見出し画像

異世界魔王ライフ、第3話。新たな約束

(前回までのあらすじ)

女神の陰謀(?)で、異世界魔王となった俺。

魔王の幹部達を、
無理矢理に説得して、旅に出る事になった。

お供に、魔王軍幹部のアルファ(以下α)、
同じく、幹部のベータ(以下β)を連れて……
どこ行こうか……(゜Д゜≡゜Д゜)?

………………魔王城から、かなり遠い所………………

キール(以下俺)『……で、行き先のアテでもあるのか?アルファ。』

α「そんな事も決めないで、
魔王城から出てきたんですか!?キール様!!」

β「無策か……幹部として情けない」

俺『んな事言われてもなぁ~。
勢いって言う~か、
俺には俺なりの理由があってだな(´-ω-)ウム。
魔王城に留まるのも飽きたって言うか、
見物を広めたいと思ってた訳だけだからなぁ。』

俺は、当たらずとも遠からずな事を言ってみた。

そもそも俺は、
カルマっていう負の数値が、
めちゃくちゃ高かったので、
魔王に転生したのよ。
んで、良い事をすれば、
そのカルマを少しづつ返済出来るらしい。
返済が終われば、別の人生を歩めるようになる
……らしいって、アイツ(女神)が言ってた。
まぁ、前例が無い時点で、
既に無理ゲーなんだがなぁ~。(1話参照)

それに、まだ問題があるとするならば、
アルファとベータをどう説得するか。だな。
天下の魔王様である俺が、
良い事をしたい!カルマを減らす!!
って言える訳が無いじゃないか。
コイツらからしたら、死活問題だからなぁ……
(・∀・)シランケド

α「……そうでしたね。
キール様って、この世界の事、
なーんも知らないんでしたっけ……(´Д`)ハァ…」

β「分からないなら、
私が教えますか?キール様。」

俺『頼むよ。ベータ』

β「まず、この世界は、
大きく四つの国家で、均衡を保っています」

β「騎士国家、魔法国家、法教国家。
そして、今居るのが、魔王国家です。」

俺『騎士国家と、魔法国家ってのは、
なんとなく分かるけど、
何その、豊胸国家って?』

デッカイ胸がある国家って、
存在するのかΣ(゚д゚;)
是非行ってみたい(`・ω・´)キリッ

α「キール様……鼻の下が伸びてるわよ(´・_・`)
法教国家ってのは、女神の加護が一番強い所で。
大陸一の豊かな資源と、
他の国家との交流で得た資金力があって、
一番栄えてる国家よ。」

俺『なるほど。
なんで他の国家は、
その豊胸国家を攻めないんだ?
俺なら、自分の領地にしたいけどなぁ~?』

β「それは、他の国家である、
騎士国家と魔法国家、そして魔王国家。
これらが互いに、牽制し合ってるからです。」

α「つまり、どこの国家も、
欲しくても手が出せないのよねー。」

なるほどね。
仮に騎士国家が、他国へ攻めたとしたら、
魔法国家が騎士国家を攻めるかも知れない。
騎士国家と魔法国家が、
戦争して両者が疲弊すれば、
魔王国家に攻められるかもしれない。

そういう意味で、魔王国家は、
人間への戒めとして、存在するって訳か。
良く出来てるなぁ~。

俺『その理屈だと、
騎士国家と魔法国家が手を組んで、
魔王国家を攻めるのが早くない?』

β「それは無いです。
確かに、魔法国家と騎士国家が手を組んで、
魔王国家を倒すのが近道なんでしょうが……
この2つの国家は、実は、仲が悪くてですね……」

α「簡単に言うと、
頭でっかちと脳筋野郎だから。
お互いに、そりが合わないのよねー。」

β「その中立国家として、
間に入ってる法教国家が、
互いの潤滑油となってるのです。」

俺『( ˙꒳​˙  )ほぉ…。んじゃ、
俺達が最初に行かなきゃならないのは……』

α「当然、法教国家でしょうね~。」

β「我が魔王国家とも交流はありますし、
何より、他の国家の情報が一番多く入ります。
それが良いかと。」

俺『ちょっと待って!!
魔王国家って、人間の敵じゃないの•́ω•̀)?
交流してるって、どういう意味?』

β「それは、魔王国家にしか取れない、
希少な資源があるからです。」

α「魔法に使う材料、
強固な武器防具を作る為の素材は、
ほぼ、魔王国家から取れた物ですわ。
そして、それらを加工と生成を出来るのは、
魔界に住む人にしか出来ないのよ。」

α「魔王国家が攻めない代わりに、
交易での利益を分配するって、
暗黙の了解が、あるからなのよね~。」

β「まぁ、
それを良く思わない輩(やから)が居るのも、
また事実では、あるんですが……」

|・ω・`)フムフム
要は、俺達を歓迎しない奴が居るかもしれない。
そして、私腹を肥やす奴も存在してて、
虐(しいた)げられてる人も居るって事か……
イジメ、ダメ、ゼッタイ。
助けてあげたいなぁ~。

β「……顔に出てますよ。キール様。」

α「まさか、人間を助けよう!
なんて思ってませんよね!?」

俺『いや、俺って、
前世は、いじめられっ子だったから、
見て見ぬふりなんて出来ないんだよ~(1話参照)』

α、β「(´Д`)ハァ…
シグマ(以下∑)の悪い予感が、
的中したな~。(2話参照)」

俺『それに、魔王国家の仲間だって、
イジメられてる可能性だってあるだろ?
ソイツらも助けたいんだが。( ー̀ωー́)』

α「あなたは、腐っても魔王国家のトップだって自覚あって言ってる訳!?馬鹿じゃないの!!」

β「左様。
わざわざキール様がやる仕事では御座いません。」

やっぱり否定された。
だけど……引き下がれない!

俺『そういう状況があるって事は、
お前らの監督不行(かんとくふゆき)のせいだろ。
この事は不問にしとくから、
代わりに、俺の人助けだって良いじゃないか!!
困ってる人達を、俺は助ける!!』

β「そうですか……
どうしても助けたい……と。」

俺「どうしても、だ!!
たとえ1人になっても意地でもやるぞ、俺は!!」

β「……わかりました。」

α「ベータ!?何を言っ……」

β「私は、キール様の部下です。
どうしても、
キール様がやりたいと言うのならば……
是非、私を使ってください。」

α「しょーがないわね。私も協力するわよ!!
元々は、私達が悪かった訳なんだし~。
それに、良い暇つぶしにもなるしね~。」

俺『お前ら……ありがとう。』

俺1人で何とかしようと思ってたけど、
良い仲間を持ったもんだな俺。疑って悪かった。

α「た・だ・し!
気分が乗らなかったら人助けしないからね!?」

β「右に同じく。無用な仕事は、したくない。」

俺『それでいいよ。
てっきり反対されると思ってたからね( ̄▽ ̄;)』

気分次第ってのはアレだけど、
まぁ、なんとかなるだろー。きっと。

俺『では、豊胸国家に行ってみようか。
アルファ、ベータ、道案内を頼むな。』

β「……法教国家です。キール様|・ω・`)コッショリ」

α「それじゃあ、行きますか!!
……あっ。
法教国家なら、
私の転送魔法が使えましたわ(*ノω・*)テヘ♡」

俺『_(┐「ε:)_ズコー
今まで長いこと歩いてきた、俺の苦労って……』

β「まぁまぁ、良いじゃないですか。
こうやって話し合いが出来たって事で(笑)」

ベータって、無表情な奴だと思ってたんだが、
笑えたんだな。こいつ。

α「んじゃ、行くわよ!転送魔法~。
法教国家、辺境の地。エーベの村へ!!」


そう言うと、明るい光に包まれて、
あっという間に
新天地へと着いたのであった……


第3話(○・ω・)ノ----end-----


いいなと思ったら応援しよう!