40年超インコを見ているブリーダーからセキセイインコを迎えた話
遡ること、約1か月前。
40年超インコの世話をしてきたというブリーダーのもとから、生後1か月前後のセキセイインコを迎えた。
セキセイインコとは
背黄青鸚哥は、体長約18~23cm、体重は約30~40gほどの小型種で、ジュウシマツ・文鳥と並ぶペットとして人気の高い種類である。
好奇心旺盛で人見知りをすることが少ない。
オスは声真似をすることを得意とする場合が多く、豊富なカラーバリエーションが特徴でもある。
平均寿命
一般的な寿命について、Wikipediaに下記の記載がある。
当該記載はホームセンター等の販売員による案内と大きく違わず、より長期的な付き合いを目指すなら、環境を整えるよう指導されるのが一般的だろう。
求められる飼育環境
セキセイインコの飼育環境として、好ましいといわれるのは下記条件である。
事故が起きにくい場所
個体の健康をおびやかさない場所
当然と言えば当然の内容だが、具体的には、
エアコンの風が直接当たらない場所
カーテンから離れた場所
テレビ等のオーディオ機器から一定の感覚を保てる場所
直射日光の当たらない場所
などが望ましいとされる(ペットショップ等の店員による指導を参考に記載)
必要な世話
鳥類専門医監修「BIRDSTORYのインコの飼い方図鑑」によると、インコに必要な世話は下記の通り。
6:00
ケージにかかっているカバーをはずす
7:00
体重測定、ごはんと水をあげる
ケージの中をそうじする
7:00→12:00
放鳥するなどして鳥さんといっしょに遊ぶ
12:00→17:00
日光浴をさせる
鳥さんひとり遊びタイム
ごはんと水の減り方をチェックして、ごはんと水をあげる
フンの状態を確認する
放鳥する
18:00
日が暮れたら、ケージにカバーをかける
筆者の飼育遍歴
筆者はこれまでに「コザクラインコ」を1羽、「セキセイインコ」を3羽世話した経験がある。
いずれもペットショップから迎えた個体で、ショップから勧められるがままに飼育用品を購入し、最高齢6歳。セキセイインコは病死、コザクラインコは突然死という苦い最期を経験し、再度迎えることはなかろうと考えていた。
ただ、どの子もよく懐き、いわゆる「手乗り」状態であった。
手乗りとは
手乗りとは、明確な定義があるわけではなく、一般的に「人を恐れず、懐くこと」を指す。「ベタ慣れ」と表現する場合もある。
人との距離感は種類・個体によりまちまちで、ある程度の日齢で親鳥から離し、人の手で育てることで慣れさせる方法を推奨するものが多い。
ただ、「手乗り」と称していれば必ず誰の手にも乗るわけではない点には注意が必要だろう。
セキセイインコは賢く、相手により乗らない場合や、生き物である以上は気乗りしない場面もある。
雛を迎えてから1か月
ここからは、筆者がセキセイインコの雛を迎えて1か月間をざっくりご紹介する。
(1)初日と購入品
我が家に迎えた当日。
ブリーダーの勧めに従い、虫かごのようなシンプルなケージを購入し、ウッドチップを敷いた状態で連れ帰った。
自宅に何の準備もなかったため、下記も併せて購入した。
(2)ごはん事情
以前、世話した子には鳥用の給餌シリンジを使用したが、ブリーダーから「あれば便利だが、わざわざ用意する必要はない」との教示があった。
では、何を使用して食事を与えるのかと言えば、コンビニ等で提供されるプラスチック製の使い捨てスプーンだ。
貧乏性の筆者は、デザート購入時に提供された当該スプーンを保管していたため、これを洗浄・乾燥して雛用に使用している。
あわせて、給水器についてたずねたところ、これも不要との回答。
主食の水分量が多いため、わざわざ別で用意する必要はないそうだ。
肝心な食事内容であるが、あわ玉・さし餌用パウダーフードを8:2の割合にし、お湯でふやかし、ペースト状にしたものを朝晩2回与える。
あわ玉だけでなく、さし餌用パウダーフードを混ぜるのは、「成長になった後にペレットをあげる場合に備える」目的からだそうだが、ビタミンミネラルを豊富に含んでいるため、栄養補給の面でも有効ではないかと考えている。
食事回数につき、雛の間は1日4~5回と指導する人もいるようだが、ブリーダーいわく、
そうで、飼育環境についても、「直射日光のあたらない外でいい(室内の場合、窓辺にケージを設置すれば良い)」らしい。
(3)ケージの設置場所
多くの飼育書が「室内」「適温(28度前後)」を推奨しているのに対し、ブリーダーが推奨するのは「常温」。
冬場のヒーターも必要なく、暖房器具の使用はかえって個体を弱らせるのだと話す。
実際、彼の世話する鳥たちは、冷暖器具のない屋外の半日陰で管理されていて、彼自身も首からタオルを提げ、汗だくで世話している姿が印象的だった。
(4)動かざること
うちに来てしばらくの間は、そっとしておくことにした。
筆者起床後、身支度を調える間はベランダにケージを置き、食事を与える。
この際にトイレ(木くず)の掃除も行い、フンの状態を観察する。
日中はほとんど構わず、夕方になるとまた食事を与え、夜間は自室にて管理する。
そのうち、ケージの蓋を開ける前から筆者を追いかけるようになり、手を出すと自分から乗るようになった。
が、初めての放鳥は、自宅に迎えて1週間後。
これまでの期間、何度か床に下ろそうと試みるも、すぐに筆者のもとへと戻ったかと思えば、脇や洋服の裾など、必ず狭いところへ頭を突っ込もうとする。
(5)ケージの引っ越し
うちに来て8日目。
ブリーダーから購入したケージでは狭そうに感じたこと、羽ばたく練習が本格化したことから、ケージを大きくした。
これを機に、さし餌からおひとり様での食事へと切り替えた。
切り替え自体はとてもスムーズだったが、はじめの2日ほどは自力での食後にスプーンでもさし餌をし、本人も喜んで食べていた。
ちなみに、ベランダに設置しない場合、ケージは最も陽当たりのいい窓辺に設置している。
排泄物や抜けた羽が彼女の羽ばたきによってケージの周囲に落ちるため、木製のトレーをケージの下に敷いている。
とても元気に羽ばたくため、これでもまだ飛散するが、何もしないよりマシだろう。良いグッズやアイディアが浮かんだ際は、こちらで共有使用と思う(筆者のような初心者に聞かずとも、諸先輩方が発信されているだろうが)
(6)飛んだ
我が家に迎えて2週間ほどが経った日。
ケージの扉を開けると、10cmほどを飛んで移動し、筆者の腕に止まった。
どことなく得意げに見えると同時に、やや寂しさも感じた。
この日から徐々に飛距離を伸ばし…と言いたいところだが、この翌々日にはスイスイ飛ぶようになり、油断するとエアコンの上等に止まっては数分間楽しむまで戻ってこなくなった。
難しく考える必要はない
ネットや飼育書等を見ると、事細かに注意書き等がされており、何だか難しそうだが、実際には、そんなに難しく考える必要はない。
なぜなら、セキセイインコも生き物であり、同種と言うだけで一括りにできるはずがない。
勿論、最低限度の知識は必要だし、本人を喜ばせたいと考えるのは素敵なことなので、全く勉強しないまま迎えるのは不適切だと言える。
40年超インコを見ているブリーダーからセキセイインコを迎えた話まとめ
当ページでは、筆者がブリーダーからインコを迎えた日から今日に至るまでを紹介した。
こうして記事を執筆する間も、彼女は筆者の上で眠っている。
何か特別なことをするのではなく、必要最少限度のお手伝いをすることが、好意的な関係を結ぶコツだと考えている。
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