渋谷地下を探検する②
いくら目を凝らしただろうか。渋谷地下には飲食店、その他店舗がほとんどない。新宿地下でその隙があろうものなら、今ならタピオカで一儲けするだろう。いやチーズドックか。なんらな私が出店しようか、と言いたいくらい、無駄にスペースが空いている。目的出口約150mに至っては、人がほぼおらず頭上には109と、あのスクランブル交差点と人だろう?…信じがたい。
Sは以前、別の渋谷地下の開けたスペースでオーケストラの生演奏を聞いたことがあると言った。区が違うとこうも変わる…田舎者の私が簡単に刺激を受けるわけだ。
出口1からユニクロの店内を通り外に出る。珈琲店トップの看板がすっと視界に入るやいなや再び地下の階段を下り、珈琲店トップ道玄坂店へ。
新宿地下の珈琲店トップは2017年9月に閉店した。48年の歴史があった、と後で知ったのだが、イケメンばかりいる店舗で本当に静かな喫茶店だった。
渋谷店はハキハキとしたおばさんがフロアをしきり、程よく混んだ店内に、年季の入ったクリスマス飾りが主張せず店内を彩る。紙フキン、コースター、フロートスプーンはトップのマークが入っている。新宿の記憶と交じり合ってか、ただいま、と言いたくなった。(つづく)
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