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異世界魔王ライフ、第7話。シーズの街裁判(前編)

(前回までのあらすじ)

女神の陰謀で、異世界転生魔王となった俺。

色んな事があって、(第1話~第6話参照)
今回は、ベータ(以下β)の故郷。
騎士国家の、シーズの街に、向かった、
俺たち、魔王様ご一行。

ベータが、「何も無い」とは言っていたが、
毎回、毎回。
何かしらのトラブルに遭遇する、俺たち。

今回こそ、
本当に「何も無い」んなら、良いんだが……。

………………騎士国家、シーズの街の外………………

β「到着、致しました。キール(以下俺)様。
ここが、シーズの街です」

アルファ(以下α)「ココが、騎士国家ねぇ。
初めてキタ━(゚∀゚)━!」

俺『なるほど。って、なんで、街の外な訳!?
歩くの、凄く、めんどくさいんだけど(´ε`;)』

β「すみません、キール様。
ここでは、
魔法の類の使用は、禁止されて、いるのです。」

α「えぇーー。
私の唯一の、アイデンティティが……」

俺『禁止って事は、罰則か、何かあるのか?』

そういえば、
以前、騎士国家と、魔法国家は、
そりが合わない。とか言ってたなぁ……(3話参照)

β「もし、魔法を使ったら、
魔女裁判に、掛けられ、
最悪、極刑は、免れないかと。」

α「えぇー。私、もう帰って良い?」

帰る準備をする、アルファ。

俺『おい、アルファ。
お前、俺の、護衛だよなぁ?(2話参照)
それに、無理やり連れて行って、
俺の、高所恐怖症を、笑ってたよなぁ(5話参照)』

あの時の、仕返しとばかりに、俺は言った。
アルファは、帰り支度を止め。

α「分かったわよ!!
ついて行けば良いんでしょう!
ついて行けば!!」

付いてくる事になった。

この時、アルファを、帰していれば良かった……

まさか、あんな事に、巻き込まれるなんて、
誰もが、思わなかったのだから……

………………騎士国家、シーズの街の中………………

俺『さすがに、街だけあって、
活気が、あって良いねー。うんうん。
こういうのよ。こういうのを、待ってたんだよ。』

α「そう?割と、平凡だけど、この街。」

今までが、魔王城だったり(1、2話参照)
廃墟寸前の、村だったり、(4話参照)
断崖絶壁の、小屋だったりして、(5話参照)
ちゃんとした街って、
転生してから、まだ、来てなかったからなぁ……

β「では、私は、
領主殿に、挨拶しに、行かねばならないので、
くれぐれも『魔法』は、使わないで下さいね。」

そう、念を押して、
ベータは、領主の所に、向かって行った。
止めてくれ。それじゃあまるで、
魔法を使う前提の、フラグじゃないか。

α「(*>∀<)ノ))またねー。んじゃ、私達は~、
2人っきりの、デートに、行きましょー!!。」

俺『をいをい。ダレがデートじゃ!?
お前は、俺の、護衛なの!!』

思わず、声が裏返った。だってさ~。
魔物とはいえ、女の人と、デートだぞ。
前世(1話参照)でもさぁ、無かったんだぜ。
リア充してすまない!読者のみんな!!。

α「えぇ~~~。ケチ。良いじゃん。
こういう時は、街に詳しい私に、任せなさい!」

俺『グッ、
俺が、この世界の事を、何も知らないからって、
調子に、乗るなぁぁぁ!!』

イカンイカン。相手のペースに乗るんじゃない。
絶対、後で、しっぺ返しが来る。
耐えるんだ俺!やればできる子だろ!!
耐え……

α「あっ!あっちに行きましょー。キール様♡」

耐えられませんでしたーーーー。
すみません、すみません。
だって、だって、異世界の街って、
初めて過ぎて、分からなかったし、
女子とのデートなんて、初めてだったから~。
舞い上がって、もう、何が何だか分かりません。
読者のみんな~。本当にごめんなさい!!

α「はぁ~(*´Д`*)今日は楽しかった(≧∇≦)」

俺、デート(?)の記憶が、無いんですけど~!。
……まぁ、アルファの機嫌が直ったから、
良しとするか(´・ω・`)

α「私ね。身寄りが、無いって事は、
以前、話したわよね?(5話参照)
だからね、普通の人みたいに、デートしたり、
街で、友達と、楽しく遊ぶのが、
夢だったんだぁ~。」

α「だから、ウソでも、デートしてくれて、
ありがとう。最高の、思い出になったわ!!。」

最高の思い出って、
思いっきり、死亡フラグ、立ってんですけど!!
まさかなぁ、こんな、平和な街で、ある訳が……

?「オラオラ~(*`Д´)ノ!そこどけ~!!。」

α「治安が、悪いわね~。この街。」

暴走族?みたいなもんか?
爆音を、響かせながら、暴走馬車が、走ってる。
なんか、こっちに、向かってる様な……。

?「オラオラ~(*`Д´)ノ!!ガキ共、
目の前で、イチャイチャ、してんじゃねぇ~!。
轢くぞ!オラオラ~(*`Д´)ノ!!!」

気のせいじゃない!気がついた時には、
目の前にまで、迫って来ていた!。
やばい。チートスキルを、使ってる暇が無い!!
せめて、アルファだけでも、救わないと!!

俺『アルファ、あぶn……』

α「魔法!フレアボム!!」

ちゅどーん。
暴走馬車は、黒焦げになった。

忘れてた。
しばらくの間、ヒロイン枠だと、思ってたが、
実は、魔王軍の幹部。だったんだだよなぁ。うん
(2話参照)

幸い、暴走族?は、逃げ出したみたいで、
負傷者は、出ていないのが、不幸中の幸いか。

β「どうされましたか!?
爆音が、響いて来たので、
急いで、駆けつけましたが……」

俺「遅いよー。ベータ。
実は、かくかくしかじか……。」

俺は、ベータに(デート?の事以外を)説明した。

β「それは、かなり、やばいですね……。
暴走してたとはいえ、
民間人に、魔法を放つなど、ご法度なのに……。」

α「私は、悪くないよ!
キール様を、守る為だもん!!。」

俺「俺も、チートスキルが、間に合わなくて、
アルファだけでも、守ろうと、必死だったんだ。」

β「あなた方の、言いたい事は、分かります。
私の特殊能力(4話参照)で、
一部始終が、分かりますから。」

って事は、デート(?)の事も、知ってんのか……?
俺、恥ずかしい(/ω\*)

β「とりあえず。
宿屋は、手配してありますので、
今日は、そちらで、休んでください。
私は、関係各所を回って、沈静化を、図ります。」

俺『何か、ごめんな。ベータ。』

α「ベータさん、ごめんなさいm(._.)m」

β「いえいえ。あなた達が、間違って無い事は、
私が、1番分かってますから。では、失礼。」

そう言うと、ベータは、去っていった。

俺『……やってしまった事は、仕方ないしな。
とりあえず、宿屋行くか。』

α「……そうですね。行きましょう。」

なんか、いつもより、元気が無いな。
仕方ないか、こんな事件に、
巻き込まれたんだから……。
俺も、なんか、いつもより、疲れてるし、
宿屋で休むか……。


…………シーズの街の宿屋、翌日…………

β「おはようございます。キール様。」

俺『……何か、前にも、似た感じがあるのは、
気のせいか?(4話参照)
おはよう、ベータ。昨日は、お疲れ様。』

β「いえいえ。私は、大丈夫で、御座います。
キール様。
実は、良いニュースと、悪いニュースが、
あるのですが、どちらから、聞かれますか?」

ふむ……これはおそらく、前日に、言ってた、
魔女裁判の事。だろうな。
今、俺の気分が、落ち込んでるからなぁ……。

俺『良いニュースで。』

β「前日の、事件での、負傷者は0。
そして、普通なら、魔法を使ったら、
即、留置所行き……。なんですが。
私の、監視下の条件付きで、
留置所行きが、無くなりました。」

俺『そうなんだ。で、悪いニュースは?』

β「魔女裁判の日程が、明日なのと、
暴走馬車を、運転してた、息子の父親が、
アクドイ・カネスキー。なのです。」

俺『悪どい金好き?誰だ、ソイツは?』

β「アクドイ・カネスキーは、
1代で、大富豪になった、敏腕経営者なんです。
手段の為なら、どんな手でも、使う。
かな~り、ヤバイ奴です。」

俺『どんな手でも、使う……か。
とんでもない奴が、相手なんだな。』

β「その通りです。息子を、助けるなら、
どんな、汚い手でも、使って来る。でしょうね。」

俺『なるほど(´・ω・`)
今日明日は、俺達の身の、安全第一優先。だな。』

β「それと、急で、申し訳ないんですが……。
明日までに、弁護人を、こちらが、
用意しなければ、行けなくなりました……。」

話しが、急過ぎるなぁ。

俺『弁護士の、アテは、あるのか?』

β「それが……。アクドイ・カネスキーが、
既に、手を回してまして……。
どこの法律事務所も、全て、門前払いでした…。」

俺『……つまり、俺達で、何とかしろと?』

β「……その通りです。
キール様は、確かに、頭は回りますが、
今回ばかりは、さすがに、難しいかと……。」

俺『……だよなぁ。なんか、こういう時、
尋問に、詳しくて……、
公正に、ジャッチしてくれる……。
そんな、都合の良い、知り合いって……。』

……いた!。1人だけ、いた!!

俺『ベータ!ガンマだ!!。』

β「……キール様も、気付きましたか。
本来なら、ガンマに、貸しを作るのは、
本当に、嫌ですが……。
今回ばかりは、仕方ありません。
早速、魔王城に、高速鳩を、飛ばします!」

俺『頼む!。今は、ガンマしか勝たん!!。』


……こうして、俺達は、
今日と、明日の、
アクドイ・カネスキーの、襲撃に備え、
明日の法廷に、ガンマが来るのを、
ひたすら待っていた……。


…………追伸…………

話しは、少し、さかのぼって、
俺と、アルファの、デート(?)の一部始終。

α「ねぇねぇ!!
次、アレを、一緒に、食べましょうよ~!!」

俺『う、うん。(記憶ナシ)』

α「あの目の前の、
観覧車に、乗りましょ~!!」

俺『う、うん。(記憶ナシ)』

α「絶叫ジェットコースターだって!
乗りましょ~!!」

俺『う、うん。(記憶ナシ)』

α「お化け屋敷だって!
怖くないけど、行きましょ~!!」

俺『う、うん。(記憶ナシ)』

α「キール様って、
こういう服、似合うと、思うのよね~♡。
プレゼントしてあげる!!」

俺「う、うん。
(プレゼントを貰ったが、記憶ナシ)」

α「何コレ!この服可愛い♡プレゼントして♡」

俺『う、うん。(金は出したけど、記憶ナシ)』

α「(服を着替えて)どう?私って可愛い?」

俺『う、うん。(記憶ナシ)』

α「(川を見ながら)
ねぇ、キール様。私の事、好き~?」

俺「う、うん。(川を見ていた記憶もナシ)」

α「キャー。キール様!冗談言わないでよ~!。
(おもいっきり、キールを突き飛ばす)」

バシャーン!!

α「キール様ぁ~!?ごめんなさ~~い!!!」

俺は、どうやら、川に落とされたらしく、
そこで、ようやく我に帰った。
危うく、溺れ死ぬかと思った。
アルファに、助けられて、服を着替え、
アルファの謝罪後、本編へと、続いたのだった。


第7話前編。終 制作・著作  ━━━━━  きぃえぁ


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