異世界魔王ライフ。第33話。魔王と、義賊シルバー・アルセーヌ(前編)
(前回までのあらすじ)
異世界魔王をやっている、キール(以下俺)。
色々あって、(32話まで参照)
仲間達から、盛大なサプライズと、
その時の副作用とやらで、
大変な1日を過ごした。
その後、
とりあえず、魔王城が、みんな不在なので、
一旦戻ることになった。
そんな、魔王城での、お話し。
…………魔王国家。魔王城の外。…………
俺『ふぅ……。なんか、疲れたな……。』
俺は、一人、ボヤいてた。
ベータ(以下β)「……仕方ありませんよ。
みんな疲れてますし、
キール様も、一日中、動いてましたから……。」
ガンマ(以下γ)「……だな。ゆっくり休もうぜ。」
シグマ(以下∑)「若いものが、情けない!!
……と、言いたい所じゃが、たまには良いじゃろ」
コピー魔王(以下元魔王)「ゆっくりしようぜ……」
コピーガンマ(以下コピーγ)「……だよなぁ。」
と、男性陣が、弱ってるのに対して、
レディ(以下女神)『……でねでね!!
その時、キールは、っていうと……。』
アルファ(以下α)「……え〜!ソレ本当!!」
アイリーン(以下白龍)「……やだ~!それマジ!」
ジェーン(以下お母様)「……詳しく聞きたいわね。」
楽しそうに、会話していた。
どんだけ、体力が、有り余ってんだよ。本当に。
残りの、サプライズパーティの参加者は、
各々、連れて来た人が、ちゃんと帰していた。
魔王城に来れる様になるには、
魔王国家のカルマが、耐えられないと、
発狂するらしいからな。シランケド。
俺『やっと着いたか。愛しの魔王城。』
男性陣「ゆっくり休める~。」
女性陣「それでね~。(ワイワイガヤガヤ)」
……まとまりが、全く無いなぁ。ホント。
…………魔王城。幹部達の間。…………
俺『……やっと、落ち着ける。』
俺は、魔王の椅子に座って、一呼吸をした。
元魔王「ってか、
いつの間にか、俺様にも、椅子があるな。」
俺の横で、コピー魔王も、座ってる。
∑「そりゃあ、魔王様が二人居るんだから、
内緒で手下共に、作らせましたゾ。」
雑魚達「エッヘン。褒めて褒めて。」
俺『あー。うん。よくやった。偉い偉い。』
雑魚達「┏○)) アザ━━━━━━━━ス!」
雑魚達は、喜んで帰って行った。
ドラキュラ伯爵「やっと帰って来たわね!!」
オオカミ男「おかえりなさ~い!お土産頂戴!」
フランケンシュタイン「あ、手紙来てたよ~?」
……そういえば、居たな。西洋妖怪トリオ。
すっかり忘れてた。
相変わらず、話しが渋滞してる。
俺『コレ、昨日の残り物……。
いや、みんなに作って貰った、食べ物だ。
ケンカしない様に、食べろよ。』
西洋妖怪トリオ「┏○)) アザ━━━━━━━ス!」
三人が、立ち去ろうとした時、
俺『……そういえば、
手紙がどうたら、って言ってたよな?』
ふと、気になった。
コピーγ「俺様が、預かってるぜ。読むか?」
俺『頼むよ。
細かい字を見るだけて、眠くなりそうなんだ。』
コピーγ「じゃあ、読むぜ。
初めまして、魔王様。
私は以前から、貴方の事が、気になってました。」
α「ちょっと何よ!この文面。
まるで、愛の告白みたいじゃない!!」
女神『キールも、なかなかヤルじゃない♡』
白龍「不潔よ!フケツ!!」
お母様「若いって、罪ねぇー。(ニヤニヤ)」
俺『ちょっと待て!!俺は何もしてないゾ!!』
俺に、余計な誹謗(ひぼう)中傷がかけられた。
コピーγ「……続きを読むぞ。
先日、私にとって大事なモノを、取られました。」
女神『きっと、ハートよ!ハート!!』
α「私という者がありながら……説明してキール。」
白龍「恋の多重債務ね。ホント最っ低!!」
お母様「せめて、一人に絞りなさいよ……。」
俺『俺は、何もしてない!誤解だ!!』
このままだと、手紙を読み終わる頃には、
女性陣に、公開処刑をされるぞ!?
コピーγ「女性陣、静かにしろ。続きを読むぞ。
アレは、大事な、祖父の形見なんですよ。
取り返しに行くので、その時は、宜しくね♡
シルバー・アルセーヌ」
俺『シルバー・アルセーヌ??
俺、そんな人、知らんぞ。』
初めて、聞いたんだが……。
なんでだろう……。嫌な予感しかしない。
α「怒らないから、ちゃんと説明してください。」
白龍「祖父の大事な形見を取るなんて、最低!」
女神『コレは、お仕置きが必要ねぇー。(ニヤニヤ)』
女性陣が、俺に矛先を向けていたが、
お母様「シルバー・アルセーヌって、まさか!
あの、義賊シルバー・アルセーヌの事なの!!」
一人。名前に聞き覚えがあるらしい人がいた。
お母様「シルバー・アルセーヌって、
狙った獲物は、ほぼ100パーセントで盗む。
と言われてる、
ゴールド・アルセーヌの孫よ!!」
コピーγ「おいおいおい。
ゴールド・アルセーヌって……。」
γ「天下の、大泥棒じゃねーか!!
孫なんか、居たのかよ!?」
お母様「間違いなく居るわ。
コレは、ごく一部の上層部しか知らない、
トップシークレットよ。」
元魔王「なんで、トップシークレットなんだ?
泥棒なら、公開して捕まえた方が、早くないか。」
お母様「それには理由があって、
1 悪いヤツからしか盗まない。
2 盗まれて困る物を盗まれた。
となったら、その人の進退に影響が出るから。
3 変装の名人だから、素顔を誰も知らない。
つまり、
変装中のシルバー・アルセーヌを捕まえるのは、ほぼ不可能。なのよ。」
女神『その理論だと、
1 キールは魔王だけど、悪いヤツじゃない。
2 盗まれて困る物を盗む……。
そんなモン、あるの?キール。』
俺『……無いなぁ。強いて言うなら、
この、アダマンダイアの剣、ぐらいだけど。』
俺は、昨日貰った剣を、みんなに見せた。
俺『そもそも、剣としての力。ってよりは、
剣から発する、カルマの力が、強すぎんだよ。
だから、素人には扱いにくいし、
骨董品にしても、
カルマの力で、発狂するだろうな。』
∑「そうなんじゃよ。
元々は、ただの剣じゃったんじゃが、
ココに溜まるカルマの力の影響で、
魔剣と化しておる。
つまり、素人には、扱えないって事じゃ。」
俺『剣が熟成され、厄介な魔剣になった。
こういう理由で、呪われたアイテムって、
増えていくんだなぁ……。なるほどなぁ…… 。』
α「てか、そもそも、
盗まれた「アレ」って、何なのよ!?」
γ「俺達が探し出した。時の宝珠。だろうな。」
コピーγ「それしか無いな。」
白龍「でも、ソレって……。」
俺『俺の目の前で、砕け散った。んだよな。
厄介な、副作用付きで。』
β「もしかして、なんですけど……。
時の宝珠の、副作用が強すぎるから、
誰も使わない様にする為に、
シルバー・アルセーヌが、隠していた。
なんて事は、無い。ですよね……。」
?「その通りです!!」
上の方から、声が聴こえた。
?「皆様、初めまして。私が、
シルバー・アルセーヌ(以下シルバー)です。
祖父の、時の宝珠を奪いに来たよ!!トウッ!!」
なんか、高い所から、華麗に降りてきた。
シルバー「私に、盗めないものは無い!
大人しく、時の宝珠を、渡すのです!!」
……って、言われてもなぁ。
コピーγ「おいおい。そこの小僧。」
γ「俺達が、手に入れたんだ。
俺達が、相手してやるよ」
ガンマと、コピーガンマが、戦闘体制に入った。
しかし、
元魔王「……やめておけ、二人とも。
部下の失態は、上司の責任。
俺様が、相手をしてやろう。」
コピー魔王が、名乗り出た。
コピーγ「申し出は、有難いけどよ。」
γ「俺様だって、ヤレるぜ。邪魔すんなよ。」
二人がかりで、
シルバー・アルセーヌに立ち向かった。
だが、
シルバー「部外者は、大人しくしてください。」
シルバー・アルセーヌの力で、
二人は、その場に倒れた。
俺『疲れてるとはいえ、二人が瞬殺かよ。』
元魔王「……やはりな。お前、転生者だったか。」
シルバー「ご名答。私は、異世界転生者だよ。
この世界の人には、負けないよ。」
元魔王「ほぅ……。じゃあ、俺様が、
初めての敗北を、与えてやろう。」
俺『俺が、行こうか?』
しかし、コピー魔王は、
元魔王「……いや。
ブラザーに何かあったら、俺が困る。
お前の剣を、借りるぞ。」
俺は、アダマンダイアの剣を渡し、
俺『……勝てるのか?。』
元魔王「……正直、分からない。
ただ、この剣が必要だって、本能が言ってる。」
俺『……そっか。お前の闘い、応援してるよ。』
元魔王「……ありがとう。ブラザー。」
コピー魔王は、片手に魔剣を持って、
元魔王「待たせたな。魔王の力、見せてやる!。
他の者は、手出しをするなよ!!」
シルバー「何人来ようが、負けないよ!!」
こうして、
コピー魔王と、シルバー・アルセーヌの、
1体1の、闘いが始まった。
後編に続く……。
33話。前編 終 制作・著作 ━━━━ きぃえぁ
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