みんな無銭飲食してるの?情報や技術に対する価値観を見直そう
情報発信をしていると、時々驚くような質問をされることがあります。
例えばこんな感じ。
「このサービス、お金かかりますか?」
「無料で教えてくれますか?」
そんな質問を受け取るたびに、正直思ってしまうのです。「これって、もしかして情報の“無銭飲食”なのでは?」と。今回は、この「情報や技術に対する価値観」について深掘りしていきたいと思います。
「お金かかりますか?」という質問の違和感
まず最初に、この「お金かかりますか?」という質問について考えてみましょう。もちろん、「料金が発生するか確認すること自体」は悪いことではありません。むしろ正しい態度だと思います。しかし、背景にある「情報や技術は無料で手に入るもの」という無意識の思い込みが、実は問題なのです。
試しに、こんな状況をイメージしてください。
飲食店に入って「この料理、お金かかりますか?」と尋ねる。
お店で商品を手に取って「これ、無料ですか?」と聞く。
そんなこと、普通はしないですよね?なぜなら、モノやサービスを提供するには「コスト」がかかっているとわかっているからです。料理には食材や調理の手間がかかり、商品には製造や輸送のコストがあります。それが当たり前だと、多くの人が理解しています。
しかし、なぜか「情報」や「技術」になると、その価値が見えづらくなるのか、無料で当然と考える人が少なくないのです。
情報や技術は無料じゃない!その背後にある努力を考えてみる
情報や技術を提供できる人が、そのスキルを身につけるためにどれだけの努力をしてきたかを考えたことがありますか?
例えば、専門的な知識や技術を持つ人たちは、それを身につけるためにたくさんの時間を費やしています。本を読んだり、講座を受けたり、実践を重ねて経験を積んだり…。その背景には、膨大な時間やお金、努力があるのです。
これを少し違う例で考えてみましょう。
あなたが美容師に髪を切ってもらうとき、その美容師さんが何年も技術を学んできた結果が「今」の技術として提供されます。その技術は、練習や失敗の積み重ねで磨かれたものです。
また、カフェで美味しいコーヒーを飲むとき、その一杯にはバリスタが技術を磨いてきた背景があります。
こういった「目に見える技術」にはお金を払うのに、なぜ「目に見えない情報や知識」には無料を期待するのでしょうか?
情報の無銭飲食:SNS時代のクレクレ文化
SNSの普及により、誰もが情報を簡単に発信し、手に入れられる時代になりました。確かに無料で得られる情報もたくさんあります。しかし、その手軽さが「情報や知識は無料であるべき」という誤解を生み出しているのではないでしょうか。
特に、無料で情報やアドバイスを得ようとする「クレクレさん(=クレクレ族)」と呼ばれる人たちが目立ちます。彼らは、相手の努力や時間に対する対価を考えず、まるで無限に価値を引き出せるかのように振る舞います。
例えば:
「ちょっと教えてほしいだけなんだけど」と言いながら、相手に何時間もの相談を要求する。
「簡単なアドバイスをもらえるだけでいいんです」と言いながら、プロの知識を当たり前のように欲しがる。
これって、飲食店で「とりあえず食べさせて!代金は払わないけど!」と言っているのと何が違うのでしょうか?
クレクレさんの行動がもたらすもの
こうした「無銭飲食」のような行動を続けると、結果としてどのような影響を受けるのでしょうか?実は、クレクレさんは自分の首を自分で絞めているのです。
1. 信頼を失う
相手に対価を払わず、時間や知識を搾取しようとする行動は、当然ながら相手の信頼を失います。「この人に関わると、自分が損をする」と思われれば、誰も相手にしてくれなくなります。
2. ツキに見放される
「良いことも悪いこともすべて自分に返ってくる」というのはよく言われることです。他人に対して失礼な態度を取っている人は、巡り巡って自分も同じような目に遭うことになります。「最近ツイてないなぁ…」と思う人は、もしかしたら普段の行いが影響しているかもしれません。
3. 学びのチャンスを失う
「無料で教えてもらおう」という意識でいると、本当に得られるはずの深い学びを逃してしまいます。お金や時間を投資することで、人はより真剣に学び、スキルを吸収できるものです。
情報や技術の価値を正しく理解しよう
情報や技術にも、立派な「価値」があります。それを得るためには、適切な対価を払うのが当然のマナーです。これを理解することで、相手との信頼関係が築けるだけでなく、自分自身の成長にもつながります。
ここで、大切にしたい3つの考え方をまとめます:
相手の努力をリスペクトする 情報や技術を提供してくれる人の背景には、膨大な努力があります。その価値を認め、感謝する姿勢を忘れないようにしましょう。
適切な対価を支払う 無料を期待するのではなく、価値に見合った対価を支払うことを当たり前にしましょう。それが相手への礼儀であり、自分自身の学びを深める鍵です。
お金を払うことで得られる価値を理解する 対価を支払うことで、自分もより真剣に情報や技術を活用しようとします。無料では得られない「本物の学び」がそこにはあります。
最後に:情報にお金を払うことを恥じない文化をつくろう
情報や技術にお金を払うことは、「恥ずかしいこと」でも「損をすること」でもありません。それは、相手の努力を尊重し、自分自身の成長を促す大切な行動です。
もしあなたが「情報にお金を払うのはもったいない」と思っているなら、その考え方を少し見直してみてください。そして、自分が情報や技術を提供する立場になったときのことを想像してみてください。きっと、「無料で当たり前」という態度がどれだけ失礼であるかに気付くはずです。
価値を正しく理解し、適切な対価を払う。これが、誰にとっても気持ちよく学びや成長を得られる社会の第一歩です。あなたもぜひ、情報の「無銭飲食」から卒業し、正しい価値観を持った行動を心がけてみてください!