異世界魔王ライフ。第28話。魔王と勇者。
(前回までのあらすじ)
女神の陰謀で、異世界魔王をやってる俺。
色々あって、(27話まで参照)
今、魔王城で、ひとりで、お留守番してる。
やることやったし、なんか、暇なんだよなぁ……。
…………魔王城、魔王の間。…………
俺は、憂(うれ)いていた。
キール(以下俺)『暇だ~。』
暇過ぎて。やること無いし。
俺『本当に、暇だ~。』
退屈なこと、この上ない。
俺『なんか無いかな~。良い、暇つぶし。』
転生したのに、
異世界ライフも、あったもんじゃない。
……アレ?前も、同じ事、考えてたな。俺。
(1話参照)
なんか、無いかなぁ……。
雑魚A「魔王様。
そういえば、勇者が、一向に、来ませんね?」
勇者ねぇ……。
レディ(以下女神)が、あんな感じだからなぁ……。
しばらくは、勇者は、来ないだろうな……。
うん?勇者?
そっか!俺が、勇者を、召喚すれば、
みんな、慌てて、帰って来る!!
ついでに、俺の、暇つぶしにもなる!!
異世界の、そんなに、強くない勇者なら、
ラスボス級の俺が、負けるはずが、無い!!
よし!やるか!!
俺『特殊能力「発案者」!
異世界より、そこそこ弱い、勇者を召喚!!』
俺の、特殊能力は、発動した。
俺の目の前には、村人っぽいヤツが立っていた。
?「アレ?ここは、どこだ(・ω・ = ・ω・)?」
俺は、確かに、弱い勇者。とは言ったが、
村人を、召喚した覚えは、無い。
俺『お前……。勇者か?』
俺は聞いた。間違いで、あってくれ。
?「俺は、マサアキ。一応、勇者、やってます。
(超振動さんの作品参照)」
俺『……マジか。』
マサアキ「……マジっす。」
いやいや。見た目に騙されるな!!
俺みたいに、ステータスモリモリかも知れない!
俺『チートスキル。「鑑定」。』
俺は、マサアキと名乗る勇者を、鑑定した。
レベル2?
……俺の、見間違えか?
俺は、深呼吸をして、目をこすり、再度見た。
そこには、やっぱり、レベル2。となってた。
これでは、力比べどころか、
俺の、デコピンでも、倒せるぞ……。
俺『こんな、駆け出し勇者を召喚するとは……。』
俺は、ガッカリした。
マサアキ「さっきから、情緒不安定ですよ?
それより、ここは、どこなんですか?
それに、あなたは、誰なんですか??」
なんか、説明するのも、面倒くさくなってきた。
俺『俺は、キール。この世界で、
しぶしぶ、異世界魔王を、やってる。
ついでに言うと、ここは魔王城。俺の家だ。』
マサアキ「ま、魔王!?」
マサアキは、防御した。
俺『無駄だ。防御したところで、
俺の、攻撃には、耐えきれないだろう。
それより、話しを、しないか?』
マサアキ「話し?ですか?」
マサアキは、目を丸くした。
俺『あぁ。俺は、さっきも言ったが、
しぶしぶ、仕方なく。魔王を、やってんだ。
どちらかと言うと、勇者に、なりたかったんだ。』
マサアキ「なんで、
今は、勇者じゃ無くて、魔王なんですか?」
俺『それは、話せば、長くなるが……。』
俺は、マサアキに、
俺が、魔王になった、いきさつを、全て話した。
(1話参照)
マサアキ「……なるほど。大変だったんですね。」
マサアキは、ウンウンと、うなづいてた。
俺『そうなんだよ!分かってくれるか!!』
良かった!俺の苦労を、分かってくれる奴だ!。
マサアキ「俺も、勇者って、必要が無いのに、
周りから、勇者様って、言われてますからね。
その気持ち、分かります。」
俺『おぉー。心の友!。マイブラザーよ!!』
俺は、マサアキに抱きついた。
マサアキは、倒れた。
俺『しまった~!!蘇生(そせい)しなきゃ!!』
そりゃあ、デコピンで、倒せる相手だもん。
こうなるよな。すまん、マサアキ。
俺は、マサアキを、生き返らさせた。
俺『……さっきは、すまなかった。
今度っから、気を付けるよ。ホントごめんて!』
マサアキ「……次は、無いですからね?」
俺と、マサアキの立場が、逆転した瞬間だった。
俺『でさ、俺さ、
魔王城で、死ぬほど、暇してんのよ。
なんか、冒険の話しとか、
聞かせて貰えると、有り難いんだけど……。』
マサアキ「どうせ、話さないと、
返す気が、無いでしょ?分かりましたよ。
つまらない話し、だからって、
後悔しても、知らないよ?」
マサアキは、冒険の話しをした。
それは、俺には無い、新鮮な話しだった。
俺『マサアキも、苦労してんだなぁ……(シミジミ)』
マサアキ「そうなんですよ!分かってくれた?」
俺『わかった、わかった。充分に、わかった。』
俺は、涙を流していた。
俺って、実は、
恵まれた環境なんだな。って分かった。
そんな俺の気持ちに、水をさすヤツがいた。
雑魚A「魔王様、そろそろ、この勇者、
殺っちゃって、良いっすか?」
せっかく、
感情移入(かんじょういにゅう)してるのに、
邪魔すんなよ!!雑魚のクセに!!
俺『次、そんな事言ったら、殺すぞ……。
さっさと、消えろ!!』
雑魚A「(°∀°)ヒィィィィ!!お助けを~!!」
雑魚Aは、去っていった。
他の雑魚も、怯えてる。
俺『俺の部下が、
失礼な事を言って、すまなかったな。
ちゃんと、俺の方から、言っておくから、
安心してくれ。』
マサアキ「みんな、怯えてますよ。
その心配は、無いのでは?」
俺『……だな。』
俺は、笑った。
マサアキ「……ですね。」
マサアキも、釣られて笑った。
他の雑魚共は、まだ怯えてる。
俺『さて……。長話して、すまなかったな。
本当なら、
この魔王城で、強くなって欲しい所だが……。』
多分、魔王城で、1番弱いヤツを連れてきても、
勝てないだろうな。
マサアキ「俺の、力不足ですから、
仕方ありませんよ。」
俺『そうだな。自分の力量を、分かってる事は、
とても大事だ。……ただな。』
マサアキ「ただ?」
俺『たとえ、力量が足りなくても、
仲間の為に、立ち向かう勇気。それも大事だ。』
マサアキ「……分かりました。」
俺『勇者とは、強い者では、無い。
勇気のある者だと、俺は、思ってる。
そういう意味で、マサアキは、立派な勇者だ。』
マサアキ「……ありがとうございます。」
俺『……なんて、魔王が、
言うセリフじゃ、無いんだけどな(笑)』
マサアキ「ですよね(笑)」
また、二人は、笑った。
俺『……んじゃ、そろそろ、
元の世界に戻すから、マサアキ、目をつぶって。』
マサアキ「分かりました。」
俺『特殊能力「発案者」。勇者マサアキを、
元の世界に、帰還(きかん)させよ!!』
マサアキは、光に包まれて、消えていった。
俺『勇者マサアキか……。
あんな勇者が、沢山居たら、
魔王業は、もっと、楽なんだかなぁ……。
さて、ひとっ風呂でも、浴びるか!。』
俺は、ウキウキな気分で、露天風呂に向かった。
勇者マサアキに、栄光あれ!!
28話 終 制作・著作 ━━━━━ きぃえぁ
作品協力 超振動さん。
『そもそも魔王を倒さなきゃ駄目のか?』
(無駄使用して、ごめんなさい!!
凄くリスペクトして、オマージュしました!!)