「元々の根本的な所で違うのですよ。
勇者は他の人間と違って、神の力を有する者。
言わば、私達と相反する存在の総称が
勇者と呼ばれる所以(ゆえん)なのです」

そう言われてみれば、
アイツ(女神)も同じような事を言ってたな。

{最悪、勇者で倒す}
って、そう言う意味なのか。

α「だーかーらー、
魔王軍支配下の土地に、
人間の街は無いって事よ」

俺『いきなり詰みか……
ん?この土地は?って事だろ?
つまり別の土地には、人間が居るんだろ?』

β「その通りです。キール様」

俺『そこに行けば……』

γ「人間に合う事は可能だぜ。
ただなぁ……大きな問題があるぜ。キール様」

俺『問題??』

γ「さっきの逆だぜ。
女神の加護が強い土地に、
もし、カルマの高いキール様が行ったら、
って話だよ。」

つまり、俺が発狂するか、
俺のカルマで、周りの人間が発狂するか……
あるいはアイツ(女神)の力で、
俺が弱体化するのか……

今度こそ本当に詰みなのか??
諦めるのか!?


ん?(-ω-;)アレ?ちょっと待って。

元々の異世界転生前の俺って、
カルマが深かったんじゃ無かったっけ?

んで、
アイツ(女神)の力で魔王になったんだよなぁ?

って事は……。
希望が見えてきた!ここは賭けに出るぞ。

俺『オーイ!!クソ女神!!
聞いてんだろ!?聞いてたら返事しろ!!
さもないと、
この世界をめちゃくちゃにするぞ!?』

今の状況を、アイツ(女神)は知ってるはずだ。
最悪、勇者を送るってことは、
こっちの状況が分からないと
言えないセリフだからだ!!

女神「……まったく。本当に困った魔王ですね。
あなたって人は、なんて事を言うのですか!?」

アイツの姿は無いが、聞こえてくる。
予想通り。ビンゴだ。

女神「今、暴れられると、大変なんだから!
こっちの身も考えてよ!……ったくメンドクサイ」

俺『その、めんどくさい設定にしたのは、
お前なんだよ。少しはサポートしろよ。』

女神「(´Д`)ハァ…仕方ない。
分かった分かった。今から説明するわよ〜。」

女神「あなたの思ってる通りよ。
あなたは、異世界転生魔王なので、
普通の魔王とは違うんだよね。」

女神「なので、
あなたが私の加護で弱体化することも、
お互いの力で、発狂することも無いでしょう。」

女神「それと、あなたが普段の生活で
魔王だってバレ無いように、
私の力で、カルマが普通の人には
分からないようにしましょう」

俺『ちょっと待て、
「普通の人間」以外は分かるってことか?』

女神「さすがの私でも、
あなたの魔王としての力を
完全に抑える事は無理よ」

女神「それに、魔物が少ない土地で、
この世界のラスボスが、人助けしてるって、
さすがに、誰も分からないわよ。きっと。」

まぁ、それはそうなんだが……
だったら、普通の人間で異世界転生させろよ。
回りくどいし、何かズレてるよな。コイツは。

女神「という事で、
随時アップデートはするけど、
私だって、色々と忙しいんだから、
いちいち私を呼ぶのは止めてね。メンドクサイ
じゃー、そう言う感じでヨロシク(*´∀`)ノ」

そう言い残し、
アイツ(女神)は言いたいことだけ伝えて、
女神との通信が、終わった。

∑「……様。キール様?
どうされましたか?」

俺『あ、うん。大丈夫だよ』

∑「急にブツブツ言い始めたから、
このシグマ、心配を致しましたぞ」

どうやら、アイツ(女神)との会話は、
コイツら(幹部達)には聞こえてないらしいな。

そりゃーそっか。
神と魔王って、相性が真逆だからな。
お互い相容れず、って所か。 

俺『で、さっきの話しなんだけど……
その件なら、なんとかなるっぽいよ』

幹部一同「!?工エエェ(゚〇゚ ;)ェエエ工!?}

幹部達には、
俺は、異世界転生魔王ってこと。
そして、そこで得たチートスキルってやつで
女神の力を中和出来る(ウソ)って感じを伝えた。

もちろん、女神と対話出来る事は言わなかった。
理由は、話しが余計に、ややこしくなるからだ。

幹部達は、ひとしきり考えた後。

∑達「それがキール様の力なら、仕方ないな。
もしかしたら、
魔物の世界にも、良い事なのかも知れないし」

って、しぶしぶ納得してくれた。

これらの話し合いの末、
俺とアルファ、ベータは、
ようやく旅に出る事がが出来る事となった。


…………魔王城から離れた、外の道中…………

俺『なぁ、ウチらって、
魔王軍って呼ぶの止めない?』

α「それはダメですよ。キール様。
私達にも世間体ってのがありますから。」

β「そうですよ。キール様」

俺『ヾノ・ω・`)イヤイヤ
魔王軍の全部を変えよう
って、言ってんじゃなくてだな。
俺らだけの愛称よ。丁度良いのが浮かんだんだ。』

俺は、二人(2匹?)に伝えた。

β「……なるほど。妙案ですな。」

α「『運命レジスタンス』かぁ~。
なんか、運命に翻弄(ほんろう)されまくった
キール様らしい名前ですね。
私も良いと思うჱ̒⸝⸝•̀֊•́⸝⸝)‪♡」

俺『だろ?今日からは
{秘密結社 運命レジスタンス}
として頑張るぞー。』

α、β『オオォォォ!!(゚ロ゚*)(゚ロ゚*)』

こうして魔王軍改め、運命レジスタンスによる

俺の人生を変える旅が、始まったのであった……

第2話 ~完~

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