城山卒業!
超久しぶりのnoteです。
3ヶ月に一度くらいFacebookにふさわしくない長文を投稿してるので、それもnoteの記事にすればいいと自分でも思うのですが、書き始めてみたら結果長くなってしまったというのが実際なので、noteに辿り着かないんですよね。でも、今回は確実に長いことが最初から見えたので、1年半ぶりにnoteを更新できて嬉しいです🤗
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さて、昨日は、現オフィスの最終出社日でした。
リモートワーク中ということもあり、数は少ないのですが、最終日をともに迎えたスタッフとともに、オフィス最後の記念写真をパチリ📸。
オフィスへの感謝と新たな活動への期待の祝砲をあげて、お別れしました🎉
(撮影直前まで、みんなマスクしてます)
「ケミカル鍋」などたくさんの想い出のつまったケミカルビルを出たのは、2012年夏。そこから2021年夏までの丸9年をこのオフィスで過ごしたわけですが、以下、このオフィスへの想いをつらつらと。
(ケミカル時代唯一の記念写真はマスク着用…)
ケミカルから城山へ
弊社にお越しになった方はご存知だと思いますが、城山トラストタワーって、かなり立派なタワービルです。30人しかいないのに、そんなビルで200坪という広さのオフィスをかまえている制作会社って、国内では稀なんじゃないかと思います。家賃も安くはないですし、自分でも分不相応だといつも感じていました。
それでもここに来たのは、2つ理由がありました。
ひとつは2011年3月の震災。
ケミカルビルは震災で、社内の壁がひび割れ放題で、スタッフからも防災面で懸念の声が上がっていました。
そして、もうひとつは、受託制作会社からの脱却。
城山に来る1年前の2011年に、mixiとバスキュール号というJVを設立し、ソーシャルプラットフォームを舞台にした新たなコミュニケーションビジネス創出に着手していました。
2003年から2012年の10年間はいわゆる受託ビジネスのアウトプットが、世界中でさまざまな受賞を遂げるなど、たくさんのありがたい瞬間を体験したのですが、その仕事を少しセーブし、自らの力でプロジェクトを立ち上げられるハイブリッドなスタジオになろうと決心していたんです。
その背景には、もちろんスマホやSNSの普及によるWebクリエイション環境の変化がありますが、プライベートな理由もありました。2010年に母や妻の大病が連続して発覚し、ボクが仕事をセーブすることになるパターンを考える必要がありました。仕事内容を変えるいい機会にして、自分がいなくても回るビジネススキームを模索しなければと思ったんです。そのためには、さまざまな企業と新しいビジネスを生み出すべく、広めのしっかりしたオフィスがあるといいはずだ、と思い切ってしまいました。
結果、目指した世界が特殊すぎたのか、より属人的な動きが求められ、完全に目論見は外れました。でも、余命半年と言われた母は10年も頑張り、妻も無事に寛解を迎えられました。きっと、彼女たちの病気を原因にボクが仕事をセーブすることなく、公私ともども奮闘する姿を近くで楽しく応援してくれたからだと思ってます。完全に公私混同ですが、インタラクティブデザインをリテラシーの高い人のためだけではなく、母や家族でも楽しめる領域に組みこまなければならぬ、というスイッチも入っちゃったんですよね。
ちなみに、新しいビジネスが生まれて経営も安定したかというと、それまで以上に「まぁ面白いからいいか」というアトラクション的経営になってしまいました。
アワード的お仕事から事実上の撤退をしたこともあり、広告業界的評価を重視する人たちや、純粋インタラクティブなクラフト制作(今でも大好きですよ)に興味を持つクリエイターからの関心が離れていった気がしますが、その一方で、従来の評価軸を離れ、業界の壁を壊したい人たちとの関わりが増え、そのアウトプットを含めて、どんどん謎会社になっていきました。
アトラクションオフィスで生まれたプロジェクトたち
ここまでの内容は、関わりの少ないみなさんにはさっぱりわかりづらいと思うので、いわゆる広告文脈から離れた、ボクやうちのスタッフが主体となって始めたプロジェクトを以下に羅列してみます。(頑張って参照リンクもつけてますが、きっと大事なプロジェクトも漏れてると思うので、関係者の方、ごめんなさい)
<2012>
・インタラクティブTV構想を立ち上げ、ネット×テレビ事業へ進出
・フジテレビ・電通と(多分)日本初のインタラクティブレギュラー番組「にっぽんのミンイ」始動
・mixiとmixiXmas2012実施
<2013>
・mixiとのJV「バスキュール号」解散
・自ら番組スポンサーとなり、インタラクティブテレビ特番「Bloody Tube」で、Massive Interactive Entertaiment System(M.I.E.S.)をデモンストレーション
・WOWOWとレギュラー番組「金曜カーソル」を始動。バスキュールの金曜日恒例の「ゆかりキッチン」はみんなでこの番組をライブ視聴したのが始まりでした。
・国内モバイルオーダーの先駆けShowcaseGig社への出資
<2014>
・SXSWでM.I.E.S.を出展
・PARTYと次世代クリエイター育成プロジェクト「BaPA」始動。ラウンジが教室でした。
・日本テレビと「SENSORS」始動。番組当初の2年間はバスキュールが舞台だったので、2週間おきにラウンジがスタジオでした。
・Twitterと「#クリスマスボックス」立ち上げ
<2015>
・日本テレビとの合弁企業「HAROiD」設立
・電通・SALVOと「スピードチェス」発表。会社のラウンジをずっと演出してくれました。
・Twitterと「#クリスマスボックス2015」企画実施
<2016>
・ミワンダフルと「MakeSmileProject」始動。うちの素敵な居候ができて、ドラマみたいで楽しかった。
・プログレステクノロジーズと「touch.plus」プロジェクト始動し、エデュケーションロボット「TABO」開発
・LINE・電通と「七夕プロジェクト」立ち上げ
・「MeteorBroadcaster」構想をたちあげ、リアルイベント事業へ進出
・三井不動産と「願いの森」を企画実施。7mの天高をいかしたイルミネーションテストが痛快でした。
<2017>
・電通ライブと「音声AR」構想を立ち上げ、展示事業へ進出
・日本テレビと「TANABATARiUM」企画実施
・LINE・電通と「七夕プロジェクト2017」企画実施
<2018>
・三井不動産とのまち共創プロジェクト「nihonbashi β」始動
・神田明神・handyと「神田明神納涼祭演出」実施
・「VR REAL DATA BASEBALL」でスポーツテック事業へ進出。たくさんの方がラウンジでデモ体験してくれました。
・電通ライブと「オトガタリ」企画実施
・Nianticと「DIVE to INGRESS」を企画実施。前身のゲームを会社の周りで何度もデモしました。
・プラネタリアTOKYOに「流れ星のランタン」を企画展示
・有人有翼ロケット開発企業SpaceWalker社への出資
<2019>
・HAROiDデータ部門をTVerに売却
・「LIVEPARK」始動
・三井不動産・EMCと「灯桜」を企画実施
・神田明神・Yahoo!と「かおダンス」実施
・JAXA・スカパーJSATと「宇宙メディア構想」を立ち上げ、宇宙事業へ進出
<2020>
・三井不動産・EMCと「灯桜2020」を企画実施
・世界初のインタラクティブ宇宙スタジオ「KIBO宇宙放送局」開局
・リモート時代のエンタメシステム「ConnectedFlip」立ちあげ
・Nianticと「Gyorol AR」プロジェクト始動
<2021>
・JAXA・Twitter・ポケモン・コカコーラと世界初の宇宙の年越しライブ番組「THE SPACE SUNRISE 2021」を企画実施
・JAXA・集英社と「KIBO DISCOVER PROJECT」始動
(めっちゃ疲れた...)
インタラクティブデザインスタジオからの卒業
もちろん、上記の倍以上のいわゆるクライアントワークを同時期にやっているのですが、挙げてみて改めて気づくのは、うちはこのオフィスで「インタラクティブデザインスタジオ」から卒業し、自分たちの実現してみたいビジョンやプロジェクト主導で動く、いわば「プロジェクトデザインスタジオ」に成長を遂げたんだなということです。(ここに関しては改めて書きます。)
広告業界やデジタルクリエイティブ業界のみなさんの多くは、上のリストのような活動は業務外で無関心だと思うので、ケミカル時代のバスキュールからイメージがアップデートされてないんだろうなと想像してますが、VUCAと言われるゴールの見えにくくなっている昨今、事業会社のなかで新規プロジェクトを任される方には、上記のような活動実績は心強く思っていただけるようで、この神谷町オフィスで、たくさんのワクワクする出会いがありました。
天高7m・200坪という奇妙なスペックのオフィスを使いこなせるのは、うちしかいないという自負もあったので、こうして実際に最終日を迎え、センチメンタルな気分になってます。
プロジェクトが集まる場所
来週7/26から、バスキュールは麻布台にある麻布偕成ビルに引っ越します。
城山トラストタワー時代とは打って変わって、天高3.2m・120坪というスペック的に特徴のないオフィスですが、場所がとてもユニークです。東京タワー・ロシア大使館・霊友会・フリーメーソンそして森ビルの麻布台大開発に挟まれた僕らに面白いことが起こらないわけありません。
リモートワークが当たり前になった世の中で、ボクが今度のオフィスで大切にしたのは、面白いプロジェクトが集まり、生まれる場所になることです。
VUCAの時代、会社という形態は溶けていくんじゃないかと想像しています。会社の存続を考えるよりも、サステナブルなプロジェクトを生み出すこと、所属するスタッフたちにライフワークといえるようなプロジェクトに出会える機会を提供することが会社の役割になっていくのかなぁと想像し、麻布台の新しいオフィスに移転することにしました。
上のリストにあるような活動は、今後、間違いなく加速していきます。8月にはちょっと驚くような新しい仲間も加わります。ともに素敵なプロジェクトをデザインしてくれる仲間や企業とたくさん出会いたいです。
とくに、ボクと一緒に動いてくれるプロデューサーやPMを絶賛募集中です。伝えられないのが残念なのですが、面白いプロジェクトがたくさん始まりそうです。変化や進化を求めているみなさんにとって、最高の場所だと自負してます。是非🙏
最後に、城山トラストタワーで出会うことができたみなさま。
本当にありがとうございました!
新しいオフィスでもよろしくお願いします!
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