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出来事追記
昨夜の2軒目はお気に入りのショットバーに行った。洋酒をメインで取り扱っており、私の大好きなナカツジンが結構揃っている。
1杯目はナカツジンの "アブサン 2nd" を飲んだ。前の店でそれなりに飲んできたから繊細な味の違いは分からないが、相も変わらずスパイシーな風味。
2杯目はラムを飲みたかったので、何か面白いラムくださいと無茶なお願いをしたらフィリピンのラム "DON PAPA" というのを飲ませてもらった。
バナナのような風味がして、あとに残る香りが杏仁っぽい何だか少しケミカルな味。私は好きな味。
この辺りで結構酔いが回ってきたので、少しペースを落として寺山の歌集を読みながら煙草を燻らせた。
歌集後半の血と麦の章では読めない漢字が多過ぎて表紙の寺山修司みたいな渋い顔になってくる。
疲れたのでやめた。
そして、マスターと常連客との話に聞き耳を立てる。自転車旅行の話とか、スマホアプリの話とか取り付く島もない話題なので黙って聞いていた。
そのうちに、私の隣にいた女性とマスターが映画の話をし始めて何度か話を振られたが、ここで腕まくりをして色々語り出したらキモいなと自意識が邪魔をして差し障りのない相槌でお茶を濁した。
これも社会性。急に語り出すオタクが1番キモい。
3杯目はナカツジンの "アブサン 3rd" にした。もう味の違いなんて分からないくらい酔っていたが、3rdバッチは夜の海の色をしているから好き。
それを飲み干したあたりで閉店の時間だったのでお会計を済ませ、おやすみなさいと言って店を出た。
台風の影響で日付が変わる頃には雨の予報だったけど、まだ雨は降らなそうな感じの空模様だった。
なので、少し遠回りをして帰った。
夜の街にはバイト終わりの大学生風や同じく飲み終わりの愉快そうな人たちが疎らに歩いていた。
酩酊の多幸感に浸っている間は何処までも歩いて行ける気がするが、行きたいところは何処もないので公園や路地でお花の写真を撮って気を紛らす。
帰り掛けに痩せた白い野良猫が立ち止まってこっちの方を見ていた。君みたいで綺麗だと思った。近づいたら逃げられたので君みたいだった。
自宅の玄関に着いたらどっと疲れが出た。とりあえず胃に何かを入れたいので道中の松屋で買った何かをレンジで温める。その間に風呂を沸かした。
お風呂の方が先に沸いた。汗で気持ちが悪かったので入浴を優先した。身体が汗と煙草とアルコールの不健全な匂いがした。ラベンダーの入浴剤を入れた。
しばらく浴槽で眠った。1時間くらい。
浴槽で寝るとSF映画のコールドスリープみたいでわくわくする。数百年くらい眠っていたらどうしようか。目が覚めた時は誰が迎えてくれるのだろうか。
目を覚ましたら風呂を出て、惰性で髪を乾かした。
松屋の何かを温め直して口内を火傷しながら急いでものをかき込んだ。すごく横になりたかったので。
寝る前に追加の鎮痛剤とデエビゴを飲んだ。今日だけで寿命が3カ月は短くなった気がする。
身体中が痛くてアルコール臭い息を一生懸命吐き出しながらいつの間にか気絶するみたいに眠った。
夢は一切見ずに朝になっていた。