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異世界魔王ライフ、第14話。魔王城攻略(後編)

(前回までのあらすじ)

女神の陰謀で、異世界転生魔王になった俺。
色々あって、(1話~13話中編参照)
俺達は、始まりの地、魔王城に攻め込んだ。
キール(以下俺)は、
アルファ(以下α)、ベータ(以下β)、
ガンマ(以下γ)、レディ(以下女神)、
の力を借りて、いよいよ最終決戦。
忌まわしき、過去の、俺の怨念(以下元魔王)と、
1VS1の、ガチンコバトルが、始まった。

攻略の鍵は、
俺の特殊能力に、あるらしいけど……
いまだに、特殊能力は何か、俺は知らなかった。


…………魔王城、最奥の間。魔王の玉座………

元魔王「オラオラ(*`Д´)ノ!!!!
さっきまでの威勢はどうしました~~?
防戦一方じゃあ、俺は、倒せないぞ~~!!」

俺『クッ!チートスキル「ものまね師」!!』

俺は、元魔王の縦横無尽(じゅうおうむじん)な
攻撃を避け、捌(さば)き切れない攻撃は、
チートスキル「ものまね師」で真似して、
相殺(そうさい)していた。

俺『ダメだ!このままだと、仲間が殺られて、
俺も、圧倒的なカルマの差で、追い詰められる。』

何か、良い案は無いか……

元魔王「おっと。
闘い中に、考え事は、させませんよ!
防御が、疎(おろそ)かになってますよ~!!」

ドカーン!!

俺『グハッ!!』

俺は、元魔王の、強烈な攻撃を食らった!!

俺『チートスキル、「消え去る者」!!』

これは敵だった、
シグマ(以下∑)の特殊能力だが、
俺流のアレンジで、
痛みだけを消え去る効果にした。

ただ、痛みだけなので、
ダメージは、残ったままだ。

元魔王「ほぅ。それは、
シグマの、特殊能力ですね。
ただ、痛みだけ抑える、劣化版ですね!!
もっと、俺様を楽しませろ!グズがァ!!」

やはり、昔の俺だな。
こっちの考えも、お見通しか……。

俺『下手な手を打っても、俺の考えを読んで、
カルマの力、でねじ伏せる。厄介だな。お前。』

元魔王「えぇ、そうですよ。力がある者が、
弱者をいじめる。それが常識だろぉぉぉ!!」

元魔王が、
更に、強く、重い攻撃を仕掛けてきた。

俺『チートスキル「ものまね師」……グハッ!』

元魔王「そのチートスキルは、相手と同等か、
相手より強い場合のみ、有効なんですよ。
格下が使っても、無意味なのは、知ってますか。」

俺『……なるほどな。さっきまで、
俺の、カルマの数値に合わせて、
攻撃してたのか……気に食わない。』

元魔王『こちらからの、攻撃ばかりで、
死んでしまっては、つまらなくなります。
ここは、他の仲間の闘いでも、見ませんか?』

俺『仲間の、闘いだと!?』

元魔王「今、仲間達が、闘ってるんでしょう?
中継を、繋げてみますか。
まずは、コピーガンマ(以下コピーγ)からだな。」

レディ対コピーガンマ……。
勝ってるのか、レディ!!

元魔王「おや。闘いが、終わってる……
これは、予想通りだな。勝ったのは……。
コピーガンマかぁー!偉いぞ!!」

あのレディが、負けるなんて…………。

元魔王『それでは、
次の試合、伝説の三獣と、シグマの闘いか……。
これも、シグマの勝利かぁ~!!
お前らの仲間、 使えない奴ら、
ばっかりだったなァァァ!!』

仲間が、全員、やられたのか……。

残ったのは、俺だけか……。

いっそ、俺も殺られて、皆の後を、追うか……。

元魔王「いいですよ!その絶望感!!
所詮(しょせん)。弱い虫ケラどもの、集まりだ!
雑魚が、いくら集まっても、雑魚は雑魚だァ!。」

その言葉に、俺の中の「何か」が切れた。

俺『…俺の悪口だけなら、何を言われてもいい。
ただなぁ……。仲間達の事……。仲間の死を……。
お前らなんかに、お前らなんかに……。
雑魚って、呼ばれるほど、落ちぶれてねーぜ!』

俺『ウオオオオアアアア\( 'ω')/アアアアアッッッッ!!!!!』

元魔王「ほぉ。「覚醒」ですか。
これで、あなたの本気と、ようやく闘える!!
かかってこい。クソ雑魚がァ~~~!!」

俺『俺は、勝って、必ず、皆を生き返らせる!!
負ける訳には、いかないんだァ”ァ”ァ”ァ”ァ”!
チートスキル、「身体強化」!「魔力強化」!!』

俺と、元魔王との、
一進一退の、攻防が始まった。
拳と拳が、ぶつかり、
魔法と魔法が、互いを相殺した

元魔王「確かに、強くなりました。
これが「仲間を思いやる心」ですね!!
ただ、これだけでは、この俺様を倒せない!!
もっと……もっと!!お前の力を、見せてみろ!」

……確かに、身体強化と魔力強化で、
一時的に、ドーピングを、してるだけ。
力だけなら、元魔王と、互角になったが、
倒すだけの力が、まだ、ない。

元魔王「分かってるじゃないですか。
今の俺を、倒す事は、もはや、不可能!!
特殊能力、「破壊する者」!起動!!」

元魔王の「破壊する者」は、
膨大なエネルギーで、周りの物を、
文字通り、破壊していった。

俺『グッ!これが、お前の、特殊能力か!!
マズイ。このままだと、押し切られる!!』

元魔王「フハハハハハ!!
俺は、俺様は、ついに、オリジナルを超えた!
完膚(かんぷ)なきまでに、破壊してやるぜェ!。」

元魔王の「破壊する者」が、
俺の、間近まで、迫って来た。
もはや、これまでか……。
ゴメン、皆、約束、守れなかった……。

俺は泣いた。涙が止まらない。

その涙が、床に付いた……。

その涙は、光に包まれ……。

仲間達の、声が、聴こえてきた!!

?『まだ諦めては、いけません!』

?『ヒーローってのはなぁ……。
必殺技は、最後まで、取っておくもんだぜ!!』

?『思い出して!私達の言葉を!!』

?『破壊神の、言葉を!!』

????『キール様は、まだ負けてない!!』

……そうだ。
俺には、まだ、特殊能力が残ってる。
閃きで使える、チートスキル。
そして、それは「破壊する者」と
対(つい)になる、特殊能力!

俺達は、負けてない!
一か八か!俺も、命を賭けるぞ!!

俺『行くぞ!!特殊能力「発案者」で!!、
特殊能力「創造者」を召喚!!』

そう、俺の、特殊能力は、
「発案者」だったんだ。
全ての、チートスキルは、
全て、俺の「発案」だったからだ!
そして、この「創造者」は、
俺の、予想が、正しければ!!

?『……1回も、特殊能力を、使ってる所を、
見せてないのに、よく気づきましたね。』

俺の、思ってた通り、レディが来た。

俺『……だろうな。
俺を、魔王として「創造」したのも、
お前が、この世界を「創造」したのも、
俺が、苦難に落ちても、どうにかなったのも、
女神の「創造」なら。全ての理由が、噛み合う。』

女神『……ですね。
では、お互い、隠し事は、止めましょう。
特殊能力!「創造者」発動!!』

レディの、特殊能力で、
破壊されたものが「創造」され、修復していく。

女神『私の力では、
「破壊する者」を相殺するだけ。
後は、自分の事、なんだから、
自分で、ケリを、付けなさい。』

俺『言われなくても!
特殊能力「発案者」!!
俺のコピーを、全部、吸収する!!
そして、
俺は、お前の、全てのカルマを、引き継ぐ!!』

俺『ウオオオオアアアア\( 'ω')/アアアアアッッッッ!!!!!』
俺は、元魔王に、向かって行った。

元魔王は、笑顔で、俺を、向かいいれた。

元魔王「……ようやく、答えに、気づいたな。
そう。俺は、お前自身だ。
過去を、否定する、のでは無く、
どんなに、酷い過去でも、全てを受け止め、
自分の糧(かて)として、反面教師として、
同じ過(あやま)ちを、
未来で、繰り返さないで欲しい。
よく気づき、成長したな。ブラザー……。」

俺『過去の自分よ。
今まで、よく耐えてきてたな。ごめんよ。』

元魔王「大丈夫だ。ブラザーの中に、戻っても。
お前のカルマは、俺が全部、受け止めてやる。
だから、お前は、今まで、出来なかった事。
友達を、大切にする事。
世界を、幸せにする事。
異世界転生魔王を、楽しむ事。恋人を、作る事。
今まで、出来なかった事を、全部やってこい!」

そう言うと、元魔王だった、過去の自分は、
俺に、全て、吸収された。

……なんか、最後に、
恋人を作れって、言ってやがったな!!
そんな、予定は無い!!……多分。

???「ようやく、ケリが着いたか。」

この、聞き覚えがある、懐かしい声は!!

γ「よう!!
見ない間に、だいぶ老けたな!!キール様。」

α「キール様~~!ご無事で、何よりです!!」

β「……危うく、負ける所でした。」

俺『お前ら……生きてたんだな!!』

γ「あぁ……。生きてるぜ。
この、俺様達が、負ける訳が、ねぇ!!」

α「闘ってる途中で、
レディさんが、助けに、来てくれたのよ!
レディさんの、力って、凄いね~!!。」

β「……まさか、本当に、
シグマに、勝てる時が、来るとは、
思いませんでした……。」

女神『そうよ。みんな。
私を、称(たた)えなさい(・ω・)キリッ』

レディ……。元々の、元凶のクセに、
俺らに、恩を、売るんじゃねぇよ。

?「ホッホッホッ。
久しぶりに、血が、たぎりましたぞ。」

俺『この声は……シグマ(以下∑)!
まだ、生きてたのか!』

∑「まぁまぁ、
ワシ達は、もう、事を、荒立てませんよ。
あなた達の、敵では無い。そういう事じゃ!!」

コピーガンマ(以下コピーγ)「そういう事。
俺様達は、お前らの敵を、演じてたんだからな。」

俺『ん?演じてた?どういうことだ??』

∑「キール様は、ワシ達が、
元魔王に、操られてる。
そう、思ってたんじゃろ?」

俺『そうじゃ、無かったのか?』

コピーγ「俺様達は、
操られた「振り」を、してたんだぜ。」

∑「つまり、キール様達を、倒す気なんて、
最初から、無かったのじゃよ。」

俺『じゃあ、なんで、襲ったんだよ?
味方になって、一緒に、元魔王を倒せば……。』

∑「それが、無理じゃから、芝居をしたのじゃ。
のう。レディよ。」

女神『そうね。元々は、キールのコピーだし、
過去の自分との和解も、必要だったからね。』

コピーγ「だから、俺様が、手紙を書いて、
キール様達を、呼んだ。って訳だ。」

∑「んで、あえて、
敵役に回って、キール様と、闘ったって事じゃ。
下手に、手加減をすると、
元魔王に、勘づかれるからのぅ。」

……って事は……。

俺、α、β、γ「全部、茶番だったのか~~!!」

女神『全部が、茶番じゃないわ。
元魔王が、暴走してたのは、本当よ。
アレを、止めないと、
大変な事に、なってたんだから!!。』

俺『んじゃ、元魔王が見せていた、
仲間達の、全滅って……?』

女神『アレは、私の、特殊能力「創造者」で、
ニセの情報を、元魔王に、見せてたって訳。
ゆいいつ。私と、キールの、特殊能力は、
バレて、無かったからね。』

俺『あの時の、俺の涙を、返せ~!!
本当に、本当に、心配したんだぞ~!!』

俺は、また、思い出し、涙が出た。

α、β、γ「キール様……。ありがとう……。(ジーン)」

女神『それと、キールを、追い詰め無いと、
特殊能力まで、考えが、浮かばないからね~。』

そりゃあ、そうだったんだが……。
この事件の裏で、皆を操ってたのは、
レディだったのか!!
コイツ、ぶん殴って良いか?読書のみんな。

女神『はい。コレ、お土産。
ねこまんま亭の、お赤飯と、
魔法国家、ディールのオモチャ。』

∑、コピーγ「おぉー。本当に、ありがとう!!」

……そういえば、お土産を、持ってきてって、
書いてあったな。(12話前編参照)
その時点で、疑(うたぐ)れば、良かった。


こうして、長い長い闘いは、ようやく終わった。
魔王城の、復興は、
レディの「創造者」で、元に戻し。
シグマの「消え去る者」で、
全てを「無かった」事にした。
どうやら、シグマの、特殊能力は、
元々は、こういう使い方をするもの。
だと教わった。

そして、月日は流れ…………

………………魔王城、室内………………

∑「キール様!キール様!!
……また魔王城を、抜け出しおったわぁ~!」

コピーγ「いつもの事ですね……(/◎\)ゴクゴク」

∑「コラ~!ヽ(`Д´)ノガンマ、見つけてこい!」

コピーγ「アイツらなら、一緒に行ったぜ……。
パク(*゚~゚*)モグ モグ(/◎\)ゴクゴクッ・・・」

∑「アイツら~!。後で、大説教じゃ!!。
٩(๑`^´๑)۶プンスカ。٩(๑`^´๑)۶プンスカ」


…………ねこまんま亭、室内………………

その頃、俺達は……。

俺『魔王城って、暇なんだよなぁ……』

β「……分かります。その気持ち。」

α「ねぇねぇ!暇なら、デートしよ!!
キール様!!」

俺『却下。』

α「えー。減るもんじゃないし、いーじゃん!。」

俺『俺の中では、何かが、減ってんの!!
それに、クソ面倒臭い(´ε`;)』

α「キール様の、ケチンボ!!」

γ「いつも、賑やかだなぁ……お前ら。
そういえば、なんで、レディも、居るんだ?」

女神『あら、別に、居ても、良いじゃない。
ここに居ると、暇つぶしに、なるのよ。』

γ「そりゃあ、間違いないな。
こいつらを、見てると、面白いしな。」

α「いーじゃん!!」

俺『い~や~だ!!』

α「いーじゃん!!」

俺『イ~ヤ~だ!!』


…………追伸…………

元魔王が、暴走する前の事……

魔王城にて、シグマは、
お茶をすすりながら、語り出した。

∑「わしゃあ、いつも、
魔王城で、暇しとったんじゃ。」

∑「そんな時、キール様の仲間、と名乗る、
レディが、魔王城に、来たのじゃ。」

∑「んで、キール様の近況の話しと、
お土産の、時代劇全巻を、置いていったのじゃ。」

∑「わしゃあ、暇だったから、その、時代劇。
とやらを、見たのじゃよ。」

∑「そしたらのぉ。
なかなか斬新で、面白くて、面白くて。
年甲斐もなく、久しぶりに、興奮したのじゃ。」

∑「特に、この、水戸黄門に出てくる、
アクダイカーンってのに、
親近感が、湧いてのぉ。」

∑「ワシも、いつか、
キール様の、敵として、
本気で、やり合いたいもんじゃ。」

∑「……そんな事、天地が、ひっくり返しても、
有り得ない。んじゃがなぁ。カッカッカ!(笑)」

第14話 後編 終 制作・著作  ━━━━━  きぃえぁ










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