裏アカは、あってもいいが、表に出すな。
裏アカウントとは、SNSなどでメインアカウントとは別に、メイン――表では言えないようなことを発信するためのアカウントです。有名人のいくらかは、公式アカウントとプライベートアカウントを使い分けているだろうことが想像されます。
うまく使い分けられているうちはいいのですが、アカウントを間違えて公式アカウントのほうにトンデモナイ誤爆したり、プライベートアカウントがバレて内容が流出したりして、問題になっている様を稀に観測します。2022年8月末もアイドルマスターシャイニーカラーズでアンティーカの白瀬咲耶役を務める八巻アンナさんのプライベートアカウントが流出して大変なことになっていました。流出理由は誰かに裏切られて晒されて……という類ものではなく、何かのリツイートキャンペーンで鍵を外して全公開にしたのを忘れていたらしいという自爆に近いもので、言葉を選ばずに言えば「間抜けな理由でバレたな」という感じです。
プライベートアカウントの内容について「ファンの悪口が一切ない」「舞台を降りればただのファン」「ツイートの勢いが面白い」として好感度が寧ろ上がったという人もいますが(そしてなぜかフォロワー数も増えたようですが)、「同じくアンティーカに所属するキャラクターを務める礒部花凜さんや特定のVtuberなどに対する誹謗中傷がある」「秘密事項と思われる内容の漏洩がある」時点でお仕事にそれなりの支障が出ることは避けられません。
気になる礒部花凜さんとの関係については、礒部花凜さんサイドが、本件を落ち着かせるためにこれ以上ない大人の対応をされていました。謝罪掲載当日にたまたま予定されていた生配信でがっつり触れていくストロングスタイル。湿っぽさだけではなく強かさも感じられる見応えのある内容でした。その中で「発言のあった4年前から共に活動してきた中で関係は進でいて今は仲がよくなったと私は思っている」という旨の発言をされており、これに対するアンサーを八巻アンナさんサイドがヘタこかなければ少なくとも彼女らの関係(=アンティーカの平穏……になるのかなぁ)については手打ちになりそうです。
それでもやはりプライベートアカウントの内容の印象が流布してしまった以上、八巻アンナさんがこれまでと同じように活動できるかと言えばそれは簡単なことではありません。本件を知って離れてしまった人もいるでしょうし、離れなかった人も八巻アンナさんの一挙手一投足を見るたびにプライベートアカウントの内容がチラつく呪いに掛かってしまっています。また、しばらくは心ない人から罵声を浴びせられることもあるでしょうし、玩具のような扱いを受けることもあるでしょう。「どうしても八巻アンナさんでなければ困る」場合以外は起用する側も第三者から何かを言われるリスクを恐れてなかなか手が出しずらい状況にあるので、諸々に耐えながら新しい仕事を受けられるかどうかは、まさに本人の直筆謝罪文にもあるように、仕事に対して誠心誠意取り組み続けるしかありません。
僅か数日の出来事でした。鍵を開けなければこんなことにはならなかったし、誹謗中傷や情報漏洩をしなければこんなことにはならなかったし、そもそも裏アカウントがなければこんなことにはなりませんでした。公式とは異なる交流チャンネルも必要でしょうから、裏アカウントの存在自体は問題ないと私は思っています。但し裏である以上、表に出すのは頂けません。
裏アカは、あってもいいけど、表に出すな。
が私の中の結論になります。しかし自身が表に出さずとも、アカウントの乗っ取り、誰かからの私怨、SNSサービスのバグなどによる不本意な公開の可能性がゼロではない以上、裏であっても明るみになる最悪のケースを想定して何とかなるなる内容にとどめておくのが吉ですね。これは裏アカウントに限らず、DMやLINEなどの個人のやり取りもか。私も気をつけたいと思います。
王様の耳はロバの耳。
余談
礒部花凜さんの生配信は申し訳ないながら野次馬気分で拝見しました。しかし礒部花凜さんサイドも野次馬がそこそこくるだろうことを想定したようで、冒頭の説明を終えると「歌だけ聞いて帰ってください」と得意の歌唱を無料パートで披露したり、トークパートで初めての方向けに番組説明をしたり。ピンチをチャンスに変える現場を目の当たりにしました。本人も事務所も強い。チャンネル入会者数がどれくらい増えたのか気になります。