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心に自信、手には職—少しずつ積み上げる未来の選択肢

「手に職」って、実はとても大事なこと

 最近、筆者の周りでよく耳にするのが「手に職」。
 あまり小難しい話はしたくないけれど、これってとても大事な考えだ。

 何か1つでいいから自分が得意なこと、得意になりたいと感じることがあるのなら、それだけですこし生活は豊かになる。自分の未来に役立つスキルが手に入ると、それだけで安心感も増すと思うのだ。

 「手に職」と聞いてはじめに思い浮かべるのは、やはり親方などの職人や美容師、調理師など、物理的な形をつくるスキル。そう。手を動かして物をつくり、何らかのサービスを提供する仕事。

 しかし、筆者は思う。「手に職」の本当の良さとは、必ずしも形に残るものだけでなく、自分の生活や心の支えとなることではなかろうか。

 たとえば、筆者は行政書士として働いているが、資格を取得するまでの過程プロセスでいろいろな知識が身についたし、取得後だって身につけ続けている。これらが日々の仕事にどう活きるか、どう活かせるかといえば、実は、目に見えない部分が大半を占めている。
 すこし踏み込んで説明すると、法律の基礎的な知識を身につけたことで、普段の生活で浮かぶ些細な疑問や小さなトラブルに対し、それ以前と比べて冷静な対処ができるようになった。書類の書き方や手続きの流れを知り、覚えたことで、仕事以外の物事を理解しやすくなった。

 さらに、筆者が世話するペットの犬やインコも「手に職」だ。彼らの健康管理や特徴を知ったお陰で、日ごろの世話はもっと楽しくなり、不安が軽減し、安心して接することができるようになった。こうした物事は、業務の遂行に必要なスキルと直接関係はないものの、筆者自身の生活と心は、それまでよりも豊かになったのだ。

 だから、「手に職」とは単に金稼ぎの手段を得るだけではないと思う。

 自分自身が成長する手段であり、自らの生活を支える力である。
 そうして、これらが将来の新しい可能性を開く扉となる。

手に職を持つことで芽生える自信

 無論、手に職というのは一朝一夕ではできない。最低限の努力は不可欠だし、はじめはうまくいかないことのほうが多かろう。それでも、あきらめず続けることで、じわりじわりと自分が成長する感覚こそが、実はものすごく大事なのではないだろうか。

 また例え話をするが、筆者、行政書士試験を受けようと思い立ったとき、不安を抱く余地もないほど無知だった。それまでの人生には存在しない資格だったから、すごさも難易度もわからなかったのである。

 けれど、実際に勉強をはじめると想像の何倍も難しく、心は複雑骨折だ。

 そんな自分が更に嫌になったものの、少しずつ問題が解けるようになり、法律の条文に目が拒絶反応を示さなくなっていく感覚を得始めたことで、負傷した心がすこしずつ回復するのがわかった。はじめと現在の自分とを比較し、成長を実感できる瞬間が増えたのだ。

 それまで筆者は逃げてばかりいた人生だったが、この経験は大きな財産となった。いわゆる「自己肯定感」についてはいまだピンとこないままだが、自力で目標を達成した体験は、新たな挑戦の際、大きな支えとなった。

自分のペースで積み上げる大切さ

 さて、「手に職」がない読者は焦りを感じ始める頃かもしれない。でも、その必要はない。もちろん、大きな目標を持ち、それに向かって突き進むのはたいへん素晴らしいのだが、無理をしてまで一気にやろうとしなくて良いんじゃないか?と思う。結局のところ、技術は日々の積み重ねでしかないのだから。

 資格試験でいえば、毎日の受験勉強がこれにあたる。

 はじめから飛ばすとすぐに息切れするだろうし、最悪の場合、故障の可能性だってある。だから、最初は5分でも10分でもいい。ただ、これを続けることを目標として掲げ、続けさえすれば、いつの間にか大きな成果となっているもの。日々の積み重ねこそが自信となり、結果的に「手に職」となるのではないか。

手に職がもたらす未来の選択肢

 「手に職」を達成できれば、自ずと選択肢が広がる。あなたがどのような仕事をしていようとも、1度は転職を考えるだろう。また、何かしら新しい挑戦をしたくなることもある。そのタイミングで役立つものこそ、手につけた職なのだ。

 それだけではない。

 スキルさえ身につけておけば、既存な枠に囚われることなく、あなた自身でビジネスをはじめることだって可能だ。あなたの手に職があるからこそ、どんなに困難な状況だろうが柔軟に対応できる。
 この点、独立開業を経験している筆者としても、今に至るまでの過程を通し、「手に職」の意味や効果が身に染みている。

おわりに

 「手に職」なんていうと少々堅苦しく感じるかもしれない。

 しかし、これらは「あなたを支える力を手に入れよう」というシンプルな話なのである。「これさえあれば!」と言い難い世だが、ないよりあったほうが良く、日常生活に安心感をもたらすこともある。些細な問題に冷静な視点を向けられるようにもなる。そして、あなた自身を成長させる大きな力となる。

 だから、何か1つでも「これならできる」と感じるスキルがあるのなら、それはものすごく大きな価値がある。無理をせず、しかし着実に、あなたのペースで「手に職」をつけると、きっと未来は更に豊かになるはずだ。

 手に職があれば広がる未来について、少しでも実感してもらえると嬉しい。

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ヲタク行政書士®榊原沙奈
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