ぼくとおばあちゃんの8395日
これは実話です。
職業上、多少似せてある部分があります。
①出生
私が生まれたのはごく一般家庭。
他の家と違うと言えば、
両親が異常に若かった。
なんと、20歳までに2人の子を授かるという、
勢いも良いところだ。
親の成人式には当然、兄と僕が居た。
若気の至りなのか、
僕が一歳の頃に両親は離婚した。
ここまではよくある話しである。
この先もよくあるパターンで、
母は夜の繁華街でホステスを始めた。
なので、姉と僕はおばあちゃんとおじいちゃんに
育てられたようなものだ。
物心付く頃には、母は昼間は寝ていた。
夜になると派手な服装で仕事へと行った。
幼稚園の参観日は欠かさず来てくれる母だった。
でも子ども心に、他のお母さんより若くて派手な事が
大嫌いだった。
ちょうど、年長になったころ、おばあちゃんが、
「これから、ママは少し遠くに住む事になったから」
と言われた。
その時は現実味が無かったけど、
遠足の時におばあちゃんが来たり、
本当に家を出て行った母だった。
でも、僕にはおばあちゃんとおじいちゃんと兄が
居れば満足だった。
いや、
本当はとても寂しかった。
他の家が羨ましくてたまらなかった。
ママは何でいないのかな。